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普段は工場で鉄削っている会社員が日本茶専門WEBメディア制作に挑戦したら農水省HPで紹介され、静岡でお茶の審査員まですることになった話。#notethon

OCHAITIMESとは
~世界に日本茶の情報を発信する日本茶専門WEBメディア~



「OCHATIEMS(お茶タイムズ)」とは世界に静岡茶の魅力を発信するWEBメディアです。現在OCHATIMESには3つのコンテンツがあります。

「お茶を知る」: 茶農家などの生産者の取材記事を通じて静岡茶を深く理解できます。

「お茶を楽しむ」: 魅力的なお茶カフェなどの取材記事を通じて、静岡茶を楽しめる場所を見つけることができます。

「静岡茶マップ」: 目的地までの距離と経路を簡単に確認できます。

英語対応も進めており、現在では日本語版で約60記事、英語版で約30記事が公開されています。

OCHATIMESを運営しているのは、実はお茶業界とはまったく関係のない業界で働く会社員Iwamoto Norikazuと申します。(普段は工場で鉄を削る会社員です)


日本茶専門WEBメディアOCHATIMESの現在の実績

とりあえずやってみよう!と始めた日本茶専門WEBメディア「OCHAITMES」のこれまでの実績は以下の通りです。

・農林水産省日本茶輸出促進ポータル
・農林水産省の「日本茶と暮らそうキャンペーン」
・農林水産省の「出かけよう、味わおう!キャンペーン」
・静岡県庁お茶振興課主催の世界お茶祭り2022WEBSITE
・静岡県立大学茶学総合研究センターWEBSITE
・お茶のまち静岡市のWEBSITE
・建築家である鈴木啓子様からのお声かけをいただき、静岡産業クリエイティブセンターの「未来茶会」のパネル展示に参加しました。
・ChaOI(Cha Open Innovation)フォーラムのコーディネーター福島様にはOCHATIMESに賛同いただき、様々な相談に乗っていただいております。
・2021年と2022年に静岡県山間100銘茶の審査員を務めました。普段は工場で鉄を削る会社員としては史上初の選出。ちなみに私以外のメンバーは、有名なバーテンダーやソムリエ、茶師など、様々なメディアに出演経験のある著名人ばかりです。私が審査に参加しているときの場違い感が凄かったです。
・過去には静岡のローカル情報誌『静岡ビジネスレポート』に掲載していただきました。また、KIMXラジオにも出演したことがあります。
・その他、etc...

そして現在では、工場で鉄を削るブルーカラーの会社員には似つかわしくない、優雅なティーマリアージュの会にも誘われるようになりました。

一切経験のなかった一眼レフを使用した写真撮影。
プロに教わりつつ実践を通して覚えました。




何故、鉄を削る会社員が日本茶専門WEBメディアを作ることになったのか

なぜ日本茶専門WEBメディアを立ち上げることになったのか。その主な理由は2つあります。

「日本茶を世界に広めてみたいという好奇心」

「働き方の変化に適応する必要があるから」
です。

まず「日本茶を世界に広めてみたいという好奇心」の理由を詳しく説明します。現在の日本茶の需要は、1990年代から日本国内で低迷し続け、茶産出額は全盛期の3分の1程度にまで減少しました。約5万7千軒あった茶農家は、2020年には約10分の1の6千軒に減少しました。
一方、日本茶の輸出額は2021年に200億円を超え、年々最高売り上げを記録しています。また、2019年のコロナ前に、静岡を訪れた外国人観光客の数は240万人を超え、観光客の数は年々増加していました。(参考資料:静岡県茶業の現状、静岡県観光基本計画)

藤枝市岡部の薮崎園で初めて飲んだ本場の玉露は衝撃の香味でした。薮崎社長の言っていた「本物の玉露の美味しさが知られていない」という言葉の意味が分かりました。


取材で訪れた牧之原市で茶業を営む釜炒り茶柴本。21年国産紅茶グランプリプロダクト部門優勝の紅茶は、びっくりする美味しさでした。


しかし、英語での日本茶に関する情報はほとんど存在しませんでした。

この状況をみて、私は「世界中の人々が静岡を訪れる際に、茶産地を自由に巡る助けになるメディアがあれば問題が解決するのではないか」と考えました。そしてこのことを、日本茶カフェ「茶空間」(現在は閉店)の店長である望月さんに相談したところ、大いに賛同してくださり、後押しを受けて、このプロジェクトに挑戦することを決意しました。


