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【2023】インターンシップ実施報告書

総務部のこやまです。
2022年、高専生2名・大学院生1名のインターンシップを受け入れました。

先日作成した #YAIZU マガジンの表紙、そこに写る背中は彼らのものです。
焼津や志太平野を一望する高草山にて撮影。


自社より募集をかけ、人が集まったインターンははじめてのことでした。
手探りながらも実施にあたっては3つの軸+αの参加ポイントを設け、

  1. 実習
    専攻分野に応じる
    (AI/機械設計の2分野に別れて実施)

  2. 山カメラ
    学生さんの得意分野/学習内容に応じて参加ポイントを作成
    成果物として目に見えるモノになり、プレゼンも実施できる好題材

  3. 協働ロボット
    全員共通のプログラム
    からあげ供給を短時間で実現する楽しいコンテンツ、のはずが…


  4. 工場見学や会議体参加、プレゼンテーション実施
    エンジニアに求められる様々な役割や視点を体感してもらう

といった内容で6日間・48hのインターンシップを実施したのが昨年のこと。




2023年、参加者が―。

私の懸念事項は、参加者がそもそもいるかいないかに他なりません。
noteはじめ、弊社の認知度向上や興味喚起には力を入れてきた一方で、その活動もまだはじめてわずか2年。正直言ってまだまだです。

…と思っていたのは杞憂に終わり、沼津高専から2名の参加が決定しました。
2022年12月には沼津高専向けのインターンシップ説明会に参加させていただいており、そのイベントをきっかけにご興味をお持ちいただけたようです。




2023年の実施内容

昨年以上に「手を動かすこと」に圧倒的に力を入れた5日間のインターン。
取組した内容をTwitter(X)投稿をベースに簡単にまとめていきます。
設計上Day1・Day2は動きが少なめなので、Day3以降の実施内容ご紹介が中心となります。


Day1~2 - AI・Pythonについて学び、検査プログラム開発・評価資料作成へ

初日AMより、中原さんが「AIの基本」を伝えます。概念を知った上で、Pythonの基本を学びつつ検査プログラムを開発していきます。

中原さん曰くこの辺りがわかりやすく、説明の基礎的な部分だそう。
ニューラルネットワーク…?層構造…?クロスエントロピー…?誤差逆伝播法…?わかり… やすい…


Day3~ クッキー撮像・検査・排斥の実装へ

今夏はPythonの基本から学び始める必要があり、主だった動きは3日目以降に行われることになりました。


ライン上を運搬されてくるクッキーのAI検査を実装するために、まずは撮像を行うための処理を組み込んでいきます。実装するのは表裏判定、焦げ検出の2種類です。装置も含めた制御をDay4までの2日間で行っていきます。

白はサンプル製作前のサンプル
ドーム型照明下部通過時にひとつめの検査を実施する
カメラを起動したら
撮像するというプロセス
制御はPC側でコーディングし…
回路図を参照しながら一部配線処理も実施していく


Day4までの成果物①

コンベアでクッキーを運搬し、検査精度向上のためにコンベアを停止させてから撮像。撮像したデータはAIが検査を行い、結果に応じて排斥する制御を実装しました!




ロボット制御

今回のインターンでは同一ライン上で2名が実習を行うのが難しいハードの都合上、ロボット制御は模擬的な実習となりました。

操作・教示方法を練習中
検査・排斥とロボット教示に別れて作業しています
練習台は昨年に続きインターン生を苦しめるからあげ

FOOMAでの当デモ機は先端に吸着パッドを装着し、ライン上への戻し作業を実装しましたが、若干異なる形状のハンドで「お題」に取り組みます。


Day4までの成果物②

そんなロボット教示におけるお題は「クッキーの段積み」作業でした。
1か所に7段積まれているクッキーを、2箇所へ交互に3段ずつ積み上げ。
アームが閉じる幅や置き位置を考慮して処理… を短時間で実現しました。




当初作成したスケジュールについて

昨夏は技術部・機械設計課でも1名を受け入れしましたが、今回は参加者2名ともAI分野を希望、事業推進室での受入を実施することになりました。

今回のチケット番号は #20608 です
どうせやるなら、全部やる
その結果がこれであった

事業推進室に所属する中原・中田の2名が内容の指導だけでなく環境構築やハード周りを含む事前準備を綿密にしてくれました。

でも漢字が書けなくて苦しむ(笑)
暑い中、お疲れさまでした…




最終的な実施内容まとめ

実は今回のインターンシップでは、最終的に約2日を検査プログラム開発に充当することになりました。検査プログラムやIPCでの装置制御はPythonで行っており、基本的なインプットから開始したことで想定より少し多く時間を割いて進めていきました。



そして最終日、Day5で実務に挑戦

かつてHPの実績ページでもご紹介をしたことがありますが、弊社ではAI実装に向けた検証作業を行うケースが多々存在します。お客さまから製造現場で処理・検査対象となるワークや、あるいはX線検査時に撮影されたデータを受領し、AIが実装可能か否かを検証していきます。

そして、下記のような枠組みで検証結果を報告します。
非常に高難度な取り組みですね…!

‐‐
概要
対象ワークの説明
学習データから適当に複数枚を掲載し、不良個所を図示してください。

データセットの規模
学習と検証(テスト)の画像枚数を掲載してください。

検証方法
検証方法を説明してください。

検証結果
正答率と混同行列を掲載してください。

分類結果例
正しく分類できた画像と間違えた画像の代表例を紹介してください。

考察
どのような画像が見逃しになったのか原因は何かを簡単にでも記載してください。

分類結果
例の中で説明しても構いません。

展開
分類の自動化のために今後どうしたらよいか。手順を考えて記載してください。

例えばグレースケールのX線検査画像のダブルチェック検証に加え、AI検査デモ機を用いて外観等のRGB・有彩色画像の撮像検査検証を行っています。


今回の検証材料はお客さまからお預かりした加工済食品。
機密保持の都合上、処理対象となるワークや作成した資料をお見せすることはできないものの、ひたすらに手を動かし続ける5日間となりました。

高専での残り約1年半の学びに向けて、この5日間で自分なりに感じたこと・学んだことが生かされていくとうれしいですね。

最終的にはもしかしたらハードウェア(装置)側にこんな工夫をすれば検査が実現しやすくなったり、精度を高められたりするのでは?といった示唆も含めた報告資料が完成。発想力や着眼点の良さにも驚くばかりでした―。




おわりに

ガンガン手を動かす―。は、特に高専生のインターンシップにおいて重視しているコンセプトのひとつです。山カメラや社内会議体への参加等も含めていた昨年の内容と比較すると、息つく間もなく終わった5日間だったかも。

参加者2名とも新たに学ぶことばかりで、壁にぶつかる時間もあったように見受けられましたが、非常に根気強く取り組むことができていました。
来年以降もまたご参加いただけるように、内容のブラッシュアップも図っていきたいところです。(こやま)

▶HP

実習でも活用したデモ機の詳細はHPにも掲載してみました!

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