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イシダテック、名刺を再デザインする。

総務部のこやまです。
突然ですが、今回は名刺を制作した話をします。
またその中では弊社のロゴマークに関する話題も上がりました。
記録も兼ねて書き残してみたいと思います。

段々と明らかになりますが、本質に近いブランディングを目指すSNS活用と合わせ、少し表面的な・見た目を整えるブランディングも意図しています。
そして、プロジェクトは金曜に往訪するTaktで協働を依頼しました。
※そこでの活動は社内には見えにくいので、社内報的な要素も含みます




今回の目的:2種類が存在する名刺を統一


昨年の FOOMA 出展以降、2種類の名刺が社内に存在していました。


  • ひとつめ
    従来使われていたもの。
    地元の印刷業者さんにFAXで都度注文して印刷する。お値段はやや高め。
    少数ロットの印刷なので、お届けいただくまで若干リードタイムも必要。

この名刺をCanva上で再現して弊社のメンバーシップである『イシダテック 総務部 広報室』 の会員カードのデザインにしました。

デザインはこれとほぼ同じ
※実物はnote / Twitter に関する記載なし
裏面にはメッセージが
サムネイルはオマージュです
リスペクトを込めて


  • ふたつめ
    昨年のFOOMA出展時に作成したもの。
    .pptxで保管したデータを編集、ラクスルで印刷するので早い&安い。55×91mmの中になかなかな量の情報が詰まっています。

表面
裏面




再デザインにあたって


叶えたいことは比較的明確で、簡単に表現するならおおよそこの3点です。


  1. 現代っぽさ
    ひとつめの旧名刺にはないものです。
    裏面も素敵ですし、デザインもおそらくプロのお仕事。
    しかし作成からは相応の期間も経過しており、下に記述する機能や、単純には現代っぽさを取り入れたい感はある。

  2. 適切な機能
    FOOMAの際に作成されたふたつめの名刺は、QRコード等こそ設置されているものの、実は私のiPhone12 miniでは読むことができませんでした!
    解像度か印刷時の設定かと推測されますが、 55×91mmと限られたスペースでの機能不全はもったいない。各種ロゴの表示数や情報量もやや多く、リニューアルしたHP等への動線も設けたいところです。

  3. 動線設計
    上述の内容にリンクするものでこそありますが、特にSNSを運用する私もご挨拶の際に『noteやってるんですよね!』と言っていただいたとしても到達には "ググってください" とお願いする必要がありました。
    採用面やこれから先の究極目標では案件につながることも視野に入れたいフェーズ。興味を抱くきっかけとしてオフライン×オンラインの動線としてSNSへの流入も図りたい印象。


今回のチケットは Redmine #2273 です

加えて担当者目線ではシンプルさに主眼を。
情報が多すぎて肝心の情報が伝わらない状況は避けた方が良いのでは…
と個人的に考えていたからです。

55×91mmで伝えられることは限られますし、特に弊社の場合はオンライン上のコンテンツも充実しつつあることを考慮しデザインへ落とします…




そうだ。デザイン、できない―。


納期や金額面も考慮すると、ラクスルでの印刷を継続したい。
でも私は当然デザインができないので、デザインだけをしてくれる方を探す必要があることをぼんやりと考えていました。

金曜日に、Taktで―。

この芝生の上、note書くのがとても捗る




Taktにいらっしゃる学生さんに頼んでみよう!


と思ったきっかけは、Taktのある草薙駅周辺に立地する大学のひとつ、常葉大学とこはだいがくに造形学部が存在していること。
ここの学生さんなら適任では?と思いついてしまいました。


さまざまな造形活動を通じて、アートやデザインの分野で求められる専門力と豊かな人間性を養うことが本学部の理念です。
クリエイティブの力によって価値を提案し、社会に貢献できる真のスペシャリストを育成します。

大学HPより


そう記載されている学部説明を見ても、在籍する学生さんにお手伝いしてもらえば、素人の私が作るより間違いなく良いものができそうです。
加えて私が毎週金曜にお伺いしているTaktという場は、事務局が(当然依頼内容次第ではありますが)企業・学生間での課題解決やその期待値調整に助力してくださることがあります。まずは一度相談してみることに―。




無事紹介をいただき、制作へ!


