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約30年前に製作された #企業のnote は、創業者である "静岡のエヂソン" から学ぶべきことばかりだった話。

総務部のこやまです。

突然ですが……。
私はnoteでの情報発信においては、創業者である "会長" こと 石田稔 氏に関する小ネタを、記事の随所で言及することを密かに肝に銘じています。

弊社・イシダテックの前身にあたる石田鉄工所、さらに個人創業まで遡れば1948年に中古旋盤を購入してから、『手作業を機械化する』というテーマに長年挑み続けたことは記録としても多く残されており、こういったルーツは企業として大切にすべきであると思っているからです。

製品に留まらず、会社に関する情報まで幅広くPR
個人創業から数えれば今年で75年を迎えます


また、かつてはPR活動として様々な配布物を製作しており、時折登場する『古文書』の正体でもあります。自ら描いたイラストとともに、会社の活動や社会情勢の変化を振り返るこの冊子、楽しみに待ってくださっている方は非常に多かったとも聞いています。

古文書というワードはリスペクトを込めて使用
発信スタイルはいまnoteでしていることと同じ
海外への旅行は滞在中の記録を冊子に
素敵イラストに様々な情報を添えて
きっとお客さまとの話のきっかけにも◎
会社の宣伝も忘れない

<なぜイラストを>
シャッターを押すだけよりも対象物を注意深く見ることが『なぜそうなっているのか』を考えることにもつながり、記憶にも残りやすい。
そこで会長は写真撮影より絵を書くことを好まれていたようです。

会長エピソードは↓このあたりの記事で紹介しています




約30年前に作られた #企業のnote


先日、ある一室を整理していた時にこんなものを発掘しました。

草柳大蔵と語る 寝ても醒めても「明日」に挑む男達
=仕事好き・人間好きの11人=

発行年は1994年
エ "ヂ" ソンなところがまたいい

この書籍は、静岡県内の経営者とジャーナリスト・草柳大蔵さまの対談形式で編纂されており、タミヤさま、村上開明堂さま、石原水産さまなどのインタビューを個別に製本、全11冊で作られたBOXです。
今風に言うならば #企業のnote ですし、マガジンみたいなものです。

今回はこの書籍の中で、弊社創業者である石田稔が語った内容から特徴的なエピソードを3つご紹介します。アプローチは時代によって変化することは必然ですが、これからも大事にしなければならないマインドの根幹には変化はないはず。私も含め、知っておくべきだと思ったからです―。




EP.1 静岡の「エヂソン」とそのルーツ


この表現は、ここが始まりでした!
冒頭に草柳大蔵さんが「どういう風に石田さんを一言でまとめるか考えていたんですけど…」と切り出し、生まれた表現であったようです。

会議室に飾られている写真
後方の絵画は弊社の玄関で現役で飾られています


発明家としてのDNAは、家系にも

創業者の祖父(なので現社長・石田尚の祖父の祖父)も発明家であったとのことで、パンクしない自転車を作るためにタイヤの内側にボールをしきつめたり、路面電車の前面に事故防止の網を付けたり……、といったエピソードも紹介されています。幼い頃から発明が近くにあったことも数多くの特許や実用新案を生み出した一因だったのかもしれません。

しかし金銭的には決して恵まれず、教育も満足には受けられなかった。
でも会長は機械の修理を受けるうちに構造を理解した、と残してもいます。
こういった経験ももしかしたら、『人を大切にする』『機械化によって大変な作業から解放する』といった根幹につながっているかもしれません。

本家エジソンはThe Wizard of Menlo Parkなど数々の異名を取った一方で、不自由の中で努力を積み重ね成功したとも言われています。
弊社のエジソンも戦後のモノ不足、本社移転中にオイルショックに直面と、事業面でも苦労されたエピソードは多く、近いものを感じます。




EP.2 IKA10の発明に見る、物事の見方


簡単にご紹介した記憶があるのですが、イカつぼ抜き装置(通称:IKA10)の機構は世界にも前例がなかったものでした。"柔らかく、ぐにゃぐにゃ" なイカを機械に投入する際に、姿勢を保持する機構の設計は、 "普通の発想" では困難だったことが実現を阻む大きな要因であったようです。

