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「ものづくり」の現場を伝えたい。【機械場編】

総務部のこやまです。突然ですが……


悩みがあります


イシダテックは2021年8月から発信活動に力を入れ始めました。
以来noteやデジタルツールの運用、さらには結桜さん関連の取り組みでもお問い合わせをいただく機会が少しずつ増えつつあります。しかし……。


本業と関係なくはないけど、ない

本日も日経クロストレンドさまにて記事が掲載されました。

>これを読めば、イシダテックがどんな会社かがおおよそ分かってもらえる
>Z世代に刺さる、noteの書き方は「それとなく」


というワードが登場します。
採用広報という文脈で、それとなく社風を伝えることはできてきました。
しかし、魔境の謎部屋を改装することはわかっても、食品・医薬品製造業者さま向けの「秘密兵器」をオーダーメイドで製作する 弊社の事業そのものは仔細までまだお伝えできていませんし、具体的な業務よりも社員にただただ趣味や好きなことの話を聞いた回数の方が多いかもしれません。

仕事の話をいきなりしなかったから、みなさんが読んでくださるようになったかもしれないですし、「いきなり自分語り」(自社語り?)をしても、みなさんにスルーされてしまう可能性も高かったかもしれないです。

一方で社員インタビュー等を通じては、弊社を近くに感じていただくことは着実にできてきたかもしれないですね!

「かもしれない」3連発してごめんなさい(こやま)




本業を語れない、その理由

なかなか言えない、「これ作りました!」

全社での広報視点でも "公開可能" な導入事例は限られたものです。
お客さまにとって生産設備は付加価値を提供するための「鍵」であるケースも多い上、受注生産で製作される一点物の製品であることも一因です。

取り組みを公開した数少ない例がAI開発に関するストーリーやFOOMA JAPAN 2022 出展に際して公開した記事でした。
お客さま(株式会社明治さま)の許可に基づき、開発プロセスや事例が公開できた例です。ただこれはわかりやすく言えばお客さまに「秘伝のレシピの一部を公開させてください」とお願いしたようなものです。




それでも、ものづくりの現場を伝えたい

今回の記事作成に至る経緯は、製造部部長 (工場長) である石川さんとの会話がきっかけです。

”ものづくり” 業界全体の話でもあるし、製造業全体の話でもあるけど、スポットライトの当たっていないところにも注目をしてほしいし、世の中に広めて欲しいとはいつも思っているんだよね。

(中略)

取り組んでいる小さなことも、世の中で大きな価値を生むことを映したい。すごい難しいんだけどね。どういう風に表現していくかは具体的にまだ考えてないけど……

(中略)

志を持っている人とイシダテックで一緒に働きたいというのも常々思っていますしね。

難問ですね(こやま)
と語ってくれた石川さん

株式会社イシダテック 製造部部長 (工場長) 石川大志

■経歴
1993/03 島田工業高等学校 卒業
1993/04 イシダテック入社
※2022/05~ 製造部部長 (工場長)

入社以来一貫して製造・組立に従事する。キャリアの途中からは製薬機械を担当し、今や誰よりも製薬機械に詳しい。周辺知識にも明るく、博識でゾーンに入ると話が止まらない。パラグライダーを担ぎながら登山し、中腹から飛び立ったことがある。この時はさすがに上司から怒られたそう。
入社理由は、主にミロのビーナス。




そこで工場長・石川さんと発信担当・こやまの見解

とりあえず、あーだこーだ言う前にやってみよう!

今回は雰囲気だけでも伝えたい

そこで、作業の様子を写真や動画で伝えてみることにしました。
ただし今回お伝えするのは部品製作。まだ最終型を見ることはできず、装置組立の前段階に当たるものです。
前段の話では製造業全体!くらいまで話は大きくなってしまったものの、小さな一歩でも、まずは踏み出してみようと思います。




イシダテックの「機械場」に潜入

イシダテックの製造部はものすごく大きくは……、

  • 機械加工

  • 組立

の2つに分けられます。
機械加工による社内での加工に加え、お取引先の業者さまに発注・外注して部品類を集め、設計図に基づいて組立が行われていきます。
写真赤丸の箇所が今回の舞台で、機械場きかいばと呼ばれる場所です。


弊社では「南工場」と「北工場」の内部でそれぞれ組立作業が進められていきますが、その前工程として部品が加工されるのがこの機械場です。

南工場|食品系の装置が製作される
北工場|製薬系の装置が製作される
こんな位置関係です




早速内部に潜入してみる

……のですが、機械場は所狭しと加工用の機械が設置されています。
情報が渋滞しそうなので、この記事では稼働中の様子をひたすら流します。
レジェンド並みの勤続年数を誇る加工機械もありますよ!