今回のプロジェクトは私の求めていることと学生さんの持つスキルや得たい経験がマッチしたことで始動に至っています。
過程は置いておきますが、例によってスピーディーに物事が進みます。


そして、事務局・小林さんからご紹介いただいたのが佐藤葵さん

しっかりしないといけないと思って
白シャツを着てきたらしい

佐藤さんは2022年9月からコラボレーションスペース・Taktの共同代表を務められており、小林さんと一緒に焼津市の市民活動人材育成講座に登壇するなど幅広く活動されています。

実はこの話をする前から佐藤さんのことを小林さんから「ちょっと見た目はイケイケ感がありますけどすごくいい子で、多分イシダテックさんあるいはこやまさんと相性が良さそう」と伺っていました。今だから言います。笑


私は毎週金曜日のTakt往訪を継続していたので、そのタイミングを利用して対面でのミーティングを行いながらプロジェクトを進行させます。
しかし写真が撮影された当時は(後述する反省につながる部分になるのですが)最終成果物のイメージが非常にぼんやりとした段階でした。

オーダーメイド / 受注生産の食品機械メーカー・イシダテック的に表すと、言葉にならない課題を抱えている段階です。笑

そんな初回ミーティング
弊社のことももれなく伝える




制作過程


制作中もメインはTakt訪問時のオフラインでの折衝が中心。
加えてTaktでコミュニケーションツールとして採用されているSlack経由での連絡も合わせながらオン・オフ双方でコミュニケーションを行っています。

私の成果物へのイメージがぼんやりとしていた結果、ここで佐藤さんには大量のプロトタイプを生み出させてしまうことになります。
最終的に収束を図る中でも、多すぎる選択肢は判断の難しさにもつながっていることは否めず、初期段階での構想の難しさを実感します。


裏話:幻のヴィーナス

イシダテック、ヴィーナスが高く認知されていて…
名刺にもちょっと入れ込んでみたいなって… 思っちゃいました。


そんな中、私のした無茶ぶりに対する佐藤さんのアウトプット。
さすがの感性に驚きつつも、後述するデザイン的観点から裏面の選択肢として右下のデザインを社内へ実際に一度持ち帰っています。

『(裏面とはいえ)製造業の名刺としては攻めている感』は否めず、異なる系統のデザインに収束することとなりますが……。
社内の人間だけではこのソリューションはまず思いつかず、実現することも困難であることに違いないので、痺れるデザインでした。


左上から右下にバージョンアップ
ここだけステッカーにして見せびらかしたい

・このデザインに関する観点(こやま私見)
スターバックスにも劣らないデ・ブランディング感は、特定界隈では認知度も上がりつつある弊社の武器になりそう。何より「なぜヴィーナス?」なんて会話のきっかけになることも期待できそうです。
全体のQRコードの模様は彫刻とのコントラストを感じさせ、右上のQRコードは技術のない私でも用途に合わせて差し替えて使うこともできる…!
何よりつい読み込みたくなってしまう、そんなデザインです。

UI/UX両面において秀逸で、社長とこやまは大変気に入りましたが……

社長は最後までかなり推してくれていました


発見と修正を繰り返して


そんな新たな方向性の発見や修正を繰り返して成果物のイメージが最終版に近づくにつれ、微細な修正も多くお願いすることになりましたが、佐藤さんには猛烈なスピード感で応えていただき、スムーズに進捗していきました。

そして完成に向かっていきます




関連トピック:イシダテック、ロゴの謎

あまり触れたことのない話題で、名刺デザインにおいてロゴカラーという話題が持ち上がったために記載するトピックです。社員でも知るチャンスが少なそうな話題なので、書き残してみました。


①カラー

検討を進めている間に、明確にしなければならないものがありました。
ブランディングを学んだ方からは怒られてしまいそうな見出しですが、実はイシダテックにはロゴカラーが2種類存在しています。
(おそらく旧名刺を作成した際、できたものなのだと思われます…)

看板や封筒等印刷物、社旗、車両に貼付されたロゴなど大半は「濃い緑」のロゴですが、「薄い緑色」のロゴとところどころで混在している状態です。当然今回考慮が必要になり、「濃い緑」を採用することに。

#22b14c くらいの色味
セーフカラーが近そう 製造業では縁起良い色
#bad6a3 くらいの色味
ピスタチオグリーンが近そう 若葉感ある色

・デザイン的には
ロゴの意匠以上に「色」が重要と聞いたことがあります。
私自身も、企業のロゴそのものより "こんな色のやつ" くらいでぼんやりと記憶していることが多いような気もします。言われてみれば。

視認性に基づく白抜き・墨ペタはまた少し別として…


②組み合わせ

さらに加えて……、これまたブランディングを学んだ方からは怒られそうな「被るから」という理由なのですが、ある有名な企業と混同(あるいは資本等何らかの関係性がある)されてしまうこともあるので、右側の社名表示はISHIDAではなく㍿イシダテックを今回の名刺では用いています。

その組み合わせはHPでも使用
2月頃からはnoteサムネもこの組み合わせに


③歴史と意匠

イシダテック設立前にロゴが検討された形跡が残っています。
工場の屋根に書かれているサインにも現在のロゴへ書き換えた形跡こそあるものの… 二重になった状態でそのまま残っています。笑