OCHATIMES英語版と日本語版のサイトカード。
静岡のお茶屋に置いていただいてます。


次に、2つ目の理由である「働き方の変化に適応する必要があるから」について説明します。
ここ数年で、会社員としての働く環境が大きく変わりました。法律による残業規制の導入により、会社での長時間労働は難しくなっています。残業に頼ることなく限られた時間の中で生産性を向上させることが求められます。そのためには、これまでにないようなスキルアップが必要になると思いました。

日本茶メディアの制作に挑戦することは、そうした学び直しの機会とも捉えました。またWEBメディアを運営する際のリスクは非常に低く、在庫や借金、高額な維持費などがほとんどかかりません。現職の会社員としての収入も確保されています。このため、新しい挑戦に最適と考えました。

OCHATIMESを始めるまで触ったこともなかった一眼レフカメラですが、
今ではこんな写真も撮れるようになりました。




マーケティングリサーチの結果
~世界に日本茶の需要があることは間違いない~


実際の世界における日本茶の需要を調査するために、事前にマーケティングリサーチを行いました。まず初めに、外国人観光客による日本茶への関心の高さについて調査しました。旅行会社である(株)ローカルトラベルパートナーズによれば、実際に海外から日本茶に関する問い合わせが一年を通してあり、これは海外の人々が日本茶に対する興味が一時的なものではないことを裏付けています。

実際、コロナ前には静岡市の森内茶農園や藤枝市の薮崎園などには、毎年100組以上の外国人観光客が訪れていました。これらの訪問者の中には旅行会社を通じて来日する方もいれば、SNSを通じて個人で訪れる方もおり、これからも日本茶に対する国際的な需要が堅調に続くことが予想されます。

藤枝市にある薮崎園を訪れる外国人観光客の様子
静岡市にある森内茶農園を訪れる外国人観光客の様子


また、2021年7月23日から8月8日にかけて、一般社団法人国際日本茶協会が、日本茶の魅力を海外に発信するためのオンラインイベント「日本茶マラソン」を開催しました。このイベントは、2021東京オリンピックと連動して行われ、日本の茶産地と海外の参加者をオンラインでつなぎ、17日間にわたって日本全国15カ所の茶産地を巡るものでした。このイベントには5,2000人以上の参加者(一般社団法人国際日本茶協会による公式発表)がおり、多くの国から日本茶ファンが参加し、大きな盛り上がりを見せました。

こうした世界中の日本茶ファンにOCHATIMESが繋がれれば、日本茶の知名度向上に大いに貢献できるでしょう。

OCHATIMESの英訳を担当しているイギリス人樹護士、Calfo Joshua(カルフォ・ジョシュア)によれば、イギリスでも日本茶は非常に人気があるとのことです。Calfo JoshuaもOCHATIMESの英訳を通じて日本茶の奥深さを学びながら楽しんでくれています。

英語版のOCHATIMESサイトカード表面
英語版のOCHATIMESサイトカード裏面


これから新しいことに挑戦する勇者へ助言
「これだけはやめておけ!」


新しいことに挑戦するのは本当に勇気がいることです。私も挑戦者として日々奮闘しています。何事も挑戦したからといって成功するとは限りません。
そして成功する方法もわかりません。
しかし「やってしまうと確実に失敗する可能性が高くなること」は分かっています。これから挑戦する方々へのエールの代わりに是非共有させてください。

以下に私の考える「これだけはやめておけ!」ということを2つ挙げます。

・「誰かに助けてもらったら、そのことは正直に公開しろ!手柄の独り占めをすると、あとあと大きなマイナスとなる!」

・「素人が独学でプロに戦いを挑むな!勝てる可能性はゼロ!」

プロカメラマン森山敬己さんのフォトスタジオに撮影を教わりに行った際、
森山さんが撮影したお茶の写真。プロはレベルが違う!


これらの2つは、私がOCHATIMESの制作過程で守り続けている約束でもあります。OCHATIMESは「WEBメディアのコード構築や管理」と「英訳」のみを外部に委託しており、その他の執筆、撮影、SEO、取材、交渉などは全て自分で行っています。

ただし、これは独学ではありません。執筆、撮影、デザイン、SEOなど、これらすべてを一人でこなすことは到底不可能です。また各分野にはプロの専門家がいます。すべて自分の力だけで成し遂げようとする半端者が各分野の専門家に勝てる道理はありません。

私は各分野のプロフェッショナルから学びながら進めています。時にはプロの支援を受け、時には異なる分野のプロと連携し、日々実践しながら学んでいます。

ミスも多く、後悔し頭を下げることも多いですが、この方法でなければスピード感を持って進むことは難しいと考えます。

OCHAITMESの世界からのアクセス比率

まだSNSのみでの宣伝ということもありスピードが遅いですが、いずれはこの円グラフがカラフルな色になるように世界拡散を最優先に動いていきます!


