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[参加レポート]IEEE BigData 2022 Poster Session|2022年もお世話になりました!

総務部のこやまです。
早いもので2022年最後の水曜日になりました。

今回は、IEEE BigData 2022への参加レポートです。
少し内省的な内容でもありますが、今後のために残しておきたい。
そこで2022年最後のnote記事として作成することになりました。




イシダテック、IEEE BigData 2022 Poster Session に参加した件


先日、大阪府内で開催されたIEEE BigData 2022。
そのPoster Sessionに参加してきました―。

中原さんが。

㈱イシダテック 事業推進室所属
■経歴
2012年3月:津山工業高等専門学校 卒業
2016年3月:高知工科大学 システム工学群 ロボット工学専攻 卒業
2017年9月:JAIST 北陸先端科学技術大学院大学 高信頼組み込みシステム開発人材育成プログラム受講 (一身上の都合により退学)
2017年12月:株式会社イシダテック 入社

イシダテックは高専生がたくさん働いているらしい。 [新卒編] より




そもそも IEEE BigData 2022 とは


あまり聞きなれないものとも思いますので、簡単に解説します。
まず、公式HPでは下記のように記載されています。

Big Data is transforming science, engineering, medicine, healthcare, finance, business, and ultimately our society itself. The IEEE Big Data conference series started in 2013 has established itself as the top tier research conference in Big Data. The 2022 IEEE International Conference on Big Data (IEEE BigData 2022) will continue the success of the previous IEEE Big Data conferences. It will provide a leading forum for disseminating the latest results in Big Data Research, Development, and Applications.

HPより

つまり……。

ビジネスをはじめ多種多様な分野(科学・工学・医学・ヘルスケア・金融…)あるいは、社会そのものを変革しているとも言えるビッグデータ。
2013年から始まったIEEE Big Data conference seriesはビッグデータに関する学術会議としてTop tierの地位で研究・開発・応用の最新結果を広める場。

こやま意訳

IEEEで発表される論文は基礎研究や応用研究、ビジネス適用事例まで幅広く、トピックも多岐に及んでいるようです。

参加した中原さんによると……
必ずしも目を見張るような、新規性のある内容ばかりではない。
しかし、テーマそれぞれに存在する前提や背景にも触れた上で発表等を聞き「面白さ」が感じられたとも語っています。
国際学会ゆえに求められる英語には苦しんだようでしたが…!

50か国から1,200人以上が論文を提出し、採択率(Acceptance rateはそう訳せば適切だろうか)は19%である。狭き門。




出展内容


なお、今回最終的に参加したのはPoster Sessionとなりました。
発表内容を掲示し、自由に閲覧していただくスタイルです。

▶中原さんの所感
当たり前ではありますが、国際会議ということもあり英語で苦しみました。
機械翻訳を間に挟みつつや、日本人に対して説明をおこないました。

以下の質問がありました。
・画像の製品は何か。
・なぜこの製品を使用したのか。
・他に検証したデータセットはあるのか。
・どれくらいの学習時間なのか
・再学習をなぜするのか。
・比較対象はどう選んだのか。
・なぜ半教師なのか。
・すべてを検出することができるのか。
・工場で教師なしAIを使っているのか。
・ワークの丸さをグラフの円で表しているのか。
・2mほどの大きなものに対しても検出ができるか。

掲示Posterの実物

発表者はイシダテック×筑波大学×Xtrans tech * の形式。
開発スタートからお世話になっているみなさま、ですね。

* Xtrans techは善甫助教による筑波大学発ベンチャー



反省会


さてPoster Session参加についてですが、前日談があります―。

▶ある日
品質担保の観点からIEEE 2022 BigData FullPaperへの論文投稿は見送り。

内容自体は新規性もあり、産業の発展に寄与するものであるため、同学会ポスター発表や他のJournalへの投稿を目指して今後取り組む予定―。

私…いや世の中の大半の人間は、
中原さんのように社会を変えるAIは作れない
「崖っぷちスケジューリング」
と設定された怪しいチケット #9082

2022年3月18日:#7660の課題解決セッションでIEEE BigData 2022[INDUSTRIAL Track Fullpaper]に論文を投稿することとなった。 当初の締め切りは8月20日で、当時想定していたスケジュールは以下の通り。

4月前半:タイトル,アブストラクト,章立てを立てる。
※ 添付するパワーポイントファイルを参考に骨子を考えてみてください。P.10-14を穴埋めすると,論文の骨子,主張が明確になると思います。

4月後半:先行研究調査,比較対象として妥当な手法の列挙をする。
※ 表などにまとめましょう。どの様な評価軸で手法の特徴を比較したいかが,提案手法の有用性を主張するための戦略です。

5月前半:提案手法の結果を出す。
5月後半:比較対象の結果(5~10種類くらい)を出す
6月:日本語原稿仕上げ
7月:英訳原稿仕上げ

‐‐‐‐‐

2022年7月21日:進捗が芳しくなく、1日単位の崖っぷちスケジューリングを立てる。
2022年8月19日:事務局側の都合で、締め切りが9月4日に延期される
2022年9月4日:分担して論文を埋めていったが、全体の整合性も取れておらず、品質担保ができず、提出を断念




目標変更が発生していた

当初(2022年3月)はIEEE BigData 2022[INDUSTRIAL Track Fullpaper]を目標に始動。

最終的に目標は未達となりました。
しかし前述したように、開発を続けてきた教師なしAIは『内容自体は新規性もあり、産業の発展に寄与するものである』優れたものです。

今後また新たな挑戦に向かう時のために―。
この2022年最後のnoteに反省を残しておきます。

どんなAIに関してか、はFOOMAの記事が参考になるかも。
IEEEでもそうでなくとも、再チャレンジを応援したいです。(こやま)




