普段は工場で鉄削っている会社員が日本茶専門WEBメディア制作に挑戦したら農水省HPで紹介され、静岡でお茶の審査員まですることになった話。#notethon
OCHAITIMESとは
~世界に日本茶の情報を発信する日本茶専門WEBメディア~
「OCHATIEMS(お茶タイムズ)」とは世界に静岡茶の魅力を発信するWEBメディアです。現在OCHATIMESには3つのコンテンツがあります。
・「お茶を知る」: 茶農家などの生産者の取材記事を通じて静岡茶を深く理解できます。
・「お茶を楽しむ」: 魅力的なお茶カフェなどの取材記事を通じて、静岡茶を楽しめる場所を見つけることができます。
・「静岡茶マップ」: 目的地までの距離と経路を簡単に確認できます。
英語対応も進めており、現在では日本語版で約60記事、英語版で約30記事が公開されています。
日本茶専門WEBメディアOCHATIMESの現在の実績
とりあえずやってみよう!と始めた日本茶専門WEBメディア「OCHAITMES」のこれまでの実績は以下の通りです。
そして現在では、工場で鉄を削るブルーカラーの会社員には似つかわしくない、優雅なティーマリアージュの会にも誘われるようになりました。
何故、鉄を削る会社員が日本茶専門WEBメディアを作ることになったのか
なぜ日本茶専門WEBメディアを立ち上げることになったのか。その主な理由は2つあります。
「日本茶を世界に広めてみたいという好奇心」
と
「働き方の変化に適応する必要があるから」
です。
まず「日本茶を世界に広めてみたいという好奇心」の理由を詳しく説明します。現在の日本茶の需要は、1990年代から日本国内で低迷し続け、茶産出額は全盛期の3分の1程度にまで減少しました。約5万7千軒あった茶農家は、2020年には約10分の1の6千軒に減少しました。
一方、日本茶の輸出額は2021年に200億円を超え、年々最高売り上げを記録しています。また、2019年のコロナ前に、静岡を訪れた外国人観光客の数は240万人を超え、観光客の数は年々増加していました。(参考資料:静岡県茶業の現状、静岡県観光基本計画)
しかし、英語での日本茶に関する情報はほとんど存在しませんでした。
この状況をみて、私は「世界中の人々が静岡を訪れる際に、茶産地を自由に巡る助けになるメディアがあれば問題が解決するのではないか」と考えました。そしてこのことを、日本茶カフェ「茶空間」(現在は閉店)の店長である望月さんに相談したところ、大いに賛同してくださり、後押しを受けて、このプロジェクトに挑戦することを決意しました。
次に、2つ目の理由である「働き方の変化に適応する必要があるから」について説明します。
ここ数年で、会社員としての働く環境が大きく変わりました。法律による残業規制の導入により、会社での長時間労働は難しくなっています。残業に頼ることなく限られた時間の中で生産性を向上させることが求められます。そのためには、これまでにないようなスキルアップが必要になると思いました。
日本茶メディアの制作に挑戦することは、そうした学び直しの機会とも捉えました。またWEBメディアを運営する際のリスクは非常に低く、在庫や借金、高額な維持費などがほとんどかかりません。現職の会社員としての収入も確保されています。このため、新しい挑戦に最適と考えました。
マーケティングリサーチの結果
~世界に日本茶の需要があることは間違いない~
実際の世界における日本茶の需要を調査するために、事前にマーケティングリサーチを行いました。まず初めに、外国人観光客による日本茶への関心の高さについて調査しました。旅行会社である(株)ローカルトラベルパートナーズによれば、実際に海外から日本茶に関する問い合わせが一年を通してあり、これは海外の人々が日本茶に対する興味が一時的なものではないことを裏付けています。
実際、コロナ前には静岡市の森内茶農園や藤枝市の薮崎園などには、毎年100組以上の外国人観光客が訪れていました。これらの訪問者の中には旅行会社を通じて来日する方もいれば、SNSを通じて個人で訪れる方もおり、これからも日本茶に対する国際的な需要が堅調に続くことが予想されます。
また、2021年7月23日から8月8日にかけて、一般社団法人国際日本茶協会が、日本茶の魅力を海外に発信するためのオンラインイベント「日本茶マラソン」を開催しました。このイベントは、2021東京オリンピックと連動して行われ、日本の茶産地と海外の参加者をオンラインでつなぎ、17日間にわたって日本全国15カ所の茶産地を巡るものでした。このイベントには5,2000人以上の参加者(一般社団法人国際日本茶協会による公式発表)がおり、多くの国から日本茶ファンが参加し、大きな盛り上がりを見せました。
こうした世界中の日本茶ファンにOCHATIMESが繋がれれば、日本茶の知名度向上に大いに貢献できるでしょう。
