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MBA、取得してみた。

総務部のこやまです。2023/03/28、壮絶な日々を終えました。

凄まじく軽いタイトルな上、THE DAY|エクストリーム退社編 でもかる~く言及したのですが、2年かけてグロービス経営大学院を卒業しました。
なおMaster of Business Administration=MBAで、日本語で経営学修士です。
資格ではなく学位なので、副次的なものに過ぎないですが―。


伝えておきたいこと


学びを科目ごと詳しく書きたいところでしたが、講義内容のネタバレを回避すべく思考寄り・バキバキの抽象論になったことをお詫びいたします。
今回は自分をサムネイルにするのにもちょっとだけ緊張しました。
(TeamSpiritさんに撮ってもらった写真です!今度セミナー出ます!)

そして一個人の話なので会社そのものの発信とは道がそれますが、「40人の中にはこんな人もいるんだ」くらいに感じつつお付き合いください。
ちなみにこれまでに書いたnoteの中で最も難しかったです。何をテーマにしていいかわからないし、卒業した瞬間に何かが変わるわけでもないから…。

あと前提的にお伝えしておくと、私、机に向かうのが大の苦手です。
なので決して安いとは言えないお金を自ら支払い、2年間苦行をしました。

でも得たものは想像以上でした

受講にあたっては教育訓練給付金を活用しています。
なお時間単位有給を申請して2年の間に4回ハローワークに行く必要があり、+αの費用 (書籍の購入費用など) はここには含められません。

生々しい話をすると…
2,990千円-1,120千円=1,870千円が授業料実質負担額


はじめに:ちょっと特異だったかも


グロービスの「学生プロファイル」ページを見るといろいろわかります。
これは結構体感でもあるのですが、20代結構少ないです。

ファクトなしの主観的表現 #MBAとは


ただ定量的にも、ボリュームゾーンは30代半ば~40代半ば。
一方こやまは入試当時27歳なりたて、29歳で卒業することになりました。
通常だったら同級生にはなれないはず / 同じ会社にいてもそう話せない立場であろうみなさんと2年間を共に過ごさせてもらっています。
これこそが最も貴重な経験かもしれないですね。

※こやまは2021年入学なので厳密にはここに含まれない

高校まで田舎の公立高校!雑草育ち!であり、勉強せずのほほんと生きてきたので、化け物みたいな人(失礼)ばっかりだと思っておっかなびっくりしていました… が、当然年齢など関係なく自ら学びに来るみなさんです。
入学してすぐ、いい意味で覆されました。笑


中小企業の… 経営者ではない人


これもまた珍しかったはずです。
中小企業にお勤めでグロービスにいらっしゃる方は大半が経営者だったり、あるいは後継ぎであったり。そうでなくともそれなりの立場にいらっしゃるケースが大半な「気」がしました。私はただの総務部の人です。

在学中からお目にかかる機会も増えましたが…
私ただの総務部の人です 専任の広報担当でもない


2年で卒業する人


これはもっともっと珍しかったはずです。
私、グロービス経営大学院に2年間しか通っていません。

いやいや大学院だし在学期間2年って当たり前じゃん!と思うかもしれないですが、先行履修を行える単科生制度を利用する人は98.6%です。

結局受ける科目数は変わらないが、
1期に同時受講する科目が減る


つまり残りの1.4%だったわけですが、ボリュームに常時圧迫されます。
授業は平日にまとめていましたが、2週間 (10日) の内3日が授業。
加えて予習やグループで取り組む科目などなどで授業外にも多くの時間が必要です。ゼロ科目で入学するにはそれなりの覚悟が必要ですね…。

・レポート週を生き抜け
持ち込みゼロだと、レポート提出も約3週間に3つ重なってやってきます。
出し損ねると単位は取れないという、文字通り死と隣合わせのレポート提出を繰り返して精神も鍛えられました。

