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【中編】DX、進めてみた。

イシダテック 総務部の小山です。
突然始まった「DX、進めてみた。」シリーズ、今回は中編をお届けします!



中編で取り上げる内容


 前編 ‐ これまでしてきたことや「身近系」の取り組み事例
☆中編 ‐ 勤怠管理や案件管理のDX事例
 後編 ‐ 技術面のDX事例や未来予想図


3本立ての中編にあたる今回は、
前編でご紹介した身近系から、業務の核に近い部分に向かっていきます。
2種のツール(グループウェアとプロジェクト管理システム)導入の背景や目指すゴールに触れつつ、両事例を掘り下げていきます。

なお、ボリューミーになってしまったので勤怠管理の話はまたの機会に!
案件管理やナレッジマネジメントにフォーカスし取り組みをご紹介します。


役目を終えたタイムレコーダー(供養)




本編に入る前に


前回記事にも多くの反応をいただきました。
書き手として大変励みになっております。いつもありがとうございます!

CASE:イシダテックをDXの一事例としてご紹介いただきました

阪口せりなさん noteTwitter 

私はこれが言いたかったんです……!きれいに言語化していただいた

高橋翼さん note / Twitter




登場人物

前回同様、部門横断型会議体の「社内ツール検討会議」の4名が中心です。

▼石田尚

最近新たに撮影したナイススマイルな写真
本人曰く「笑顔でコンプラ違反しそうな輩の顔」と心配げでしたが、

……載せちゃいました(小山)


▼3人の仲間たち

社長以下年齢も若めなメンバーが中心となり、デジタルツールを用いて業務プロセスや、
「面倒くさいこと」の改善を目指しています


そんな4人がこれまで進めてきたこと(再掲)


  • 身近系(業務内外の身の回りのこと)

  • グループウェア系(チームウェアの導入他)

  • 勤怠系(勤怠システム導入・運用)

  • 案件管理系(PJ管理システムの導入他)

  • インフラ系(ハード・設備)

  • 技術系(3DCAD)

「前編」では身近系の一例をご紹介しました。
小さくても出来ることからやる→デジタルの恩恵を体感する
という良い循環を経て、さらなる推進、というフェーズに入ります。
今回は少しだけ難しそうな話もします。

言い回しは上部で紹介した高橋さんのツイートから拝借しました。笑





事例①:グループウェア導入



結論から言いますと……、
2020年6月よりGoogle Workspaceを使用しています。

当時は名称もGsuiteだったり、BusinessアカウントはDrive容量無制限だったり、
やや現在とは異なる部分もあります

執筆時点では全社員がアカウントを所有。
製造部の社員も Frontline Edition* のアカウントを使いこなしています。

*Frontline EditionはBusiness Editionと比較し一部機能制限あり
詳しくはGoogleのヘルプページ


かつてのイシダテック社内



突然グループウェアの話を始めましたが、
導入前の社内状況では、特に下記の内容に課題感がありました。

▫案件管理/ナレッジマネジメント
・情報保管場所がなく属人化を懸念
(社内サーバーとオンラインストレージサービスを同期するも動作不安定)
・横軸(部署をまたぐ)の管理に弱点あり

▫メールアドレス

・業務用アドレスを持っている人/持っていない人が併存
・アドレスのドメインは自社でなくプロパイダのもの+命名方式は連番
(例:渡邊 ishidatec.cad1@… 中田 ishidatec.cad2@…)
・全社員共用アドレスが存在、お客様からのご連絡と迷惑メールが同居

▫スケジュール管理&共有
・日程調整時、相手のスケジュールを知る方法は「直接聞く」

▫その他
・会議室や社用車の予約という概念がなく「空気を読みながら」利用
・NASが存在するも、ファイル共有はUSBメモリ
・使用ツールが非統一
(Ex.渡邊「会議はWebexで」中田「いや、Skype」小山「Zoomでしょ」)

目に見えていた課題の中から抜粋


DX(業務効率や競争優位)を語る以前の問題でした。
加えてセキュリティ面の危険も大。

しかしこれが当時(といっても1年半ほど前)のスタンダードでした。


そこで、グループウェア選定・導入へ



Cybozu・Gsuite・Office365の3つを仮選定し、
実現し得る解決方法という観点から評価を行いました。
結果的にGsuite導入に至っていますが、利用システムがほぼない状態では、カバー範囲の広いGsuiteは理想的なグループウェアだったと感じます。

Google Workspace サービス紹介ページより

大きめなイシューのみ記載
中には解決に至らず、より特化した別ツールが導入された分野も


目指す姿は、
「慣れたものだけど、高付加価値」



メールアドレス問題や、USBでのファイルやり取り問題など、
大半の課題はグループウェア導入で解決につながりそう。

そこで、DXを進めていく中で目指す姿に触れてみます。
弊社の目標は、「慣れたものだけど、高付加価値」という状態を作ること。
その実現のための「案件管理・ナレッジマネジメント」について掘り下げてみます。



