流れに身を任せたら工場長、と言われてよかった【舞台裏】
イシダテックの石田です。前回記事のサムネイル写真ですが、岡田が遠い目をする感じで好きです。
思えば、(弊社・製造部の歴史の中では)抜群に若い管理職となるので、組織構造の検討や実装のときには、色々あったなァと思い出しました。
この悩みを抱えた時に、どのように物事を前に進めていったかを可能な範囲で経験シェアしたいと思います。
さらに今、同じような悩んではいるが「誰に聞いたら良いかわからない」というような疑問を解決するきっかけになりそうなイベントが11月7日-8日と静岡市内で開催されますので、最後に宣伝します!!
むかしむかしー
2016年7月1日の資料を見てみます。この資料は、私がボール拾いの一環として、弊社の課題をまとめていたときのもの。
工場長とはどのように決まっていたのか。
参照する資料には、営業担当者 兼 製造部長 兼 工場長 兼 とあるお客様の主担当の重い役3役兼務であることが読み取れます。まずい状況です。ちゃんとした時間が取れません。
なぜこの方が工場長にー?
それは単純に、製造部での経験が最も長いから。もっとも長くそこにいる方が、長になるスタイル。
本当かー?
あるプロジェクトに携わったときのことです。
傾聴力のある上役がいました。「なるほど」「とはいえとはいえ(そうはいっても、こうじゃないか)」という思考の発散を助けてくれるようなキーワードと、時々、定義が曖昧な言葉や発言あると、突き刺すような目線でこう言います。
「本当かー?」
それは突然に、事実に向けられて矛盾を見つけるための合言葉のように聞こえます。固定観念を打ち砕くキーワード。
これを私は真似していました。
本人の前で真似して怒られたことも数回あります。ゆで卵をつかみながら手を上から下に振るような独特の動作も真似たからかもしれません。
工場長とは、経験が長い、最年長者がやるものである。
描いてみる、工場長に必要なもの
弊社の工場長は、工場にまつわる安全管理、プロジェクト人員選定(アサイン)、工事管理など様々な仕事があります。工場長自体は工場の顔であり、その言動や態度で周囲の人に伝わってしまう結果を想像する力がなくてはなりません。実はかなり抽象度の高い職種なのではないかー
であれば、一通り上流から下流まで製造プロジェクトを経験したあと、持つべき資質はただ一つ。
素直さ。
2018年から2021年まで、中継ぎとして次点で経験豊富な方に、危なげなく、そして組織的な軋轢もなく担当していただいているさなか、次世代の工場長について考えていました。
計画
2021年。代表取締役に就任した直後に、色々と計画を始めます。
その当時の状態がこちら。謎図でご紹介。
当時の状況ー職位、年齢、キャラクタと工場長
職位と年齢はほとんどきれいな相関関係にあります。そして当時(嘱託社員を除く)最年長者が、工場長です。
あとは、キャラクタ(気質)的にバランスよく物事をこなすゼネラリスト気質か、こだわり強く得意分野へのプロ意識が強い職人/プロ気質かでかなりばらついていることを表現しています。(完全に主観です)
なりたい組織体制
次に、やりたいこと(なりたい組織体制)をプロットしてみます。若く、誠実で、素直さあふれる30代を工場長に引き上げようという作戦です。
これには大きな目的があります。それは、古い慣例を克服可能なショックによって打ち破り、組織の構成年齢と考え方を新しくすることです。
ところが、当然ながらこれまでの価値観・物事の進め方とは異なるので、組織内で軋轢が生じることが考えられます。主要なポイントに番号を振ってみました。
①ほぼ同期の同僚
なぜ同じように歩んできたのに、自分でなくこいつが工場長に?!という思いを抱くかもしれません。
②現工場長
なるべくしてなった(最も経験があったため)という認識が形成されているため、なんであんな若いやつが工場長に?!と反発があるかもしれません。
③先輩社員
技能や経験を教えてあげた後輩10歳も下の後輩が、なぜ自分より職位的に上に?!と怒りを覚えるかもしれません。
④気高い職人気質の先輩社員
「フフフ・・・まだまだ青二才のあの子が、工場長になるなんて許せませんね・・・」と好戦的になるかもしれません。
正直コミュニケーションとANDの精神
①~②の社員には丁寧に背景や目的を話すことですんなり理解してもらいましたが、③、④は流石に難しいです。なにせ全員私より一回り(12歳)ほど年上でキャリアも長い、製造の主要メンバーだからです。
ここで相談します。きっと同じような経験をされているであろう、先輩経営者の方に・・・似たようなご経験ありませんか?その時どうしましたか?コツはなんでしたか?
めちゃくちゃ勉強になりました!ありがとうございました!!
あとはこれを怖がらずにコミュニケーション取るだけ。
反発は・・・?
このような学びを翌日活かすべく、③、④の立場の社員と話した結果。次のようなコメントをもらいました。
結果、まず副工場長として2年経験を積んでもらい、2024年5月から工場長に就任してもらうことになりました。正直コミュニケーションとANDの精神を学んだご恩は今も忘れません。
このドラマ(?)があった中、先日の記事で岡田が「流れに身を任せて」というコメントをしていたので、流れを作ってくれた諸先輩社員に感謝です。
学びの場
1つの学びとその実践が、組織を大きく前に進めることがあります。この例がそうだったように、今となっては感じています。
ではそのような学びの場はどこでー?
簡単に、ハードな経験をシェアしてくれる方はいるのかー?
そのイベント、静岡にあります!!!LEC静岡です!!
さくらインターネットの田中社長を始めとして、静岡に上場企業を含めた経営者が40人集まり、一方通行の基調講演だけでなく、膝を突き合わせて質疑応答・議論できます。普段の悩みを経験シェアによって解決できるかもしれません。
また、県内外からスタートアップ、アトツギ経営者が集まります。交流の機会もあり、よい刺激や学びがある可能性がとても高いと思います。
ご参加はこちらから!!
https://cart.ec-sites.jp/sp_step/static/cart2/es_shop_id/5022
3年前から各県のイノベーションベース(という経営者コミュニティ)が持ち回りで開催しています。香川→岩手→長野・・・と開催され、静岡が4回めです。静岡で開催されるのは、今後40年なさそうです。
紹介者に「イシダテック」と記入すると、石田が個人的に喜びます。どうぞよろしくお願いいたします!