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社用車管理システム、導入してみた。

総務部のこやまです。突然ですが—。
2022年10月から予定されていた、アルコールチェック義務化
みなさんのお勤め先などではどのような対応を検討されているでしょうか?

社員ほぼ全員車通勤ですし
さすがに社内で飲むことはないけど


弊社:イシダテックも対象に

このアルコールチェック義務化は、機器供給の遅延等の理由により延期されていたものの、2023年12月1日から義務化が開始されることが正式に発表されました。改正道交法では車種や車両用途は問わず、定員11人以上の車を1台以上または白ナンバー車を5台以上使う企業が対象とされています。

Bqey公式サイト より
弊社は2つ目の条件に当てはまる


緑ナンバーは存在しませんが、現在の使用車両数は7台。
義務化へ向けて対応が求められることになりました。

実はトラックもある
他社貨物を運搬することはないので白ナンバー
2022年には2台減車を行っているが…
アルコールチェックしたくないがために
さらに3台減車するわけにもいかない




2022年4月以降の取り組み

当初の義務化に合わせた動きとして、

  • 乗務前後の対面点呼

  • 確認結果の記録保存

これらをアルコール検査機器なしで2022年4月以降実施してきました。

車輌利用者:〇〇行きます!お酒は飲んでいません!
安全運転管理者:OK!!!

というやり取り後にGoogleFormで記録する


1年4か月程度運用を続けてきたこのやり方は、(想像に難しくないとは思いますが) 入力者・チェック者双方に相応の負担があることに加え、2023年12月に向けてはアルコール検査機との接続も検討していく必要があります。

さらには、ETCや鍵の管理、車両予約などをよりシンプルなフローで、1システム上で運用・管理したいという方針も持っていました。

16か月くらいで3,248件記録があった
(往復で記録するので厳密には1,600件程度か)
酒気帯び運転ありは誤入力です

余談:面倒だけど、いいこともあった!
フォーム入力に加え、車両の利用開始前後に対面で話をする。
体調(調子悪そうじゃん…)や雰囲気(なんか元気ないじゃん…)を感じられたり、ちょっとした会話が生まれたりといい効果もなくはなかった―。




システム導入検討へ

社内的には2022年3月からアルコールチェッカーやシステム導入の検討を進めることになった一方で、価格面のハードルやカバー範囲の問題により最適なサービスへ絞り込むことができていませんでした。

車両台数課金 or システム利用者数課金といった課金方式の相違は熟慮する必要がありますし、見直したい業務をカバーしきれるほど網羅性のあるシステム・SaaSを当初は見つけられていませんでした。

#7928 は2022年3月の段階で起こされている


そこで:ないなら作ればよいのでは?

パワーワード感もありますが、イシダテックらしいアイデアです。
ちょうどよくないなら内製してしまえ!という検討も開始することに。

た し か に


真剣に試算もしたが…

社内ICT推進チーム・中田さんが作成した費用概算と、省人化コスト試算。
こういったオペレーションは少ない時間ながらも日々発生するちりつもに違いないので、仮置きの数字でも検討を進める際に試算してみることは大切なことです。

仮に自社で構築するとこれだけの費用が必要で…
簡易的だがどれくらいコスト削減になるかを試算している


資料を参照する限りでは、実現できたら外販してもいいのでは?と思うレベルのものができそうです。追い風的要素として焼津市の省力化機器・外部DX人材導入促進事業補助金要件も満たしています。満たしていましたが…

推進者は社内ICT推進会議より中田さんです




結局システム、導入してみた。

先述のように自社内での構築に至るまで検討を行ってきましたが、使い勝手や保守性・維持コストを考慮して内製化は取りやめることになりました。

自動車部品メーカーである 株式会社東海理化 よりリリースされたBqeyが、叶えたいと考えていたことの大半をカバーできそうだったからです。

既存システムでカバーできればそれに越したことはない
内製化はメンテナンスや不具合対応等継続的な管理もネックに


既存の社用車運用・管理業務の大半を置換

①車両の予約管理
②車両日常点検記録
③アルコールチェック記録
④車両運行記録&稼働率分析

これらは Googleカレンダー / GoogleForm / 紙媒体と、異なる場所・異なる方式でバラバラに管理していましたが、①~④までBqey上で統合することもできそうです。フローを洗い出しBqeyでカバーできる部分を置き換えていけばワンストップでの運用・管理も実現できそうです。