もし「私は独学でやりました」と言ってしまえば、それはカッコいいと思われるかもしれません。
多くの人々から「この人は凄い!」と賞賛されるかもしれません。
しかし、協力してくれた方々が喜びを共有できなくなり、結果として去ってしまうでしょう。

もし協力者が去ってしまった場合、一人では何も成し遂げられないことになるでしょう。そして、そうした評判が広まれば孤立することも考えられます。静岡は狭い地域です!

したがって、以下に協力してくれた方々の名前を感謝の気持ちを込めて掲載します。

雑誌編集者Konan(執筆・撮影指導)
R・SUZUKI(SEO・WEB指導)
イギリス人樹護士Calfo Joshua英訳担当)
杉山写真材料店(撮影指導)
LuMEME/森山敬己(撮影指導)
東京日本酒部/大高友也(ビジネス相談)
長島酒店/長島隆博(日本酒の相談)
弁護士/中川素充(人生相談)
三保原屋(人生相談)
他OCHATIMESに掲載させていただいた全ての方々

他にも数多くの方に助けていただいていますが、名前を掲載しても良いか分からないためここでは割愛します。皆さま本当にありがとうございます!




OCHATIMESの今後の展望~世の中の変化のスピードが早すぎてキツイ!でもなんとかするしかない!~

科学の進歩を中心として世の中の流れはあまりに早く、当初私が準備を進めていたプランは次々に変更せざるを得なくなりました。最も計算外だったのはAIの進化のスピードです。CHATGPTなどの出現により、誰でも高品質な記事を書けるようになりました。

私はこれにより「重要な記事とは」の定義が変わると直感しました。
これからはきっと「どのような記事か」ではなく「誰が書いた記事か」が重要になるでしょう。そのため、実は記事を外注する仕組みを作りつつあったのですが、全て取りやめにしました。

お茶もティーカクテルやペアリングディナーなど次々に新しい形が生まれています。
何事にも常にアンテナ張り巡らせていきたいですね!


また、少子高齢化と人口減少により日本人が減少していくことは避けられません。日本人が減れば日本語も廃れます。いずれ全てのメディアは英語化の波にさらわれるでしょう。私は英語版にしたとき需要が高まるメディアとして、日本酒と日本茶が挙げられると考えています。
一方で現在あるほとんどのグルメキュレーションメディアは英語版の需要は少ないと考えます。なぜなら、国によって味覚は勿論、民族性や宗教上の理由から食べられるものと食べられないものが複雑に分かれてしまうからです。

富士山静岡空港では日本酒や日本茶の試飲コーナーがあることから、
国が違ってもこれらは受け入れられやすいことが分かります。
お茶一つとっても世界では多種多様です。
これがもし食べ物となるともっと複雑になることは間違いありません。


OCHATIMESの広告掲載による収益化を助言してくる方もいます。それを考えたこともありましたが後回しにすることにしました。なぜなら現在のネットユーザーは広告を避ける術に長けているからです。Braveなど広告非表示機能をもったブラウザも出てきており、この先はユーザーと広告表示のイタチごっこが予想されます。こうした激動の変化の中でアフィリエイトを自分でやるくらいなら、信頼できるプロのアフィリエイターを探して依頼した方が早いと思います。

現在はチョイチョイとお仕事をいただきながら、最速で世界にOCHATIMESを出すことを目標に動いています。勿論、会社員の仕事も続けています。

一気に駆け足で紹介してきましたが、以上が日本茶専門WEBメディアOCHATIMESの紹介になります。世界中のお茶好きが静岡のお茶屋を自由に巡り、そこから静岡の様々な観光名所へと散らばっていく。そんな光景を想像するとワクワクしませんか。


お茶業界とは全く無縁の会社員による世界に日本茶の情報を届ける挑戦。私は今日もきっとどこかの工場で鉄を削っておりますが、時折お茶の審査も引き受けたりしています。
どうか引き続き応援よろしくお願いします!



こちらの記事は2023/09/20~2023/09/21にかけて実施した #notethon にあたって作成されたものです。

企業のオウンドメディア運営にとっても非常に示唆のある記事でした。
上手く作られてるな、写真もきれいだし文章も読みやすい… そんな感覚で参照させていただいていました。あえて私も「鉄を削る会社員の方」と表現させていただきますが、ご自身の本業でもない、また独学でもないにせよ、深い考察も踏まえて成り立っている様子とスキルアップを目指す姿勢から強い刺激をいただきました。(こやま)