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コンテナ内から見た「開所史」

イシダテック構内、静岡R&Dセンター開所式実施しました!

こんにちは、イシダテックの石田です。
おかげさまで、先日こやまが登壇したnoteさん主催のセミナーが、無事終了しました。視聴いただいた皆様、本当にありがとうございます。

「この記事は私に書かせてくれ」と、こやまに頼んでペン(キーボード)を取り上げ、執筆している次第です。私が書くのはこの記事ぶりなので、4ヶ月ほど経ちます。大変ご無沙汰しております。

さて、このわさびマガジンも3本目となり、記念すべきわさびの促成栽培実験施設が、イシダテック構内にオープンしたというお話です。
国内唯一のわさび促成栽培スタートアップである、株式会社NEXTAGEさんのプレスリリースにも開所式の内容が記載されています。ぜひご覧ください。

NEXTAGEさんの報告には、式の内容がかなり細かく書かれていますので、ここでは内側から見たストーリーをお伝えします。
ここまでのお話をとても簡単に振り返りますね。

また、開所式含め「最新技術でワサビ栽培」という内容で本取組みが 静岡新聞の3/4付朝刊7面 にも取り上げられました。ありがとうございます!




振り返り


1.2021年9月、ほぼ他人の先輩と出会う。ご縁。


2.イシダテック構内にたまたま空いてるコンテナを見つける。奇跡。

インフラはなく、サビも酷いし雨漏りも
恐る恐る中を片付ける。中身は大量のヴィーナスでした


3.イシダテックの独占技術EMTがうどんこ病に効いてしまう。EMTしか勝たん。

うどんこ病にかかった栽培モジュール内→罹患した葉をざっくりと取る→EMT設置→一ヶ月後の写真です。何もしないと再度、真っ白なうどんこ銀世界になります。


4.実証実験施設、開所決定。焼津市のDX化の本気度を感じる。このまち大好き!

焼津市のDXモデル事業に採択されたNEXTAGEとイシダテックの取り組み。

焼津わさび、始まります。

なんと、焼津にわさびの研究開発拠点ができたので、去る2/14に、開所式にお邪魔しました。
拠点を構えたネクステージさんは、デジタル含めテクノロジーを使って、後継者や災害に悩むわさび生産に革命を起こすことに燃える気鋭のアグリテックベンチャーです。

さかなのまち焼津で、わさび作れたら無敵じゃない?という着想から、微力ながら応援させていただいてますが、たくさんの方に支えられてプロジェクトが大きく成長していく様子にワクワクが止まりませんでした。

一次産業×DX、地元企業×首都圏スタートアップ、企業誘致×関係人口、とやりたいことがぎっしり詰まったプロジェクトです。

焼津市の推進者の方のコメント。この町無敵じゃない?
落ち込むこともあるけれど、私、この町が好きです。
みなさん、どんどん移住・(ふるさと)納税してくださいね!




それで「わさびの促成栽培実験場」が実現したわけです

と、サクッと状況が整って実行できればよかったのですが、そこには艱難辛苦がありました。株式会社NEXTAGEさんの。

ビジョンの実現のために、戦っては敗れ、倒れては起き、道を塞がれ、そうかと思えば急に雲が晴れて、晴れたと思えばまた曇り、曇った中でも進んでいたら晴れた・・・といったような状況で、起業家精神とは何たるやを、(微力ながら)パートナーとして伴走する中で垣間見たような気がします。

それでも中村社長が出会いを大切にして、1つひとつのできごとに真摯に向き合い、進めていった結果、ついに実現にこぎ着けました。
長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかったと思います。




開所式やりません・・・?

どこからともなく降ってきたアイデア。
当然と言えば当然なのですが・・・お世話になった方々にお披露目と感謝を表現する場がほしいー。中村社長も私も着々と準備を進めました。

もちろん、コンテナ側の準備はそれはそれは大変で、こちらは株式会社NEXTAGEの技術担当佐久間様、それから秘密兵器「起潮力」の利用を試みるトヨタ紡織様、さらにAIを実装するマクニカ様とともに、弊社の事業推進室・藤井がこれに全力で当たっていきます。

我が子のようにわさびを見守る佐久間さんの背中
コンテナ内のモジュールの様子
これが複数個設置されている


2022年10月当時はおんぼろコンテナだったのに、この取り組みがなければ踏み入れることもなかったであろう、焼津市坂本355にみなさんが集結している・・・!!ふとした進捗にものすごい感動を覚えます。

出資のプレスリリースを社内展開したときのチャットより。
石田の展開内容に対して、中田「おんぼろコンテナ。スタートアップらしくない」
お、おぅ。弊社、風通しがいい会社です!ご応募お待ちしています!!!

