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リモートワーク、はじめてみた。

総務部のこやまです。
コロナ禍でぐっと広がりを見せた一方で、見直しに向かう企業も一定数存在するリモートワーク。イシダテックでは2024年3月より総務部・資材購買部所属の社員が週に1日、試験的な稼働を開始しました。

なお、私も週に1回リモートワーク(と言うのか…?)させていただいています。直接的に設計・製造業務に関わっていないことも実施可能な背景にありますが、景色が変わると頭が切り替わっていいですよね…

でも私の場合は通勤時間が2~3倍くらいになります


イシダテックにおけるリモートワーク


一般論では間接部門(弊社では総務部・資材購買部が該当)にて導入されるケースこそあるものの、ビッグワードで表現するならば「ものをつくる」という製造業の事業特性から、できない説・不要説も濃厚でした。

テクノアさんの記事(調査元はパーソル総合研究所)によると、製造業(組立・加工)におけるテレワーク実施率は4.5%だそう。詳細な職務内容が不明なので鵜呑みにはできませんが…!


できない&不要説


また間接部門であっても下記のような「説」ある以上、全社で推進しているものではなく、明確なルールもないのが実情です。

  • できない説:情報やシステムへのアクセス性
    ボトルネック的ポイントでしたが、クラウド生産管理システムであるOthello Connectを2023年8月に導入したことにより概ね解消しました。
    なのでここはもはや実施是非や可否への影響は少なめです。


  • 不要説①:そもそも製造業だし
    当然製品は工場で作られます。1拠点操業、一貫生産体制を強みと捉えるならばそもそも必要ないのでは…?となるのはもっともなことです。

実際のところ製造部はリモートワークが困難です。
打ち合わせや会議等がある役割の社員は1日に入れ込んで… みたいなケースもなしではないかもしれませんが、本社工場での業務に限ってもダヴィンチのような―、遠隔ツールでも実現されない限りはまだ先の未来の話…!

創業者は自宅の片隅で仕事を始めましたが…


  • 不要説②:そもそも、家から職場が近い
    社員の98%は赤丸の範囲に居住しており、自家用車・バイク、自転車・徒歩等により通勤します。ちなみに公共交通機関利用者は1名です。

入社理由は近いから、という社員も多いことに加え、コロナ禍含め出社して勤務しているので、変える必要に迫られることは多くありませんでした

同市内・近隣市内にみんないます(こやま作成)

通勤時間は総務省統計局調査(平成28年社会生活基本調査)だと平均1.19hらしい。イシダテック社員も大半が往復0.5h~1.0hと思われるので、近しい数値な印象。諸説ありますが1分長くなるごとに比例して幸福度が下がるとかいろいろ言われていますよね…

今度通勤時間調査してみよう


ではなぜするのか


という点から伝えておきたいのがイシダテックのスタイルです。

※ですがこやまの私見を多分に含みます、ごめんなさい…

社長と金澤さんへ:修正と補足あればください


当たり前を疑う、それも前向きに

まだこの世にないものを作る、そんな企業である以上当たり前を疑うこともきっと必要です。製造業では~ 静岡の中小企業では~ イシダテックでは~ と固定観念的に捉えるのではなく、前向きに疑ってみること、できないならできる方法を考えるというスタンスは大切な気がしています。

不自由を感じたとき、困ったときは
それを解決する方法を考えよう


できることからはじめる

なにをすればいいのか、というよりなにができるのかから考える、みたいなものでしょうか。長期視点での採用候補者の確保、あるいは働き方の変化等に順応していくためには、できることからはじめていく、とりあえずやってみる… というスタンスが必要になることもあると考えています。

ただし振り返って、改善/継続判断することは大事

それでもオプションは増やす


検討開始と実施準備


今回の体制構築は「K(改善活動検討)会」が担当します。2024年1月にスタートした会議体で、初期施策のひとつが "リモートワーク体制構築" です。

そのうちこの会についても言及されるかも…


この会議の参加メンバー2名が原則的には曜日固定・週1日の稼働をリモート化します。社内でしかできない業務/社外からでもできる業務はそれぞれ存在するので、個々人の稼働内で調整・実施日変更も柔軟に行います。

特に資材担当は部品出庫予定等に応じて
毎月フレキシブルに曜日を設定する


準備:ハード類のみ調達


#DXシリーズ にて公開してきたように、SaaS導入によって大半がクラウド上からアクセス可能な体制が整っており準備はさほど多くはありません。

ハード類の準備がメインでしたが、ノートPCと連絡・通信手段確保のためにスマホを手配。そして2024年3月より取り組みを試験的に開始したので、実際にやってみてよかったこと/よくなかったことをまとめてみます。

事例もインターネット上にあります
ハードは渡邊さんが選定


実際やってみてどうだった?
リモートワークでよかったこと


効率性向上とミス軽減

来客者・電話 (結構鳴る) の対応が当然できません。しかし、「業務を遮られないこと」が効率性向上・ミス軽減に寄与しそうです。(当然出社している社員が対応しており、そのものがなくなっているわけではないですが…!)