昭和50~60年代の写真と思われます
2021年撮影
旧石田鉄工所ロゴと二重で残っている


しかしながらロゴマークの意匠に関しては私も真意を知りません。
いつか解き明かしたい謎のひとつです…

2019年全社会議資料より
これを…
こうして…
こう!?(真偽不明)


なお過去の会社紹介資料こと「古文書」を参照すると、石田鉄工所との組み合わせでもこのロゴマークは一部使用されています。デザイン検討時の資料と思われますが、おそらく昭和末期頃のもの…と思われます。

フォントはオリジナル…?
ロゴマークの形は若干現在と異なる
ISHIDATEX や IRONWORKS が検討された形跡も
そして最終系と思われるもの




完成品


さてトピックは名刺に戻り、検討を重ねて名刺デザインが完成します。
表面はFOOMAの際に作成した名刺を踏襲し再構築しています。
一方、オンライン上のコンテンツが充実しつつある弊社。
得たい効果のため、裏面に記載する情報は慎重に取捨選択を行っています。

今時のおしゃれ感
印刷も問題なく、動線的機能も期待します

ポイント
余白を持たせたことで、余裕を感じるデザインに着地。
氏名など編集の容易さに加え、Aiほか専用ソフトがなくてもラクスルへミスなくデータ入稿することを意識して今後はCanvaを用います。

裏面はアピールしたいDX認定ロゴも含め墨ペタにすることで、表面の「濃い緑」のイシダテックロゴが映え、存在感が際立つように!QRコードは内部へのロゴ設置により到達先を読み込む前に判別できるようにしています。


ヴィーナスという幻を一度見た裏面ではありましたが、最終的に落ち着いたデザインに収束しました。なおこのnoteを書き終えたら、社員の新たな名刺を発注する作業に移ります。
社内で大切に、長い間使われるものになることを祈ります。

また印刷は予期せぬことが起きがちですが、
キャンバス設定などで可能な限り予め回避

日本経済新聞・日経クロストレンドでもSNS動線や会社の ”顔" といった文脈で名刺について写真付きで言及いただき、佐藤さんのデザインは世に広まりました!

なんか私もうれしい(こやま)




おわりに

デザインをしていただいた佐藤さんと事務局・小林さんのコメント、さらに私の反省も合わせて掲載して記事を締めたいと思います。

Taktにて

たたき台を作りすぎると、最初から大変だなと感じたのと同時に、対面でのMTの必要性を感じました。アイデアや熱量など、見えない思いや考えを形にする事がデザイナーとしての役割だなと思ったので、なおさら対面のコミュニケーションの大切さを実感しました!
このことを大学生の段階で経験できたことは、とても貴重だなと感じています。社会人と学生の関わり方を体験できたことによって、自分が逆の立場になった時に、「こんな感情あったなぁ」と思える日が来るなと感じました!

佐藤葵さんからのコメント

小山さんの社内調整力、葵くんの対応スピードが合わさり、最初に決めた時間内に無事にプロジェクトがゴールして素晴らしかったです!僕は芝生で力尽きて横たわっている二人を見ながら「あ〜これが社会人のロールモデル…こういうのもありか!」と、いろんな姿を見せるのも社会人として大切だわな。と感じた日々でした。

一般社団法人草薙カルテッド事務局
小林さんからのコメント
デザイン以外の話もたくさんさせてもらって、
若者の感性を吸い取りました
※ミーティング後の昼休み中です


・反省
取捨選択
今回は記載する情報を絞ることにかなり気を使い、あえて極限まで削り切って社内へ持ち帰りました。結果多少要素が増えても収まった感があります。
弊社の発信を見ていればわかると思いますが、私を筆頭に情報過多感があるので(笑) 結構削ったなあ!くらいが今後もちょうど良さそうです。笑
ただうっかり、このnoteも6,000文字を超えています。

イメージの伝え方
デザインへ落とす際に脳内のイメージを伝えるときは、簡単にでも視覚化/言語化すべきでした。これの有無で依頼する側もデザインする側もアプローチが大きく変わり、作業効率も雲泥の差になることを実感する経験に。
何より「現代風」や「シンプル」と言ってもその定義は私と佐藤さんの間では大きく差異があります。早い段階から配慮すべき点でした…!

思い切って任せる
神は細部に宿ると思っていますが、デザインは全体が肝要です。
そもそも今回はプロだと思って依頼していますので、要件を明確に伝えていきながらも、任せるべきポイントは任せる、そんなポリシーが必要だとも感じる経験になりました。素人が余計な首を突っ込むと素敵なデザインが台無しになる気がするので、悔い改めます…。
(ただ佐藤さんにもいい経験をしてもらえたようでなによりでした!)

イシダテック こやま




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