イシダテックに、"謎名称" の案件が存在しているらしい。
総務部のこやまです。
いつにも増して突然ですが、イシダテックがお客さまよりいただく受注件数がどれくらいあるかな?と思って調べてみると、部品や修理での受注を含め年間およそ600件くらいあります。
知らない、名称
謎のキーワードが含まれる受注案件が生まれました。その名は……
仮称とは言え弊社社員のみなさんさえも「?」となっていることでしょう。
開発コードネームとも捉えることもできるものですが、今回の記事では弊社の取り組みや歴史に若干触れつつ、ルーツについて書き残しておきたいと思います。
プロダクト名、Y.A.E
価値表現や覚えやすさ
読みやすさや発音しやすさ
機能が連想できるような名称で
シンプルかつスタンダードに……
プロダクト名称の命名ではそういった観点が重要視されることは我々も理解していますが、仮称として一見では何のことかわかりにくい Y.A.E というキーワードを設定しました。
そもそも:開発について
「冷凍魚選別システム」と記載されているものの、コア部はAIです。
競合ともなり得る先行事例も調査は簡単にしましたが、鮮魚ではない冷凍魚を莫大な量処理するものはあまり類を見ないものです。
それらを許容することは困難に違いありませんが、一歩先の活用まで見据えた開発が進捗しています。
AIそのものの導入検討 → AIによる品質判定検証 の順にフェーズは進行済。
現在は魚種・重量判定の実証実験を終え、導入を見据えた試験を実施しています。またデータを継続収集し、不良品判別やデータに基づいた分析へのアプローチを実施中—。このAIを含む冷凍魚選別システムが、Y.A.E.です。
また類似案件では鹿児島県で本格焼酎の製造・国内外への販売を行っている薩摩酒造さまと実施した「酒造用原料芋の選別AIの開発・実証実験」も存在します。
少子高齢化・人口動態の変化に伴う人手不足の深刻化へのカウンターパートとして、AI導入による作業効率化・生産性向上といった観点から取り組みをご紹介いただいています。こちらもぜひご覧いただけますと幸いです。
普段は直接的な表現をあまりしませんが、弊社はこんな仕事をしています。
そこで求む、ソフトウェアエンジニア
そんな新規事業・先端技術領域への業務拡大に伴い人材募集を継続中です。
焼津から世界を驚かせるために、力をお貸しください―。
なお、深層学習型AI画像検査装置/ソフトウェアを実装したラインはFOOMA2024にてデモンストレーションを実施します。
そもそも:命名の必要性
これは今まで単に「AI」と呼んでいた弊社にも新鮮な感覚でした。
AI×ロボット開発において連携いただいているライトアップ社さまとの打ち合わせ中、こんな投げかけが。
まずはAIに聞いてみたが、イシダテックらしさが足りない
そんな発散も経て(?)、AIに尋ねてみると「カツオボット」や「グラディンググッピー」のような様々な名称が生成されます。
しかし、なんだかいまひとつでしっくりこないものがほとんどでした。
エモさが足りない
では改めて、その名称はどこから来たのか…
詳細を語る中で少し寄り道もしましたが……
この名称は藪から棒に生まれたものではなく、由来が弊社内にもひっそり、それでもたしかに存在しています。
鉄の門
この時期はかなり筍もニョキニョキしていますが、その脇には毎日開閉される鉄の門があります。詳しくは長くお勤めの方に今度聞いてみますが、この門、自社製なのでしょうか…?
寄贈なのか、当時のご関係者のお名前がプレートで設置されています。
最も左には、創業者・石田稔さんのお名前があり……
その横に、創業者の奥さまである石田八重子さんのお名前があります。
石田社長が「八重さんからもらうか…」と言ったのを私は真に受け、仮称として設定させていただくことにしました。これが本当に、名称の由来です。
最新のものだが、「昭和っぽいのがいい」
焼津で作られたAI。
そして弊社は焼津のエヂソンが作った会社。
こうして鶏が先か卵が先かはわかりませんが、仮称になりました。
社長からは「渡邊さんのサムネイルみたいな昭和の香りを出したい」リクエストもあったのでもちろんお答えします。
おわりに
世界を驚かせるプロダクトになることを願って
1940年代の個人創業後、水産加工工場向けの省人化機械を製造したことがイシダテックの始まりです。時代背景や用いられるテクノロジーは大きく変化を遂げていますが、「成長に貢献する秘密兵器をお届けする」や「機械で済むことは機械で、伝統の味を大切に」といった考え方は不変のものです。
開発を担当している中原さんは、過去に公開した記事で「お客さまに驚いてもらえるようなプロダクトをつくるのを使命として、これからもがんばっていきたい」と語っていたことがあります。
これまでできなかった技術が適用できるようになる、その技術を用いて新たな価値が生まれていく… そんな課程も伝えていくことで、AIの可能性をより多くの方に感じていただきたいですし、Made in Yaizuのこのプロダクトが、今まで暗かった場所に明かりを灯すことを願っています。(こやま)