会社にいると色々と気になったり、他の仕事を頼まれたりと、なかなかやりたい仕事を処理出来なかったりしますが、リモートワークは、自分の仕事にとても集中して取り組むことが出来ました。

会社にいるとなかなか見る事が出来なかった所が、リモートワークでは落ち着いて仕事が出来るため、入力ミスや処理ミス等発見する事が出来きました。

会社にいると同時進行で色々な仕事をこなさないといけませんが、1つの仕事に集中しており、ミスが減りそう。

事業推進室や設計課はパーテーションを机に付け始めた
これでも視界に入る情報は結構減って集中できそう


仕事以外では…?

通勤時間、環境づくり、ご家族…
業務面のメリットに加え、無視できない要素が非業務面にもあります。
様々な生活面との両立、あるいは自己研鑽に充当される時間になっていったとしたらHR分野にメリットが現れそうなポテンシャルを持つ部分です。

仕事のことではないですが、帰って来た時に私が家にいる事に子供たちがとても嬉しそうでした。『いってらっしゃい』『お帰り』を久しぶりに子供達に言うこともできました。

朝の身支度に時間がかかる女性にとっては一日の始まりが楽で、通勤時間を家事に充当できゆとりがある。

忙しい時は簡単な食事を持参することが多く栄養面が不安でしたが、解消される気がした。


実際やってみてどうだった?
リモートワークでよくなかったこと


集中しすぎる可能性とコミュニケーション

時間の管理が難しくなったり、他者とのコミュニケーション機会が減少したりと、やや間接的なデメリットが見えてきます。個人差もありますが、自分だけの世界に入ってしまうことは一長一短がありそうです。

周囲に人がいないことは集中できる一方で、集中しすぎてしまったり休憩のタイミングを見失ってしまったりする。アラーム設定等の対策も必要と感じた。

※イシダテックでは始業・終業・昼休憩時にサイレンあり

ちょっとした雑談をする機会もなく誰とも話さないことに感じる寂しさも。
チャットなどでのコミュニケーションが難しいことも実感しました。

始業・終業時に上長とのみ連絡
(電話 or GoogleMeet使用)

チャットでのコミュニケーションは普段やり取りが少ない相手ほど難しい。どんな業務に取り組んでいるか等も含めて、理解しておく必要があるようにも感じた。

これまで必要性の低かったローコンテクストさ

もちろん会社にいなければできない仕事もあるので、ある程度計画的に実施する必要がある。

自律的なコントロール要
関係性構築や透明性を高めたり、アイデア創出されたり…
メリハリは必要だけど雑談の力は小さくないのかも


これらを踏まえてこれから進めること


製造業に従事する身としてはなんとなく憧れのあるリモートワーク。
やってみると よかったこと/よくなかったこと それぞれが見えてくるような印象もあります。

4月度も試験的な実施は継続しますが、下記3つの観点をメインに議論を継続するとともに、ガイドライン作成や部内でのルールを設定していきます。
(下記観点は石田社長より提示)

1.言語化
どうしたら情報伝達に齟齬がないか?齟齬があった場合は何が問題か?ない場合は何を工夫したか?言語化に向いている業務、そうでない業務の特徴はなにか?

2.非同期
実はリアルタイム性が必要でないもの(同期性の幻想)にはどのような業務があったか?また非同期的なコミュニケーションをする上で態度・表情は使用できないが困ったことがあったか?

3.ITとの融合加速
ITと融合するために必要なものはなにか?
実は必要がないものや心理的なハードルだけになっている事象はなにか?

ちなみに社長によると……
リモートワーク導入による究極目標は、一言で表すと「暗黙知の形式知化」の推進です。製造業では現場にいなければ無理でしょうという常識を覆しつつ、いくら現場で働いているとしても月1日分くらいの時間は考える時間に充当し、かつ「普段との異なる状況で意見や考えを表現する」機会を設けることにつながればいい、と考えています。

※これはあくまでも「究極目標」です(こやま)


おわりに


個人的な話ですが、MBA在学中がまさにコロナ禍で、完全オンライン通学。HR系統の授業ではリモートワークの是非… みたいな議論もよく行われたものです。(当時はCA・Yahooの動きが注目されましたが…)

今回は(製造業で近しい規模の企業と比較すると進んでいるであろう)デジタル面の整備がスムーズな実現に寄与したような書き味もしましたが、どちらかというと弊社のスタンスこそがこの記事で伝えたかったことです。 
一方でジョブ型・メンバーシップ型といった雇用方式は混在する昨今の日本ですし、それぞれのパーソナリティや業務特性も考慮しつつ評価をはじめとする制度側等もまだまだ見直されていく必要がありそうですね。(こやま)

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