前提として、弊社はオーダーメイドで製品を設計・製作する企業です。


ですが製品の100%がゼロベースか、というと、そうではありません。
どんなケースがあるかというと……。




お客様「過去に注文した”うずらの卵計数機”だけど……」




お客様「能力に記載されていない150個入袋の製作は可能ですか?また費用感や納入可能な時期、既設装置への連結等も含めて伺いたいのですが。」



このようなお問い合わせをいただくことがあります。

例としてこのパターンを示した理由は、「類似製品」「リピート」のご依頼も案件の内一定数存在していることをご理解いただきたかったからです。

例のようにHP内の「実績紹介」からコンタクトをいただくケースや、
「前作ってもらったあの機械なんだけど」から始まるご相談も。


そんな時、実現できていたら理想的なこと


  • スピード対応(データを基にした素早い考察と打ち手!)

  • ノウハウを生かした柔軟な提案(より高付加価値を実現!)

  • 情報を基にどの担当者でも適切な対応が可能(属人化排除!)

  • 経験曲線効果の発生/最大化(情報を基に、この工程を見直そう!)


これらを実現し、「慣れたものだけど高付加価値」が当たり前になったら、
イシダテックの市場での競争力は格段に上昇するはずです。

また、お客様の製造現場でより活躍し、お客様の成長により貢献し得る「秘密兵器」をお届けするために、デジタル面のインフラ整備が大きな力になると期待していました。

SECIモデルが有名ですが、弊社の業務内で想像してみるとこんな感じでした


社長が全社員に共有した資料
既存の要素に新しい要素を積み重ねていく重要性を説いている

#DX ‐Readyへ。
グループウェア導入は、
「見えざる資産」蓄積の入れ物作り



イシダテックでは創造性を重要なものと考えています。
創造性というとゼロから生み出すイメージを抱かれることが多いものの、
その大半は、これまで得た知見をもとに、類推・組み合わせ・応用することで構成される、という感覚を持っています。


だからこそ先ほどのスライドでも伝えたように、既存の要素(=目に見えない資産)に新要素を上乗せしていくことで、要する時間や費用は最小限、でも製品品質は最大限、という状態がイシダテックの理想です。


加えて受注生産体制に基づく「多品種・少量生産」が特徴の弊社は、
多分野の知見を他分野で活用するダイナミックシナジーも期待できます。

工場の掲示物からも創造性の一端が読み取れる
こうやって工夫して、数々の「秘密兵器」が生まれた


そんな背景もあり……。


ノウハウがどこにも記録されない/またはどこかに行ってしまう、
そんな情報が活用される準備ができていない実態を解決する。

そしてノウハウが「ある場所」で承継・ブラッシュアップされ、資産としてさらに蓄積される状態へ変わっていくため、「ある場所=入れ物」としての機能・役割の下地を作ることもグループウェアに期待しました。

▫︎大きな話をしましたが……
74年間で情報や知見も膨大な量が様々な形式で蓄積され続けてきたものの、
見つけにくい/見つからない/そもそも探せない情報も多々ありました。

現在は渡邊の力で社内サーバーとGoogleDriveはリアルタイム同期、
いつ・どこからでも情報群にアクセスできる状態が整っています。

そして「身近系DX」同様に導入は丁寧に。
最大限の効果発揮を目指し、社内説明会実施に加え、運用開始後もフォローを継続。

▫︎余談:Google Workspace、ここが便利!

①Apps Scriptで単純作業を効率化

「身近系DX」でもご紹介していますが、作業の自動化が可能です。
HTML/CSS/JavaScriptがベースの開発環境は、中田のようなプロはもちろん、小山のようなコーディング未経験者でも活用が可能です。

①スプレッドシートのデータ(受注した案件のデータ)を抽出する
②Gmailでメール作成、データをHTML内に埋め込み
③GoogleCalenderと組み合わせて営業日のみ全社員に送信する
というワークフローを作成してみたら、1日5分作業が短縮されました。

Google公式サイトより
自動的に送るメールにはnoteの更新情報も差し込んでいる
実はHTML/CSS/JavaScriptの全要素が1通のメールの中に

②ファイル管理面
やはりこれが最も身近で、利便性を感じやすい部分です。
ファイル共有は、特定の相手/組織内/URLを知っている全員 の3パターンで行え、ファイル共有の利便性が組織内外問わず爆発的に向上しました。
共同編集という仕組みも、もはやなしでは生きていけません。
(何よりもUSBにファイルをコピーして、手渡しなくてもいいのです……。)

版管理等もドラッグ&ドロップで完結します。
魑魅魍魎・百鬼夜行のExcelファイルが跋扈する状態(社長談)からは容易に脱出ができました。




事例②:PJ管理システム導入


Google Workspaceが導入され、
情報共有/業務効率化/コミュニケーション面には大きな収穫がありました。

Google Adminで組織内のチャットレポートを参照すると、
現在では1日平均100件程度メッセージがやり取りされるようになっている


もっと案件管理とナレッジマネジメントを深く!



