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魔境の謎部屋、改装してみた。【IKEAしか勝たん】

イシダテック 総務部の小山です。

どこか攻めたタイトルの今回の記事……。
社内の貴重な「空間」というリソースを最大限活用することを目指し、存在していた「魔境」を約2か月かけてリノベーションしました。

AsIs / ToBe的な視点とともに、BeforeAfterとしてまとめます。

▶2022/06/30追記:この記事にはスウェーデン語版があります





背景:いつも何気なく出していた航空写真


本題に入る前に弊社のnoteによく登場する航空写真を改めて見てみます。
すると実は、各建物で役割が大きく5つに分かれていることがわかります。


  • 南工場( + 設計室 )/  北工場

南工場と設計室は隣接、というより一体化。
内部の様子が詳しく知りたい方は過去の記事で!

こちらが南工場
装置製作はこちらがメイン
北工場で制作されるのは主に製薬関係の装置
工場自体が完成したのは南工場より少し後


  • テクノロジーセンター

スイス企業とのJV (ジョイントベンチャー) 、AOGroupJapanの活動拠点。
かつて実験棟と呼ばれていた。2018年のリノベーションを経て現在はテクノロジーセンターへ、名称とともに役割も変えています。

2018年に改装したので中はぴかぴか
新設された2F部分
当時の社内展開資料


そして今回の舞台「総務棟」

  • 総務棟

社長室や総務部の事務室をはじめ、応接室に会議室、そして食堂など……、
一般的な「事務所」としての機能がここに集約されています。

ヴィーナスの後ろにあるのが総務棟


「大掃除、どうせやるなら、ちゃんとやった話。」にて……、
私は工場を「古い 」と表現しましたが、この総務棟も築年数は同じです。

決して大きい建物ではないですが、部屋の役割や一部レイアウトはその時々で求められる形に合わせて見直されてきています。そして今回「変化」を求める空間も、こちらの建物内に存在します。

築年数は49年


Before+📷


ということで総務棟の中に入ってみます。
リノベーションの舞台は「給湯室(調理室)」「コピー室」の2部屋。

まずは各部屋の以前の姿から問題点を明らかにします。

給湯室は正しくは調理室
ドアストッパーがないので、ノブの位置に穴が(笑)
コンパクトな複合機一つで済んでしまう昨今
役目を終えてそれなりの期間も経過したコピー室


課題意識(FromRedmine)


給湯室(調理室)の問題点

ここからは両空間の問題点を洗い出してみます。
そもそも年数的な問題もあり、設備面の老朽化こそ目立ちますが……。

最も大きな問題は活用されるシーンの圧倒的な少なさです。
「お茶汲み」もコロナ禍で取りやめた結果、昼食のお味噌汁加熱と、小山が歯を磨き、社長がプロテインをシェイクする程度の場所です。

よって「これを機に用途をはっきりさせ、限られたスペースを有効活用」している状態こそが、リノベーションを経てありたい姿といえます。

「魑魅魍魎が跋扈する魔境」とかいうパワーワード

チケット TODO #8051 給湯室模様替え 2022/04/18 12:11

総務棟の給湯室の水漏れが発生している。それよりも給湯室の設備老朽化具合が顕著。ミニキッチンの戸棚,ガスコンロ戸棚内は完全に魑魅魍魎が跋扈する魔境であり廃棄コースがどう見ても順当。
給湯室は,以前,お茶・水汲み場所や女子トイレへのアクセスとして使用されていたが,現在は味噌汁のあたため以外,イマイチ用途がぱっとしないため,これを機会に全面的に変更する。

全体像はこんな感じ
階段下のスペースなので窮屈感
長年活躍したガスコンロは着火にコツが必要
お味噌汁の温めはこれを機にIH化、2Fにある食堂へ移動
実家のような安心感
三角形の構造は常に安定する

_人人人人人人人人人人人人人_
> トライアングル火の用心 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


コピー室の問題点


こちらに関しては、説明するまでもありません。
ドアを開けたらこれです。

私の認識は「物の置き場所に困ったらぶち込んでおく場所」


しかし、この貴重なスペースは社長室と総務事務所の間。
限られたスペースの中、これほど良い立地条件を生かさぬ手はありません。
方法は多数考えられますが、社内状況を鑑み活用方針を設定しました。

それは「総務部と営業チームor事業推進チームを物理的に近くする」ことで (特に会計的な) 情報連携を高度に行うこと。
実現できればスペースが有効活用された、理想的な状態に近づきます。

チケット TODO #8143 コピー室リノベーション 2022/05/09 05:46 

総務棟にはコピー室という部屋があり、不要物(歴史がありすぎて廃棄していいかすら不明になったもの)の掃き溜めになっている。外から一瞥するとまるでゴミ屋敷である。

一部、現在使用しているものの、このスペースを活かさないのは空前の無駄である。事業所規模・物理的な利点的に、営業チームか事業推進チームは総務と同じ棟にいたほうがよい *

* (主に) 会計に響く情報の連携のため、その居室として確保する。一旦営業チームを移管する事を考え、業務上ハマらなければ事業推進の居室とする。



コンセプト(by石田社長)


Study

居室面積は決して広くない、でも開放的にしたい。
そして、できるだけシンプルで飽きのこないデザインにしたい。

結果たどり着いた短絡的な答え、北欧
北欧デザインとはなんなのか、恐る恐る調べると……。

What is Scandinavian Design?