OCHATIMESの英訳を担当しているイギリス人樹護士、Calfo Joshua(カルフォ・ジョシュア)によれば、イギリスでも日本茶は非常に人気があるとのことです。Calfo JoshuaもOCHATIMESの英訳を通じて日本茶の奥深さを学びながら楽しんでくれています。
これから新しいことに挑戦する勇者へ助言
「これだけはやめておけ!」
新しいことに挑戦するのは本当に勇気がいることです。私も挑戦者として日々奮闘しています。何事も挑戦したからといって成功するとは限りません。
そして成功する方法もわかりません。
しかし「やってしまうと確実に失敗する可能性が高くなること」は分かっています。これから挑戦する方々へのエールの代わりに是非共有させてください。
以下に私の考える「これだけはやめておけ!」ということを2つ挙げます。
これらの2つは、私がOCHATIMESの制作過程で守り続けている約束でもあります。OCHATIMESは「WEBメディアのコード構築や管理」と「英訳」のみを外部に委託しており、その他の執筆、撮影、SEO、取材、交渉などは全て自分で行っています。
ただし、これは独学ではありません。執筆、撮影、デザイン、SEOなど、これらすべてを一人でこなすことは到底不可能です。また各分野にはプロの専門家がいます。すべて自分の力だけで成し遂げようとする半端者が各分野の専門家に勝てる道理はありません。
私は各分野のプロフェッショナルから学びながら進めています。時にはプロの支援を受け、時には異なる分野のプロと連携し、日々実践しながら学んでいます。
ミスも多く、後悔し頭を下げることも多いですが、この方法でなければスピード感を持って進むことは難しいと考えます。
もし「私は独学でやりました」と言ってしまえば、それはカッコいいと思われるかもしれません。
多くの人々から「この人は凄い!」と賞賛されるかもしれません。
しかし、協力してくれた方々が喜びを共有できなくなり、結果として去ってしまうでしょう。
もし協力者が去ってしまった場合、一人では何も成し遂げられないことになるでしょう。そして、そうした評判が広まれば孤立することも考えられます。静岡は狭い地域です!
したがって、以下に協力してくれた方々の名前を感謝の気持ちを込めて掲載します。
他にも数多くの方に助けていただいていますが、名前を掲載しても良いか分からないためここでは割愛します。皆さま本当にありがとうございます!
OCHATIMESの今後の展望~世の中の変化のスピードが早すぎてキツイ!でもなんとかするしかない!~
科学の進歩を中心として世の中の流れはあまりに早く、当初私が準備を進めていたプランは次々に変更せざるを得なくなりました。最も計算外だったのはAIの進化のスピードです。CHATGPTなどの出現により、誰でも高品質な記事を書けるようになりました。
私はこれにより「重要な記事とは」の定義が変わると直感しました。
これからはきっと「どのような記事か」ではなく「誰が書いた記事か」が重要になるでしょう。そのため、実は記事を外注する仕組みを作りつつあったのですが、全て取りやめにしました。
また、少子高齢化と人口減少により日本人が減少していくことは避けられません。日本人が減れば日本語も廃れます。いずれ全てのメディアは英語化の波にさらわれるでしょう。私は英語版にしたとき需要が高まるメディアとして、日本酒と日本茶が挙げられると考えています。
一方で現在あるほとんどのグルメキュレーションメディアは英語版の需要は少ないと考えます。なぜなら、国によって味覚は勿論、民族性や宗教上の理由から食べられるものと食べられないものが複雑に分かれてしまうからです。
OCHATIMESの広告掲載による収益化を助言してくる方もいます。それを考えたこともありましたが後回しにすることにしました。なぜなら現在のネットユーザーは広告を避ける術に長けているからです。Braveなど広告非表示機能をもったブラウザも出てきており、この先はユーザーと広告表示のイタチごっこが予想されます。こうした激動の変化の中でアフィリエイトを自分でやるくらいなら、信頼できるプロのアフィリエイターを探して依頼した方が早いと思います。
現在はチョイチョイとお仕事をいただきながら、最速で世界にOCHATIMESを出すことを目標に動いています。勿論、会社員の仕事も続けています。
一気に駆け足で紹介してきましたが、以上が日本茶専門WEBメディアOCHATIMESの紹介になります。世界中のお茶好きが静岡のお茶屋を自由に巡り、そこから静岡の様々な観光名所へと散らばっていく。そんな光景を想像するとワクワクしませんか。
お茶業界とは全く無縁の会社員による世界に日本茶の情報を届ける挑戦。私は今日もきっとどこかの工場で鉄を削っておりますが、時折お茶の審査も引き受けたりしています。
どうか引き続き応援よろしくお願いします!