勤怠管理システム、導入してみた。
イシダテック 総務部の小山です。
突然ですが、みなさんはこれが何かわかるでしょうか。
これはタイムレコーダー。
タイムカードを入れて差し込むと、時刻が印字される便利な機械です。
さて、今回は業務でもコアに近い「勤怠管理システム」導入の話です。
例によって推進を行った ”社内ツール検討会議” の活動棚卸しも兼ねつつ、意義・目的を再度言語化しながら導入ストーリーとしてご紹介します。
推進者たち
過去のご紹介同様、部門横断の「社内ツール検討会議」が推進します。
メンバーはこちらで紹介しています。
ちょっと特殊な「製造業」の勤怠管理
前提として、製造業の勤怠管理には ”工数管理” という特徴があります。
誰が / どの製品の / どの工程に / 何の作業で / 何時間 …
これらが原価計算や見積、納期管理や予実管理にも利用されます。
管理会計的な側面も持ち、個社で項目や集計方法、重みづけは異なるはずですが、工数データは正確に収集・活用し続ける必要があります。
かつての工数管理ツールは ”作業日報”
タイムカードと合わせて弊社で使用していた ”作業日報” を見てみます。
受注No. / どの製品の
作業集計区分 / どの工程の
製造作業内容 / 何の作業で
作業時間着手~完了 / 何時間
と紙面上の項目が各ポイントに対応しています。
「こうやって記録されてれば問題ないじゃん!」と思うかもしれませんが、記入内容をデータ化する作業からは逃れられません。
社員増加に伴う変化
私が入社した2020/04から、社員数は32名→43名へ増加。
毎日の記録やチェックへの負荷は上がり続けています。
働き方の変化や出張中の状況把握、分析に活用できるデータも欲しい……。
そんな背景も加わり、正確な勤怠状況把握は継続しながらも、より効率的な手法を検討・導入する必要性が高まっていました。
申請フローも問題あり?
工数以外、例えば休暇取得や経費精算も紙ベース。
上長が出張などで長期不在になったら、承認フローは停止します。
「あれ渡邊さんがいない!あぁ今日休みなんだ……」
といったことも実際に起きていましたし、休暇日数をあと何日所持しているかを知るにも尋ねてもらわなければなりません。
なにが本当でどれが最新で、どこを見ればいい、がわかりにくい状態です。
そうだ、勤怠システム導入しよう。
そんな背景や経緯から進んだ検討結果は結論から話します。
TeamSpirit を2020/11~導入・運用しています。
いつもの検討フロー
DXシリーズのいつものやつ。
大き目なイシューを洗い出し、各候補ごとに対応可否を整理します。
スイッチングコストも高いので、検討には慎重さも必要です。
仮選定したシステムの内、評価が分かれたポイントが前段でも取り上げた ”工数管理” でした。ここに関してはTeamSpiritが圧勝です。
それにクラウド型の恩恵も。
イシダテックはお客様の工場現地で作業することも頻繁にあります。
しかし打刻や日報記入にも、もう「場所」による制約は存在しません。
以前把握に苦労した休暇などの申請もしやすくなりました。
残日数も表示してくれたり、必須項目が空欄では申請できなかったり。
デジタルゆえの小さなメリットも存在します。
無視できない費用対効果ももちろん確認しています。
ぱっと見は冒頭紹介したタイムレコーダー等の管理より高額に見えますが、管理にかかるコストや私の工数を考慮すれば十分メリットが出そうです。
このnoteを書く時間も捻出できています。結果論ですが (笑)
初期構築から移行に向けて
TeamSpirit導入はGoogleWorkspace運用開始から半年後の2020年11月。
フェーズ的にはようやくデジタルの利便性が多少は伝わってきたのかなあ?くらいであったと私個人としては認識しています。
勤怠管理システムは全社員が毎日利用するもの。
基幹システムとの整合性も求められ、初期構築段階から気を揉みました。
SalesforceベースのTeamSpiritが持つ特徴は圧倒的な自由度の高さ。
複雑な要件にも対応可能とされる、高度な機能性を持っています。
そこでトライアル中から弊社の実態に合わせてカスタムを進めました。
社内説明会は「実際に操作してみるスタイル」
導入説明会も本運用の2週間前に実施しています。
説明や資料展開だけでなく実操作を行うスタイルで1日に4回行いました。
オリジナル操作マニュアル、作ってみた
実態に合わせたカスタムをそれなりに進めていった結果……、
配布マニュアルでは意図する運用の実現には物足りないことに気づきます。
そこでアプリインストール段階からオリジナルでマニュアル化しました。
いつも通りTipsも盛り込みます。
「めんどくさい」が意図しない運用につながることは最も避けたいこと。
自身や社内ツール検討会議のメンバーが先行試用した中で得た解決方法は、極力先回りしてお伝えします。
サポートは「みんな見える場所」で
導入/移行フェーズ:この操作がわからない
運用フェーズ:制度やシステム変更、法改正への対応など
解決したいこともサポートする内容も時々で異なりますが、GoogleWorkspaceのチャットルームでの対応を一貫して継続しています。
その理由は、
そもそも全員揃う場が少ない
同じ質問を複数人が繰り返すのは生産的でない
聞きに行くほどでもないから、問題が問題のまま
(操作含め) システム系のアナウンスは口頭では伝わりにくい
といった状況が考えられたから。
そこでシステム導入時にはこういったスタンスを取っています。
導入を経て感じたメリットと今後に向けて
①勤怠データの利活用
勤怠システムの導入効果はDXの「X」に現れていると感じています。
かつてデータがない状態での会話はどうしても空中戦になりがちでした。
現在はTeamSpiritから公開範囲や目的に応じた適切な情報を抽出、即時性を持ったまま事実に基づいて議論するための情報が提供できます。
少なくとも1.5年分のデータもTeamSpirit内に蓄積されてきています。
働き方を可視化し、現状把握→効率化等に活用していきたいところです。
②法改正への対応
こちらはDXでいえば「D」の恩恵です。
自社の就業規則は導入時に反映すればそう大きく変わることはありません。
ですがアナログ管理下で複雑な法改正のような外部要因の変化へアンテナを高く保ち続けるのは想像以上に難しさがあります。
業務効率化に目が行きがちですが、勤怠システムの強さのひとつです。
おわりに
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