ちなみに 初めて受けた科目の講師 にはゼロ科目で入学したことをイジられ「私のこれからの学生生活、どうなってしまうの…」と思いました。笑

常にアーニャみたいな感じ


ようやく本題:今回書こうと思うこと


経営学そのものについて話しても微妙ですし、(私の個人アカウントではないので)人的ネットワークについても具体的には書きにくく、割愛します。

私に起きた変化を3つだけ、とても簡単に言語化してみます。
詳しく知りたいとか、他にももっと!とか、いやもっと具体的に経営学っぽい話を!とか広報分野に絞って書いてみてよ!みたいなのは別途リクエストをくださいませ…


変えることは、誰か・何かを否定すること


国内最大MBAと言われるグロービス経営大学院。
特色は "創造""変革" です。

テクノべート等もありますが…


だからこそ「変えることは、誰か・何かを否定すること」という言葉をあえて最上段に持ってきました。

イシダテックという会社も75年の歴史がある企業です。
そこで働くにあたっては、歴史的な背景や当時の状況を知らず、現在だけを見て頭ごなしに否定することを私はこれからも絶対にしません。

ただ、時代や社会は間違いなく激しく変化していきます。
それに適応するため、あるいは先回りするために私が学んできたことを使うということは、何かを変える=既存の誰かや何かを否定することになるケースが間違いなく存在します。

論理はもちろん大切なんですけど、それ以前に人間が人間と仕事をしているからこそ肝に銘じるべき、という自戒を込めてここに書き残します。

なおさら歴史に触れるnoteはこれからも書いていきたいですね!
時々 ブリブリの昭和の企業 と書くこともありますが、実際は昭和の香りも結構好きではあるし、良さとも思っているので許してください(笑)


視野の変化


「経営学」という言葉のくくりって結構乱暴で、私の受講履歴で見てもこの幅広さです。にもかかわらず、これだけで経営のすべてを学んだか?と言われるとそれも絶対違います。

履修計画表の実物です 色は無視してください
●が受講済で、時には3ヶ月で4科目受講しています


しかしながら、視点の幅的には知識や(ケーススタディによる擬似的なものかもだけど)経験を増やし、通常出会わない多様性に富んだ同級生のみなさんと過ごしたことも加わって入学以前の比じゃないくらい広まりました。
そして、広報担当になっている時も、マーケティング・ブランディング・HR…もっと上では経営戦略みたいなものとかVMVまで、いろんな要素が頭の中には浮かんできます。
方法論的な学びと多元的な価値観への接触が特に大きかった要素です。


視点の高さ的には、noteセミナーで鳥の目/虫の目/魚の目で気づこう!コンテンツに!みたいな暴論を振りかざしたこともありますが(笑)
どんな業務でも言えることで、どこにも偏らない見方を多少はできるようになった感覚です。

まだまだ鍛え続けなければならないものではありますが、特に俯瞰する視点はこの2年間で大きく変わった部分であると捉えています。

コウモリの目とかもあるけどね

一方で…「えいや!」はしにくくなった気もします。
弊社のような中小企業、スピードとか柔軟性って無視できないので、上手く両立していくことにとても課題感があります。考えすぎてしまいます。


「学んだことはそのまま使わない」という学びとアナロジー思考 "っぽい" 力


グロービスでは実践的な経営学を教えてくれますが…
それでもなお、イシダテックでの業務にそのまま落とし込んでそれは正解になるとは限りません。アレンジするなり、組み合わせるなりして、固有解としていくことが絶対に必要です。

noteセミナーでもそうやってお話をしましたね


何が言いたいかというと、経営大学院で学んできたことは万能でも絶対的な解でもなく、(アナロジカル・シンキングを例にするとわかりやすいと思うんですけど)「りんご」と聞いたときに連想できるものが増えた、程度に捉えています。


実はこれ、うまく言葉にされたのが弊社のレジェンド・山村さんで、設計者の「引き出し」の話を私は猛烈に深く受け止めました。
2年間の学びとセットで、とても大切している教えです。