営業→設計→製造のプロセスを同一社内で進める中で蓄積される情報、
一つ一つの案件のより詳細な情報保管や容易な検索といった、
よりミクロな視点での情報を保管する入れ物も必要になってきました。

これもGoogle Workspace導入である程度の改善はされたものの、
パワー系スプレッドシートでの管理には限界があります。
利用する側で考えても、使いにくいものは使わなくなりますし、
業務効率化を目指す過程で二重管理が生まれたら本末転倒です。

案件管理という視点に絞ると
「お客様と今抱えているこんな課題感について話しました」
から複数年を経て始動する案件もイシダテックには存在します。

それほど重要な情報の保管場所が担当者の脳内だけという状態や、
書いたのは覚えてるけどどのファイルか忘れた(≒すぐ探せない!)という状態は避けたい!

加えて「横軸の管理」にも弱みがあると現状分析していました。

導入時作成資料
ToBeとして情報がプロジェクト管理システム上で一元管理され、
「ここさえ探せば見つかる」状態を描いた


プロジェクト管理システムを導入しよう!


再び結論からになりますが、Redmineの利用を開始しました。

Redmineはプロジェクトおよびチケットシステムが中核で、自由度の高さが特徴


デジタル化の恩恵を受けつつあった社内。
それでもなおシステム導入時には全体方針を明確にし……、

方針としては「シンプル・使い分け・使いやすく」がキーワード



同時に社内向けの説明資料にも小技紹介など工夫を凝らします。
重視したのは、使いやすい環境を作り、使い倒してもらうことです。

どれだけストレスフリーに使ってもらえるかはDX実現で最重要
社員が使う場面を想像し、Tipsを紹介する
「知らないとちょっとだけ面倒くさいこと」をあらかじめ潰す系Tips
運用してもらう・活用してもらうため先手を打つ


Redmineは「積極的に利用してもらえたこと」が何よりも大きかった成功要因ですが、特異性の多さから導入面で苦戦した点も。

  • Redmineを使用することの必要性伝達がまだまだ不十分だった

  • 「チケット」の概念を理解するのが難しい

  • 記録する(しかもパソコンで)という習慣がなかった

といった内容が苦戦の理由ですが、
・「今までしてなかった=これからも必要ない」という認識を捨てること
・使い手の立場や経験と目線を合わせ、サポートすること
これらを伝えていくことがやはり重要だと実感した導入事例になりました。

Redmine、現在の運用状況


結果的には実際に利用してもらいながらQ&Aの受付や実態に合わせた調整、Wiki機能の拡充等……、随時・先回りの対応を行ったことで、運用開始(2021年4月)から10か月にして、発行済チケット数は8,000弱に及びます。

「記録する」動作が当たり前の行動に変わり、蓄積情報も増加することで、Redmineの活用度・重要度は比例してより上がってくるはずです。

Redmineの何が怖いってこのnoteを書くことからも逃げられない(笑)
でもこの先の工程はよろしくね!を伝えるにはわかりやすいし、
ガントチャートを参照すればどこで詰まっているか一目瞭然でフォローできる側面も


そして、Redmineは外部の方をユーザーとして追加することができます。
お客様と一体になった開発作業や、学術機関など外部機関との共同研究を行う弊社において、案件管理/知見の蓄積の両面で力を発揮しています。




余談:実は失敗事例も(2019年)
過去Redmine導入前にも検討したプロジェクト管理システム、
グループウェアがありました。(1か月で打ち切り)
失敗要因は「十分な業務検討・展開支援が無かったこと」と分析しており、成功の実感が得られたRedmineと比較すると、アプローチにも明確な差がありました。

社長作・導入振り返り
断念時の反省が生かされたのがRedmine導入事例



まとめ

前編でご紹介した内容は「デジタル化」の側面が強かったものの、中編でご紹介したGoogleWorkspaceとRedmine、2つのシステムは業務との関係性も密接なものです。

作業プロセスや仕組みが大きく変化する一方、過去の失敗も踏まえ全社的に運用意図や導入効果を伝達・理解をいただき、また実態に合わせたデジタルツールとして最適化できたことがスムーズな移行につながったと認識しています。
(PC作業が苦手な方には負担もかけましたが……)

またこれからも、
D(デジタル化)を単なるゴールにするのではなく、
X(膨大な蓄積情報の利活用)に目を向けていくべきだと感じています。
外部環境は激しく変化し続けていますが、イシダテックが「秘密兵器」を届け続けるために、DXが大きな後押しとなるよう「社内ツール検討会議」も活動を続けていきたいです。(こやま)

今回は超長文になりました。
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました!

▼2022/03/09更新の【後編】はこちら!

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