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LTSグループカンファレンスにゲスト登壇しました。 -LTSコンサルタント、地方企業の社長になる。-

イシダテックです。
先日、IT導入や業務改革を支援するコンサルティング企業である、株式会社エル・ティー・エスさまの第3回グループカンファレンスに弊社社長・石田が参加させていただきました。

社長・石田がキャリアをスタートさせたのが株式会社エル・ティー・エスさまです。オウンドメディアである CLOVER Light でも、卒業生インタビューが2022年1月に公開されています。


発端は、このインタビューの際にLTSの山本政樹さんから「これってどこかで話してもらっていいですか?」と聞かれ、脊髄反射で「はいっっっ!」と石田が回答したことがきっかけで、このような機会につながりました。ありがとうございます。




LTSグループカンファレンスとは

LTSグループに所属される皆さんが参加されるこのカンファレンス、実施目的には、ナレッジの還流があるそうです。

「学ぼう!」とする姿勢がひしひしと伝わってきました。
急成長するLTSを支える社員さま一人ひとりの地力作りには、このように学ぶ姿勢を大切にする仕組みがあるんですね…

早速イシダテックにも取り入れましょう
講演のあと、会議室に分かれての質疑応答セッション
距離の近さと何でも聞ける雰囲気がいいですね


今回設定したテーマ

LTSコンサルタント、地方企業の社長になる。
ー地方企業、事業継承、DX、サービス/事業開発のリアル

とタイトルを設定、下記の概要にてお話をいたしました。

■概要
2015年7月にLTSを卒業した12新卒の石田が。組織変革、DX化、事業開発に奮闘するリアルな姿をお伝えします。『コンサルタントが経営できるのか』『LTSで学んだことがどのように活きるのか』『地方中小企業の内情とは』にヒントをご提供する1つのリアルな事例として、お役立ていただければと思います。

リアルすぎて引かれやしないかと準備中に心配していた社長
会場は2022年10月に移転した赤坂オフィス
めちゃくちゃきれいです…




承継の始まり

祖父が創業し、いつかは継ぎたいと思っていたイシダテック。

幼稚園や小学校のころ、放課後には祖父が籠もっている自宅の小屋(工房)に出入りしては、端材を利用して何か工作するのが楽しみでした。自分が手を加えて製作したもので、誰かが喜んだり楽しんだりしてくれると嬉しいなあ…と感じていたのが、そう思っていたルーツだったかもしれません。

「ソフトウェアでも良かったのでは?」
そんな野暮なことは言えません、絶対に―。(こやま)


2015年、この3つの想いを持ってプロジェクト全体統括、先代である父(当時の代表取締役社長)をサポートすることからイシダテックでの業務がスタートしました。そして実体験の中で得られた学びを、いくつかの観点からお話ししました。noteでもその内容を紹介させていただきます。

プロジェクト全体統括と書くと大変聞こえはいいのですが、全く統括できてた感もなく。
お客様との間で行き違いや課題があった時にいち早く謝りに行って、改善策を迅速にまとめるぐらいしかできませんでした。

「あ、なんだ無能が来たか。終わったな」
と言われないように頑張ったといえばそうかも…(石田)
そしてコンサルタントからイシダテックへ


最初の3ヵ月にやったことは、ボール拾い

ボール拾いについては、過去のインタビューでもこう表現しています。

皆でわかったようでわかっていないようなことをできるだけ明確にすることと、それに合わせてチームをつくり、落ちていたボールがあれば磨いて投げるイメージ


社長の描く「秘密兵器」のつくりかた

オーダーメイドで装置づくりをする第一歩は、お客さまが何にお困りで何を解決したいか適切な言葉や絵にすることとかなと思っていたので、このあたりはものすごくコンサルティングワークと近い気がしていました。

(名ばかり)専務としてイシダテックに参画した2015年当時を振り返りながら話したそう

デザイン思考の究極系というべきか、形のないものを創造する弊社だからこそ、コンサルタントとしてのキャリアで積まれたご経験が生きているということなのでしょう…。社長は以前にも学んできた経営工学の本質とともにそう列挙しています。(こやま)


「ボール拾い」を支える適切な自社理解と見える化

業務マップの作成もコンサルタントがキャリアにある方特有のものかもしれません。各部門間や業務の移行するフェーズ等に応じて「ボールが落ちそう」なポイントに予め気づけるのが、マッピングの効果として最も大きい部分とも捉えられそうです。

40人規模の企業の弊社における業務プロセス
全ての道は秘密兵器に通ず(こやま)


そして初めての営業も、ツールは「口コミ」&「紹介」オンリー

経営工学を学び、コンサルタントとしてキャリアがスタート。

  • 機械のことを知らない / わからない

  • お客さまのこともわからない

という自信の状態に加え、「口コミ」&「紹介」がメインのマーケティング手法。"冷や汗だらけ" とも当日の資料には記しています。

そんなんで仕事がいただけるならそれはそれでヨシ!という考え方もありますが、
秘密兵器のノウハウは活用しないと社会的にも影響がなくですね…(石田)