ちゃっかり募集しておきますね、テクノロジーが大好きな方を。




「開所式、出席者29人集まっちゃったんですが・・・」

沢山のご関係者、これまで別の地で実験をご支援いただいた方々、1週間前に雰囲気で誘ったらOKいただいた佐藤園様も含め、出席者は29人。
イシダテックの現在の人数が45人なので、実に全社員の2/3がご来場される会になりました。日本国で考えると8380万人の外国人来訪者が一気にくる感じです。どうしましょう。

この部屋は…?

ご参加いただいた企業・団体の皆様(敬称略、順不同)
焼津市役所/株式会社マクニカ/トヨタ紡織株式会社/ヤマハ発動機株式会社/大洋化学株式会社/望月わさび/公益財団法人静岡県産業振興財団/株式会社静岡銀行/株式会社佐藤園


1組織1名ずつご挨拶があり、どなたもこれまでのストーリーをまざまざとよみがえらせるお話や、胸が熱くなるような抱負にあふれていました。
その中で、私が個人的に印象的だったのは、「望月わさび農園」の望月社長のお話。


「わさび農園」というと、栽培ノウハウは門外不出。閉鎖的に栽培技術を扱っているところが多い。
…しかしそれだと、次の世代に良いわさびが伝承されていかない。わさびが廃れてしまう。

もしかしたら、わさびの人工促成栽培が普及したら、自分のわさびの出荷量は下がってしまうかもしれない。これはたしかに怖い。
….ただそんなことは、わさびの将来に比べたらどうでもよいこと。

自分もわさびの栽培は40年間やってきたが、まだまだわからないことだらけ。でも自分がわかることは教えてあげられる。反対に、新しい栽培方法でわかったことを活用していきたい。そうやってオープンにしていくことで、わさびの栽培にも明るい未来が待っていると信じている。

「望月わさび農園」の望月社長のご挨拶より


これぞオープンイノベーション!
40年間やって「まだ勉強中」と仰る、脱学習!!
怖さを乗り越え、それでもシェアしようというギブの精神!!!

感動のあまり、人知れず涙しそうになった瞬間でした。

見慣れない部屋ですが、食堂です
場所を移し生まれ変わったコンテナの前で
40ftコンテナ内なので、横幅2.3m程度の空間
両脇にモジュールが設置されている
入口右手の看板は…
開所式直前にようやくお目見えしたものでした
片隅にある怪しい装置EMT




第2部、もちろん栽培されたわさびをいただく

開所式は2部構成です。第2部は、焼津市内の飲食・石田が好きな「焼津かぜんぐ。」様にて執り行いました。

飲食店に食べ物を持ち込むのはルール違反・・・
だが・・・
食べたい・・・わさびを・・・みなさんと・・・焼津の海の幸と・・・

前代未聞の「本わさび持ち込み」をご快諾いただき、日本初の人工促成栽培のわさびをすって、焼津の海の幸と一緒にいただきたます。

「すみません、適当に盛り付けてください!」というざっくりオーダーに、
期待値150%の盛り付けでお応えいただきました。ありがとうございます!!!

ご快諾いただいた「焼津かぜんぐ。」さんは刺し身もお酒も最高で、焼津の新名物「焼津餃子」の生みの親でもあります。ぜひいらしてみてくださいね。このわさびは他の実験拠点で育てたものなのですが、9月頃には初の焼津産わさびで、焼津の海の幸と一緒にいただくことができそうです。




【終了しました】好評だった静岡R&Dセンター@イシダテック、公募第1弾(3/30)のご案内

この度、主に関係者のみを集めて行われた開所式ですが、株式会社NEXTAGEさんにご協力いただき、来る3/30(木)15:00-17:00にて実施する見学会は、一般公募でのご参加を受け付けます。
ご希望の方は下記フォームよりお申込みくださいませ。

告知時点で残り8枠となっており、応募状況によりご希望に添いかねる場合がございます。何卒ご了承くださいませ。



▶リンク集

株式会社NEXTAGEさまのnoteでは中村社長による開所式を実施しての振り返り記事や、熱い想いを語ってくださった望月さんの登場する記事も公開されています。これまで弊社が発信してきた記事も #WASABI シリーズとしてマガジンにまとめています!