論文執筆期間を振り返って

+:よかったところ

  • 小さなマイルストーンを設置
    やぶられはしたが、帳尻はあった

  • "朝会" による強制的レビュー機会創出
    進んでいないことが関係者間に強制的に共有される
    「ふたを開けたらヤバい!」が「つねにヤバい」に進歩

  • 周囲との関係性は人間理解により良好
    相互理解が進んだからこそ、カバーができるように

ゴールに向けたアプローチ手法、という点では進歩も
「取り組むための仕組み」を創出できたのはポジティブ要素。 
筑波大学・Xtrans techの両組織とも長くお付き合いをいただいています。
相互理解度も高く、良好な関係性で開発活動を行うことができています。

いつもありがとうございます


-:改善すべきところ

  • 1日の進捗が1行
    論文の材料(画像やデータなど)が揃っていながら進捗せず
    記述内容の関連事項と思い調査に1日費やす等、逃げる理由を探した
    想定執筆期間:1Weekが最終的に4Weekへ

  • スイッチオンが締切後
    通常は追い込まれるとやるか/やらないかになるが……
    そもそも追い込まれる/スイッチが入るのは締切後であった

副次的効果にもなっていた説はあった
執筆期間中、論文と無関係の超高難度タスクの処理スピードが異次元に。
中原さん、社内VPNの構築等誰もできなかったことを猛スピードで突破。

事業推進室としてチーム体制で動いていた部分も

お客さまからご相談をいただく機会も増加しており、スピード感を持って、そして同時並行的にタスクをこなしていくことも求められてくるはずです。

中原さんだからできること、中原さんにしかできないこと、どちらもたくさんあるなと常々感じています。
『お客さまに驚いてもらえるようなプロダクトをつくる』ことをこれからも実現していってください。
走り去った道にレンガをきれいに並べてくれる方がきっとたくさんいます…

まとめたライターより



「これから」に向かうためのメッセージ

取り組みを振り返り、共同研究先である筑波大学善甫助教、弊社社長の石田より「これから」に向けたメッセージをもらってきました。

筑波大学/善甫 啓一助教 より

人間の思考プロセスは、帰納的思考(知識・ルールから何かを推論)と演繹的思考(ビッグデータから知識・ルールを抽出)の組み合わせであると言われています。だからこそ具体と抽象/全体と個別を行き来して思考することができますし、〆切を意識しながら個別の具体的作業を行うことができます。
今回、中原さんの頑張りで沢山のレンガが運べたと思います。
その努力があるからこそ国際会議発表に繋がったものと思います。
次はさらにステップアップし、一緒に出来上がる城や国の形を意識しながらレンガ運びを頑張りましょう。引き続きよろしくおねがいします。

システム情報系・助教としてXperLab(知覚拡張システム研究室)を主宰
Xtrans tech株式会社代表取締役を兼務

弊社社長/石田尚 より

開発した教師なしAIの手法がいい結果となり、また世界的に珍しかったので、今回チャレンジしてもらいました。
しかしながら学術分野でのチャレンジの裏目的は、中原さんが知的創造性のオープンさ(openess)を磨いて、各分野/領域のエッジにいる方々と切磋琢磨してほしいから、という点にあります。
その点では、共同研究先の筑波大学と活発な議論ができていたので、良かったと思います。慣れない思考法にかなり苦しむ事もあったかと思います。
こちらは自分の取扱説明書を定義して、うまく自身と付き合ってください。個人的には、当初の論文(Full Paper)締切前日の筑波大学チームとの24時間バトンリレーが良い経験でした。

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締切前日
23:32 中原さんがデータセットの不足分を書き上げる。
締切日
0:24 石田が追記・英訳・チェック。
4:06 共同執筆者(夜型の研究者)が不足部分の書き上げとレビュー。
5:00 引き継ぎのWEB会議
8:54-13:01 善甫先生(@海外への移動中)が全体チェックと再校正。
14:41 中原さんが訂正分のデータを再投入。
15:20 緊急方針ミーティング。方針切り替え。

古き良きパワープレーでした…。




話題は変わって担当者より:本年も大変お世話になりました


#noteまとめ によると、書いた記事は55本。
テーマは多岐に及んでいましたが、多くの方にお読みいただきました。
まずは1年間、ありがとうございました。

集計期間: 2022.1.1 〜 2022.12.15らしい


4か月間のみ運用した2021年と比較すると…

(単純に×3をして参照してみると)スキ数ってそんなに変わらないものの、全体ビューは大きく伸びることになりました。

  • 公開済記事のストック効果

  • コンテンツのジャンル増加

  • フォロワー数の増加

あたりが要因とは想像できなくも…ないです。
本格的に通年運用する中で、イシダテックという存在自体だけではなく、#DXシリーズ はじめ、発信する多様なコンテンツそれぞれへ異なる読み手の方が興味を持ってくださったことも大きかったです。

来年もテーマにとらわれず毎週水曜更新です!よろしくお願いいたします!

▶2022年最後の更新によせて
今年もありがとうございました。
担当者個人の所感としては、やたらボリューミーな記事も生み出しまくったものの… お付き合いいただき感謝の気持ちでいっぱいです。
来年、私はメンバーシップでみなさんと過ごすことになるかな?(こやま)

▶"今年の漢字"も決めてみたりした

▶HP

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