余談:ABM (Account Based Marketing) について(こやま)
あまり語られることはない手法ですが、属人的になっている経験・情報等も含めて可視化できた時に実現できる究極のマーケティング手法。
コンタクトポイントも考慮する必要性が高いので、一概にこう!とは言えません。ただ限りある弊社のリソースと、全国・世界にもいらっしゃる中~大規模のお客さまのことを思うと有用な手法として捉えることができます。




そして暇な時はDX、進めてみた。

…というよりも、これまでもお伝えしてきた通り、DXするぞ!が目的ではなく、暇な時は少しずつ無駄を見直しを進める中で用いられた解決手段がデジタル化・IT化と言って差し支えなさそうです。

社長・社員一同「これってDXなんでしょうか」


大課題:よく知ってる人、だいたいおじいちゃん問題を乗り越えるために

そんな中で非常に大きな課題は「多種多様な技術的問題解決の知識・知見」の大半が属人化し、さらに該当者は高齢化している点にありました。

ここはかつて【中編】#DX、進めてみた。等で言及してきた部分もありますが、知見の顕在化(形式知化)と、共同化(知識移転)に早急に取り組むべきであったことは言うまでもありません。

だから弊社はRedmine
社長・社員一同「これ、DXだったんですか?」

SECIモデルの話は以前も言及した記憶がありますが…(こやま)
属人・暗黙になってしまう知識蓄積は、もはやどこにでもある問題です。
ただ、受注生産における弊社において特に起こりやすいことは間違いなく、製品が不定形となると知識移転に要する時間は想像以上に膨大。

ただ、知識を持っている人が努力・学習してきた結果であることも疑う余地はありません。知識をください、教えてください、と言って仕組みを作る時にはリスペクト・動機付けも忘れてはならないですね。(こやま私見です)


事業開発事例

当日は事業開発の事例もご紹介しました。
内容はすでにnoteでは公開しているものをおさらいした内容とも言えるので、リンクの記事と合わせてご覧いただければと思います。

楽しそうな社長


受注生産であるイシダテック。
深層学習型AIの自社開発と装置化も、お客さまの声に応えようとするための手段の一つとして始まったものと言えるものです。

開発段階から記事として公開してきていますので、ぜひ合わせてお読みいただけると幸いです。社長のコンサルタントとしてのキャリアの中で得たヒントが生かされているポイントがたくさん見えてくるはずです。(こやま)




採用・組織づくりにおける学び


採用の観点

2015年当時の従業員数は約28名。
40名弱で操業する現在よりも人的資源はさらにタイトな状態でした。
「技術を売りにする会社」であるにもかかわらず、技術職は少なく、各部門において重要なポジションは兼務となる状態も見受けられました。

そしてそんな危機感の下、採用活動に対しては注力して取り組むことになります。このSNS運用だってその一部です。

「危機感がスタート」を語る社長


加えて、新規事業における学び

2018年、弊社はスイス企業とのジョイントベンチャーであるAO Group Japanを設立しました。

独自技術に大きな強みを持つ、AO Group Swiss の技術を日本国内で唯一使用できる企業となり、イシダテック従来の強みと合わせることでより強力な「秘密兵器」をお届けすることを目論んでのものです。


「既存の人員でなんとか」ならなかった

ここでの教訓は、新規事業を推進する部署は新設する必要性があることにほかなりません。
イシダテック従来の業務はプロジェクト型での取り組みが中心という背景もありますが、新規事業も既存の人員でなんとかなる、という考えが適切でなかったことに(ものすごく後に)気づくこととなりました。

確かに私も総務の人間。いきなりPR的業務をやってね!と言われた当初「何を求められているか(全くではないが)わからない」と思った記憶もあります(笑) 成果物がはっきりとする技術系の職種では、ミスマッチはより顕著に感じられてしまったかもしれません。(こやま)


そこで現在事業推進室関係者は、採用段階においてCaliperProfileを利用し、「抽象概念理解力」「新奇・リスク志向」の二軸を重視して、適性を判断しています。そして、直下組織・部署新設によってこの環境に適応していくことになっています。学んで終わり、ではなく行動にも落とし込んで弊社の事業活動は加速しています。

事業推進室の募集は継続して行っていますよ(こやま)



さいごに:社長より

印象に残った質疑応答の中に、「(LTSの多くのプロジェクトが行われる)都内と、イシダテックがある地方(静岡)で最も大きな違いは何だと思いますか?」というものがありました。
その場では以下のように回答しました。

1.情報は取りにいく、例えば出会う人と普段付き合う人をそのようにデザインするなどすれば、恐れるほどの情報格差はない。

2.ミッションやビジョンの実現、それにともなう事業成長を求めて多くの方が集う首都圏とは、時間軸や熱気が異なる。すでにある大なり小なり地場のマーケットを抑えていて、それ以上規模の成長を望まない(必要がない)企業も比較的多いことが理由なんじゃないかと思う。

3.あと、美味しいご飯へのアクセシビリティが高いぞ!(焼津)

が、これは皆さんの意見も伺ってみたいところだな、と思いました。

話す内容をまとめて、質疑応答や議論を経て得る学びがとにかく多く、学ぶ姿勢のファイティングポーズを常に取ることの大切さを噛み締めた一日でした!ありがとうございました!

株式会社エル・ティー・エス 代表取締役CEO・樺島さんと
この度は貴重な機会をいただき、ありがとうございました



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