なんのひねりもない検索ワードにもかかわらず、まともなページがヒット。
北欧の国別に難しい定義はたくさんあるものの、見慣れたキーワードが。

Swedish design is minimalist, with an emphasis on functionality and clean lines. It’s most famous export, IKEA, also places emphasis on democratic design, meaning good, quality design should be accessible to all – especially when it comes to furniture.

https://www.scandinaviastandard.com/what-is-scandinavian-design/


コンセプト


こうして雑な事前調査の結果、決まったコンセプト。それは……。





「IKEAしか勝たん」

社長はIKEAのカタログマニア(ガチ私物)
まさに「出来レース」という大人の事情を垣間見る



実装案


レイアウト&選定

レイアウト案はぜひ全貌をご覧ください。(社長作成)
撤去対象 / おおよそのレイアウトを決定し、物品を選定していきます。

ちなみに「IKEAしか勝たん」ので、当然物品は全てIKEAで購入しています。
購入物品選定基準は前掲のWEBサイトが参考(にしていたらしい)ですが、「色がホワイトであれば正義」だったのでしょう……。

2021年中に模様替えを行った総務部事務所も新たに購入した物品は全てIKEA製だったりします。


その他、基本的な快適スペースの原則は過去に設計室の模様替えをしたときの資料を参照しています。

ほぼ株式会社オカムラ様のサイトを参照して作った


実装


購買/依頼

石田社長「ちょっと総務棟の改修でご相談がありまして、現地をご覧いただける日程調整できますか……?」

業者さん「えーっと、遅くなってしまうんですが、今日の午後イチなら近くにいますんでどうでしょう?」

 ▫ 社長によると
これは……典型的な焼津的アポイントメント!!
「遅くなって」も即日対応!やや毎回近くにいらっしゃる!午後イチには大らかさがあり、大体13:10にいらっしゃるのも好きです!


そんなフットワークの軽い業者さんの力も得ることができました。
ここからはコンセプトや実装案を基に、リノベーションに進んでいきます。
途中経過 → 完成まで、全てをお見せします。


Phase 1 ‐ 不用品撤去


必要なものは適切な場所に移動させ、不用品は撤去を行いました。
こんなに広かったんですね、この部屋。

全ての荷物が運び出された状態
これだけのスペースなら有効に活用できそう
唯一残されたゴッホのひまわりの……
”Certificate of Authenticity”
要するに「公式の偽物」の証明書付き(ガバガバ日本語訳)
エアコンは某レトロマニアな社員が大事に持ち帰りました

 ▫️ 後日談(GoogleChatより)
渡邊舜太郎, 8:17
noteにエアコンの事が書いてあって思い出して見返していたのですが、あれからさらに反響があって面白かったので貼っておきます。

中田英輔, 8:22
すみません、一般人からは反響ポイントがわからず、教えてほしいです。
今の時代にここまで古い室外機が残っていることが珍しいということでしょうか…?
そしてこの写真からなぜそれがわかるんでしょうか?

中田さん…!やめてあげて!


Phase 2 - 壁を撤去、一つの空間に


調理室とコピー室の間にある壁。
今回のリノベーションでは撤去し、一つの空間を作ります。

2部屋間を隔てる壁を抜きます
さらに廊下側の壁も撤去、骨組みだけの状態に
そして新たな鉄骨
電源等もこのタイミングで整備していただきました
と思えば壁が作られていく
ここからは職人芸でした
あっという間に真新しさのある、白い空間が…!


Phase 3 - IKEA,IKEA,IKEA……


最後に、今回の最難関作業である家具の組立に移ります。
レイアウト案の検討に基づき購入した家具たち、この物量。

相応の時間を要しますが、自力で組立を行った家具は大事にする傾向があるとも言われます。そんなIKEA効果も信じて組立を進めます。

中まで配送してくれるIKEAのCS、助かります…
まず静岡県内に店舗がないのが悲しみポイント…
フラットパック、恐るべし


製造部員にも力を貸していただき組立が進み……。
そしてついに、全体像が見えてきました!

どんな部屋に生まれ変わったでしょう…?


After+📷


完成したのはこんな空間。
白を基調とした北欧テイスト、ナチュラル感や上品さがあります。
あまり大きなスペースではありませんが、何より白の力で広く見えます。

デスク天板や、オープンシェルフのナチュラルカラーであったり、フェイクグリーンの存在も良いアクセントに。

これが旧コピー室側
「つい買いたくなっちゃう」戦略の宝庫、
IKEAのルームセットみたい
言わずもがな、ペンダントライトもIKEA製
蛍光灯や賞状とのギャップ◎
社長は電気のスイッチまで妥協しないタイプ
まさかの「神保電気 NKシリーズ」に指定
反対側から見るとこんな感じ
オープンなスペースに生まれ変わりました
こちらは給湯室(調理室)側
もちろんシンクも組み立てました…
コンセプトからは一部実情に合わせて軌道変更も
しかし収納等の機能もしっかりと確保しています
完成後、秒で作成されたパロディタグ

社長「楽しくなってしまった」
* ロゴは参照させていただきました
上のパロディに「いいっすね!」と言ったら、
「なんと」感が微妙な金額の店舗POP模造品が届いた


おわりに


今回はリノベーションの様子をお伝えしてきましたが、
コンセプト決定→実装案→実装
という大枠や各下流のフローは、標準的業務プロセスを踏襲しています。笑

時代に合わせて変化を行いつつ、作業効率化を図るとともに、より独創性を発揮するためのハード的なアプローチとしてリノベーションの様子をご紹介しました。「どうせやるなら、徹底的にやる。」感も多少は伝わったかな?と思います。

これからも様々な社内の出来事も発信活動の中でお伝えしていきます!お楽しみに!

▶環境整備は終わらない

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