当然業務分野は異なりますが、問いに向き合った時、経験がある/ないなんて次元ではなく、類推する力や、組み合わせたり、組み換えたりするための引き出しを増やすことに日々重きを置くようになりました。

もともとなんでもプロ級にはできないものの、そこそこくらいには収められる自称:器用貧乏タイプではあります。
ただこの辺りの考え方が上手くはまった好例が広報・PR的な業務で、全く経験のない分野であるにも関わらず、(今回ははっきり言ってしまいますが)一定の成果を導けたのは間違いなくこの学び・この教えによるものです。

▫ちょっと余談
でも学べば学ぶほど「言語化しろ」と言われて苦しむことが増えました。
共通言語がない場合に "歩み寄ったアプローチ" が求められるのは必然で、これは学んだことに対して猛烈に深い理解がないとできないからです。

在学中からセミナー等に登壇させていただく経験があったことが大きいのですが、自分自身の持っている知恵を誰もがわかるように伝えるという文脈で、"MBAホルダーっぽくないMBAホルダー" になることが目標です。


締め:走り続ける習慣はそのままに


まだまだ知らない世界や理解が及んでない領域が無限にあります。
さらに定義はどうあれリスキリングとかリカレント教育とか……
社会人も学ぶこと・学び直すことが求められるようになりつつあります。

社会の変化スピードも著しく、学ぶべきものの見極めは最前提ですが、

  • 学んできたことをどれだけ活用/実践できるか

  • これからも学び続けることができるか

このふたつが経営大学院での2年を終えた私がいま大事にすべきだなあ、と実感していることです。

▫余談:物事の走り方はそうではないかも…しれない
イシダテックは私が見る限り「自分がこうしたい」で物事が走る傾向が強い組織です。推進の原動力としてはこれ以上なく、(広報活動を見ていただければわかるかと思いますが)なんだかんだ同じ方向を向いて力を貸してくれる社員も多いので違和感を感じにくいかもですが…
時には立ち止まって考えるのか、めっちゃ考えてから走るのか、しっかりしないといけないなと思いました。笑

走りながら考えるアメリカンなストロングスタイルやアジャイルみたいなスタイルも時として重要なことは明白ですが「走りっぱなし」や「結局何も考えずに走っていた!」には陥らないようにありたいですね…


エッセンスをひとふり:気合と根性


いつも冗談みたいに言っていますが、結局のところ最後はこれです!
愚直で泥臭くても、頭で考えたことをやり抜かなかったら、学んだ意味などないですし、結果が出ることなどないからです。

ちなみに、下記の文章はある講義でいただいた講評の一部です。
「タイムマネジメントをしっかりね!」が本当の文脈なので、これを読んで気合と根性!は曲解ではあるものの、胸に刻んでいる大切なものです。

忙しいのは誰もが同じ。多忙な生活環境下でも計画的に時間を捻出し、期限までにきっちりと成果物の完成度を上げるのは、ビジネスパーソンとして基本中の基本。そしてグロービスが目指す「リーダーになる、プロフェッショナルになる」というのは(個人的にどんな事情があろうとも)必ず結果を出すことを、自分自身と周囲にコミットすることでもあります。


おわりに


『MBA持っているだけでは何にもならない』とか『海外で取らないとダメ』みたいな話がでてくるのが世の常ですが、地方在住でも、しかも働きながら2年間に及ぶ修業ができました。コロナ禍でかえって誘惑が少なかったのもプラス要素であったかもしれません。
金銭的・時間的(しかも20代ラスト2年!)負担は大きいものの、得たものはそれを上回ったかな、と感じています。

卒業してなお、知らないことは知らないし、できないことはできません。
得意なこともありますし、苦手なことはもっとたくさんあります。
何より私は秘密兵器の設計や製造、AIを作ることもできません。
それでも学ぶこと・アップデートを続けることの大切さを実感した2年間になりました。(こやま)

▶HP

▶日本経済新聞(電子版)に掲載されました

掲載内容は日経クロストレンドで公開された記事の再構成です

▶note運用に関する登壇など

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