所狭しと並ぶ加工機械
5名の社員が作業しています




汎用旋盤
弊社では最も台数が多く、3台が存在。(昭和40年代から現役)
試作品やオーダーメイド部品、一点ずつの部品修理など、少量生産に適している。なのでイシダテックで使われる台数も多い。

NC旋盤・NC汎用旋盤
プログラムした手順通りにバイトを動かして自動的に加工できる。
NCはNumerical Controlと呼ばれる数値制御装置のこと。

これはとてもシンプルに表現するなら……
汎用旋盤 ‐ 加工のためには付きっきりで操作が必要
N C 旋盤 ‐ 加工プログラムを作成すれば自動的に加工可能

という相違点があります。

同一の加工を大量に行うとすれば、プログラムした通りに切削してくれれば加工の精度を高めたり、同時に複数台の加工機械を動かせたりとメリットがありそうです。

ではなぜ汎用旋盤が…?


機械に張り付き続けることは一見デメリットに思えますが、弊社は特に食品機械に関しては多品種・少量生産のメーカーです。
部品も当然装置によって異なる以上、都度プログラムを行うよりも汎用旋盤がかえって効率的で、ここに3台の旋盤が50年超の長きにわたって重宝される理由が見えてきます。

NC汎用旋盤は2022年に購入
安全性考慮のためにカバーがついています
レジェンド機械にはカバーが存在しない
大日金属工業製 汎用旋盤(昭和45年6月製)
滝澤鉄工所製 汎用旋盤
メカメカしい見た目にロマンがある
いつも安全は最大限確保しています
汎用旋盤のパネル
ここに座標が表示される


ちなみに、中古旋盤1台で始まった会社です
細かい操作は想像以上に多いです
セットすれば終わり!そう思っていた頃が私にもありました
実際のところは非常に繊細な作業です


正面旋盤
これを作っているメーカーは現在ほとんど存在していないらしい。
(調べたら現在では1社のみでした)

長さに比べて外径寸法の大きい円板状加工物の主に正面削り加工を行う旋盤。大きな工作物取り付け用の面板をもち、刃物が主軸と直角方向に広範囲に動き、平面を削る。(大辞泉より)

要するに長さは短いけど径の大きい金属を加工します
かなり大きさもある加工機械です
加工中の部品サイズも大きめ
強 力 生 産 旋 盤 昭和46年(1971年)製
西部工機製作所は西部ハイテックと名前を変え、
現存する唯一の正面旋盤メーカーなのだそう
内径の大きい部品が削られる




余談:切削加工で発生する切りくず、切粉

切粉を見るのがお好きな方が世の中にはいらっしゃるようで……。
工場見学に来ていただいたお客さまが興味津々で見るものの一つです。
材質や加工により異なる見た目になり、「切粉を見ると加工の良し悪しがわかる」とも言われているらしい。

汎用旋盤から出た切粉①
汎用旋盤から出た切粉②
ひとつ上の写真とはかなり見た目が異なりますね
NC旋盤から出た切粉
NC旋盤から出た切粉②
マシニングセンタから出た切粉




フライス盤・大型フライス盤
フライス(刃物)を回転させて、金属を切削(せっさく)する。
旋盤と何が違うの?と思いますが、
・フライス盤は刃物を回転させて削る
・旋盤は加工したい物を回転させて削る
という違いがあり、削れるものと仕上がりは大きく変わるらしい。


マシニングセンタ
穴をあけたり表面を削ったり、何でもできるやつ。
進化したフライス盤 ↑  のような感じでして…
自動で切削する工具を交換する機能を持っているので複雑な形状でも作業者の工数が少なくできたり、連続加工ができたりもするとにかくすごいやつ。

汎用旋盤と同じ場所にある加工機械には見えないハイテク加減です




そして、こんな部品が作り出されていく

仕上げも経て…
たくさんあるものもあれば、一つだけのものも

以下の写真は全て今日(noteを公開する2023/03/22)撮影したものです。
形状や大きさ等様々な部品が作られ、組立の工程へと進んでいきます。

棒状だったり筒状だったり
台座かな…?
どこかにつながりそうな口がありますね…
正面旋盤で切削したであろう部品
さあこのスクリューらしき形のものは何に使われるのでしょう…


設計担当の作成した設計図に基づき、ご紹介したような社内製作部品と、購入・外注する部品を集結させ、機械の組立へと進んでいきます。
お伝えする方法はもう少し模索していきますが、組立編をいずれ公開しようと考えていますので、お楽しみに…!



おわりに

実はどのように製造部の作業を紹介するのがベストか見つけられず、1文字も書けないままに公開日の14:00を迎えてしまいました。
noteは当然文章で語る要素が多いので、他にもベターな伝え方があるような気もしてなりません。

特に製造部の魅力を伝えるにあたっては、
・無難に誰かの1日に密着してみる!
・スローで機械加工の様子を撮影してみる!
・タイムラプスで組立の様子を撮影してみる!
・購入した丸鋼が最終製品になるまでをひたすら追う!

など(実現可能性はさておいて)手法の妄想を繰り広げています。

製造業のこんなところが見てみたい!工場見学でこんなとこ見てみたい!
といったポイントがありましたら、記事作成の参考にお知らせいただけますと幸いです。(こやま)

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実は昨年8月頃から伝え方を考えてはいたものの…。

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