ワンストップで済むように
一部管理も Fit to Standard 的に見直し
既存紙媒体の一例:社用車運転記録表
同じ内容はGoogleカレンダーにも二重で記録していた


また懸念していた価格面も、管理対象の自動車台数 (弊社では7台) に対して課金されるもの。社員全員が社用車を利用しないとは言い切れない一方で、その頻度には大きく差もある弊社にとってはありがたいポイントです。

業務を全て一元管理がセールスポイント
Bqey公式サイト より




例によって

導入にあたっては、少人数の説明会を実施します。
RedmineやTeamSpirit等ツール導入時には必ず行っているものですが、全員に目が届くであろう人数程度に収めるのが弊社のやり方です。


親切系オリジナルマニュアル

20代から70代まで、幅広い世代の所属する弊社では、デジタルへの親密度は個人間でまだまだ差もあると言えます。やはりマニュアルはアプリインストールから始まります。


さらに今回はアルコールチェッカーというハードウェアが重要になることから、マニュアル内ではその使用方法も記述されています。これくらい書かれていれば、新たに入社される方がいる場合もこれを参照することで正確に検査→記録できそうです。

このデバイスはスマホ接続することによって顔写真付きの記録も残り、不正な検査等も行うことができませんし、データも3年間保持されることに。
法的な制約もしっかりとクリアされています。


"アルポーター" によるシステムへの自動反映

アルコール検査には "アルポーター" という機器を使用。
使用回数・期限に応じた管理も必要で、やや煩雑なアルコールチェッカー。供給不安もあったデバイスですし、購入タイミングに応じて機器の種類が変わることも極力避けたいのでレンタルプランを追加しています。

連携可能なチェッカーは拡充中らしい


さらに日常点検もカバー

安全に配慮するため、予期せぬ故障に事前に気づくためにも重要になるであろう日常点検。その記録もBqey上で実施するように切替を行いました。

点検項目数はそれなりに多いものの、スマホから記録を行い、その点検結果はまとめて参照することも可能になりました。以前は車種別に分厚いファイルで管理していましたが、これからは管理者画面からチェック・出力も可能になりました。

実際の点検画面


UI、きれい

すごく個人的には、システム導入においてUIの良し悪しは他要素よりも傾斜を付けて配点したいくらい大事だと思っています。日常的、かつ利用場面が多い以上、初期段階でわかりにくさを感じてしまうのは避けたく、極力直感的に操作しやすい物を選定したいというのが理由。
個人的にはBqeyはUIはきれいで操作しやすさを感じます。




導入を経て

#DXシリーズ としてシステム導入の経緯や意図を随時発信している弊社ですが、全社利用という括りではGoogleWorkspace・Redmine・TeamSpiritに続き4つ目となりました。

今回は自社で自発的に行う業務改善ではなく、法改正に応じて対応が必要になった新たなパターン。これまでの経験が生かされて導入作業が行われるようになってきていますが、弊社くらいの規模の企業では専属の "社内SE"  を置くことはやや難しいことでもあります。

入力者目線だけでなく管理者としての目線をはじめ、様々な角度から全体最適的な意識を持つとともに、社会の変化に対しても社内ICT推進会議のメンバーを中心にアンテナを高く持ち続けるようにありたいところです。



おわりに

今回はやり取りを横から見ているにとどまりましたが、非常に丁寧にご対応いただきスムーズに導入が進みました。アルコールチェック義務化に関する対応は、機器供給不足の影響で対応に苦慮することにもなりましたが、弊社は問題なく対応ができそうです。これから対処を考えるケースも一定数存在するとは思いますので、当記事が多少なりとも参考になれば幸いです。

イシダテックは交通安全に対する意識が高く維持されてきた企業です。
これからはデジタルツールの力も借りながら、法規やルールを遵守して社員全員で安全な運航に努めていきたいですね!

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