だからまったく新しい発想が必要だった
手作業×多人数で行う処理を機械化できれば…


問題意識の持続

イカを解体するにはどうするか、何百時間に及ぶ検討を経ても答えは出ず、『せっぱつまって、ぎりぎりで、どうにもならない』状態に。
そんな時訪れたバルセロナでもやはりお客さまのことが頭の片隅にあったからか、サクラダ・ファミリアを見て『これだ!』とひらめきます。

『ああ、あれイカだ!』
と振り返っていた当時のパンフレット

建物の中へ人が入ると ”スーッ” とエレベーターが通っているんです。
あっ、これだ!と思ったねえ。
(中略)
今までは烏賊を外から外からつかもうと思っていた。けれども中を見ると、中に海水の入るところがあるでしょう。そこへすっとこれ(刃)を刺して、エレベーターのようにスーッとそこを切ってやる。ほら、できちゃった。

外から力をかけてイカの形を保持し(イカを外から引っ張ってきれいに伸ばしておくイメージ)外側から解体しようとして壁にぶつかっていましたが、会長は内側からイカを解体するという発想に至ります。
この建築物からそれを導くのは驚きしかないものの、以前インタビューした山村さんが会長に言及した言葉にもそのヒントはありました。

(会長は)きっと意識・無意識によらず常に何かを考えている人。
だから会長は自宅や会社、車の中まであちこちにメモを用意していて、思いついた時にすぐ書き出せるようにしていました。

これらからわかるのが、仮にすぐ実現できずとも問題意識を持続させることの大切さ。お客さまのことを考え続ける姿は最も学ぶべきポイントでした。

思い付きとひらめきは異なる(至言)
平成3年9月11日 静岡新聞掲載記事




EP.3 時代に即した発明のために


会長の発明のひとつに、石油コンロ自動消火装置があります。
『古文書』に書かれているように話題となり、SBSテレビにも出演します。しかし、日の目を見ることになるのは時代が後になってからでした。
時代背景や使う人の考え方に対してこの装置の登場はあまりにも早すぎて、世の中に求められるものでは "まだ" なかったのです。


思想が先、技術は後

会長の言葉を借りてここから得られる学びを整理すると…
発明において大切なことは思想が先にあって、技術は後から付いてくるものである、ということです。

<具体的には>
思想:コンロの火を一定の時間が経ったら消したい、そんなニーズが生まれ
技術:コンロの火を消すための方法は後からついてくるものである

時代に先走りすぎてしまった石油コンロ自動消火装置の技術は、思想(世の中のニーズ)には先行しすぎてしまったことで、日の目を浴びる頃には取得した特許も失効してしまっていたのだそう。

マーケットイン/プロダクトアウト、どちらが正しいという話ではない。
しかし、デザイン思考の本質や重要度を改めて感じさせられるのが、時代に先駆けて生み出された石油コンロ消化装置の発明エピソードでした。

写真左が会長の若い頃

冊子内では20年先のものでも早すぎる、とも語っていました。
やはりお客さまのこともIKA10開発でのワーク(処理対象物)にあたるイカ同様によく観察せねばならないですし、完成した装置は手に取ってもらい、役に立って初めて発明として成立するのかも。難しいです。



おわりに

実は書籍の存在は認知していましたが、しっかりと内容に触れてみると非常に学ぶべき内容が多く、今回記事にしてみました。
現代のイシダテックが、どのようなスタンスで『秘密兵器』を製作しているか、そのルーツである創業者の考え方が透けて見えるインタビューでした。

49ページの小冊子でまとめきれていない内容も多々あるので、少なくとも社内に向けてはデータ化して全文公開をしてみようかなとも思っています。
私個人としてはなぜサクラダ・ファミリアがイカに… なぜプロ野球の胴上げでみかんの皮むきが… と抱えていた疑問が解消しました。(こやま)

なおタイトルには #企業のnote がついていますが、
意図が異なりそうなのでタグはつけていません。笑

▶現代の #企業のnote はこちらです


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