【中編】DX、進めてみた。
イシダテック 総務部の小山です。
突然始まった「DX、進めてみた。」シリーズ、今回は中編をお届けします!
中編で取り上げる内容
前編 ‐ これまでしてきたことや「身近系」の取り組み事例
☆中編 ‐ 勤怠管理や案件管理のDX事例
後編 ‐ 技術面のDX事例や未来予想図
3本立ての中編にあたる今回は、
前編でご紹介した身近系から、業務の核に近い部分に向かっていきます。
2種のツール(グループウェアとプロジェクト管理システム)導入の背景や目指すゴールに触れつつ、両事例を掘り下げていきます。
本編に入る前に
前回記事にも多くの反応をいただきました。
書き手として大変励みになっております。いつもありがとうございます!
登場人物
前回同様、部門横断型会議体の「社内ツール検討会議」の4名が中心です。
▼石田尚
▼3人の仲間たち
そんな4人がこれまで進めてきたこと(再掲)
身近系(業務内外の身の回りのこと)
グループウェア系(チームウェアの導入他)
勤怠系(勤怠システム導入・運用)
案件管理系(PJ管理システムの導入他)
インフラ系(ハード・設備)
技術系(3DCAD)
「前編」では身近系の一例をご紹介しました。
小さくても出来ることからやる→デジタルの恩恵を体感する
という良い循環を経て、さらなる推進、というフェーズに入ります。
今回は少しだけ難しそうな話もします。
事例①:グループウェア導入
結論から言いますと……、
2020年6月よりGoogle Workspaceを使用しています。
かつてのイシダテック社内
突然グループウェアの話を始めましたが、
導入前の社内状況では、特に下記の内容に課題感がありました。
DX(業務効率や競争優位)を語る以前の問題でした。
加えてセキュリティ面の危険も大。
しかしこれが当時(といっても1年半ほど前)のスタンダードでした。
そこで、グループウェア選定・導入へ
Cybozu・Gsuite・Office365の3つを仮選定し、
実現し得る解決方法という観点から評価を行いました。
結果的にGsuite導入に至っていますが、利用システムがほぼない状態では、カバー範囲の広いGsuiteは理想的なグループウェアだったと感じます。
目指す姿は、
「慣れたものだけど、高付加価値」
メールアドレス問題や、USBでのファイルやり取り問題など、
大半の課題はグループウェア導入で解決につながりそう。
そこで、DXを進めていく中で目指す姿に触れてみます。
弊社の目標は、「慣れたものだけど、高付加価値」という状態を作ること。
その実現のための「案件管理・ナレッジマネジメント」について掘り下げてみます。
前提として、弊社はオーダーメイドで製品を設計・製作する企業です。
ですが製品の100%がゼロベースか、というと、そうではありません。
どんなケースがあるかというと……。
お客様「過去に注文した”うずらの卵計数機”だけど……」
お客様「能力に記載されていない150個入袋の製作は可能ですか?また費用感や納入可能な時期、既設装置への連結等も含めて伺いたいのですが。」
このようなお問い合わせをいただくことがあります。
そんな時、実現できていたら理想的なこと
スピード対応(データを基にした素早い考察と打ち手!)
ノウハウを生かした柔軟な提案(より高付加価値を実現!)
情報を基にどの担当者でも適切な対応が可能(属人化排除!)
経験曲線効果の発生/最大化(情報を基に、この工程を見直そう!)
これらを実現し、「慣れたものだけど高付加価値」が当たり前になったら、
イシダテックの市場での競争力は格段に上昇するはずです。
また、お客様の製造現場でより活躍し、お客様の成長により貢献し得る「秘密兵器」をお届けするために、デジタル面のインフラ整備が大きな力になると期待していました。
#DX ‐Readyへ。
グループウェア導入は、
「見えざる資産」蓄積の入れ物作り
イシダテックでは創造性を重要なものと考えています。
創造性というとゼロから生み出すイメージを抱かれることが多いものの、
その大半は、これまで得た知見をもとに、類推・組み合わせ・応用することで構成される、という感覚を持っています。
だからこそ先ほどのスライドでも伝えたように、既存の要素(=目に見えない資産)に新要素を上乗せしていくことで、要する時間や費用は最小限、でも製品品質は最大限、という状態がイシダテックの理想です。
加えて受注生産体制に基づく「多品種・少量生産」が特徴の弊社は、
多分野の知見を他分野で活用するダイナミックシナジーも期待できます。
そんな背景もあり……。
ノウハウがどこにも記録されない/またはどこかに行ってしまう、
そんな情報が活用される準備ができていない実態を解決する。
そしてノウハウが「ある場所」で承継・ブラッシュアップされ、資産としてさらに蓄積される状態へ変わっていくため、「ある場所=入れ物」としての機能・役割の下地を作ることもグループウェアに期待しました。
事例②:PJ管理システム導入
Google Workspaceが導入され、
情報共有/業務効率化/コミュニケーション面には大きな収穫がありました。
もっと案件管理とナレッジマネジメントを深く!
営業→設計→製造のプロセスを同一社内で進める中で蓄積される情報、
一つ一つの案件のより詳細な情報保管や容易な検索といった、
よりミクロな視点での情報を保管する入れ物も必要になってきました。
これもGoogle Workspace導入である程度の改善はされたものの、
パワー系スプレッドシートでの管理には限界があります。
利用する側で考えても、使いにくいものは使わなくなりますし、
業務効率化を目指す過程で二重管理が生まれたら本末転倒です。
プロジェクト管理システムを導入しよう!
再び結論からになりますが、Redmineの利用を開始しました。
デジタル化の恩恵を受けつつあった社内。
それでもなおシステム導入時には全体方針を明確にし……、
同時に社内向けの説明資料にも小技紹介など工夫を凝らします。
重視したのは、使いやすい環境を作り、使い倒してもらうことです。
Redmineは「積極的に利用してもらえたこと」が何よりも大きかった成功要因ですが、特異性の多さから導入面で苦戦した点も。
Redmineを使用することの必要性伝達がまだまだ不十分だった
「チケット」の概念を理解するのが難しい
記録する(しかもパソコンで)という習慣がなかった
といった内容が苦戦の理由ですが、
・「今までしてなかった=これからも必要ない」という認識を捨てること
・使い手の立場や経験と目線を合わせ、サポートすること
これらを伝えていくことがやはり重要だと実感した導入事例になりました。
Redmine、現在の運用状況
結果的には実際に利用してもらいながらQ&Aの受付や実態に合わせた調整、Wiki機能の拡充等……、随時・先回りの対応を行ったことで、運用開始(2021年4月)から10か月にして、発行済チケット数は8,000弱に及びます。
「記録する」動作が当たり前の行動に変わり、蓄積情報も増加することで、Redmineの活用度・重要度は比例してより上がってくるはずです。
そして、Redmineは外部の方をユーザーとして追加することができます。
お客様と一体になった開発作業や、学術機関など外部機関との共同研究を行う弊社において、案件管理/知見の蓄積の両面で力を発揮しています。
まとめ
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