未来の "骨太なジェントルマン" へ伝える、起業家・起業精神。
総務部のこやまです。
イシダテックの所在する焼津市のお隣、県庁所在地である静岡市。
市内南部の駿河湾と静岡市街を見下ろす小鹿の丘に、静岡県内唯一の中高一貫男子校、静岡聖光学院中学校・高等学校があります。
先日、中学校2年生の授業のひとつとして行われている "探究ゼミナール" に弊社社長の石田が参加させていただきました。
探究ゼミナールについて
・探究ゼミなーるカリキュラムの大まかな全体像と開始経緯 / 目的
静岡聖光学院では、未来の予測困難なVUCAの時代に、子どもたち一人一人が課題を見つけてそれを解決していくことができるようになるために、解決したい、やってみたいという意志を持って、ベースの知識や経験をもとに考え、意見の違う仲間と協働しながら学び続ける。
そのための「未来を織り込んだ学び」を中学高校の6年間をかけて実践しています。
その中で、社会における課題を見つけ、それを探究するための問いを作り出すために、中学2年生で週に1回、複数の分野に分かれて課題解決のための問いづくり(ゼミ活動)を行っています。
農学、経営学、国際交流、理工学とそれぞれ分野の異なる領域で地域・大学・企業・OBや卒業生と連携しながら活動を行っています。
今回のテーマである「起業家・起業精神」設定の経緯について
経営学ゼミでは、近い将来自分たち自身で価値あるものを作って販売し利益を得ることができるようになるために、「人(他者)にとって価値のある、意味のあるものとは何か?」を生徒たちに考えさせています。
大手コンサルティング会社デロイトトーマツ主催のセミナーに大学生とまじって参加し、商品を提案する方法やプロセスについて学んだり、今まで自分が遊んできた“おもちゃ”はなぜ魅力的で楽しく長い間親しまれてきたのかについて考えたりしてきました。そんな事前学習をしてきた上で、
これらを子どもたちに伝えるにあたって、ぜひお話をしていただきたいと思ったのが、本校OBでイシダテック社長の石田さんでした。
カタログのない顧客の悩みや要望に応える「秘密兵器」を作る企業。
まさに、他者の持つ課題をもとに求められる製品を届ける。この想いやマインドを伝えていただきたい。そこから今回の探究授業ゼミなーるがスタートしました。
今回の探究ゼミなーるのテーマ
(少なくとも中学・高校と地元の公立育ちな私から見ると) 学校全体としてのカリキュラムは先進そのもの。今回の授業では、中学校2年次の生徒さんが「あなたが日常の中で本気で解決したい課題や問題は何か?」を事前に準備し持ち寄ります。
先進性のある授業であることはご説明いただいた通りですが、デザイン思考やジョブ理論レベルの問いに向かっていることには驚きを隠せません。
私も参加させていただきましたので、内容をご紹介しますね。
社長、母校に帰る―。
探究ゼミなーるに社長・石田がゲストスピーカー的に参加したきっかけは、先ほどご紹介いただいた通り。普段プロフィールに記載されているのは大学院以降の経歴ですが、静岡聖光学院中学校・高等学校は弊社社長・石田が中学・高校での6年間を過ごした母校というわけです。
Day1
導入およびインプット、そしてプレゼンテーションが行われたのがDay1。
弊社社長の石田が担当したインプットでは、「起業/スタートアップ/事業を学ぶ上で、起点となるミッションを考えることを経験を通じて学ぶ」というゴールを設定しています。
そんなインプットは "TED" にインスパイアされたPRH-ピエールロバートホール-にて行われました。ホール・舞台としても利用できるような設備が整っているこの施設は、昭和44年・静岡聖光学院中学校開校時の初代校長であるピエール・ロバート氏の名を冠した設備なのだそう。
今回提示した考え方
石田からはまず下記の2点を生徒さん達へお伝えしました。
①企業・個人にとって大切なミッションの定義
②ステップ:Whyからはじめる
ですが、いざ言われるとなかなか難しい考え方です。
そこで、Why‐なぜ?をきっかけに考えてみるように伝えました。
Ex.イシダテックや周辺の方を例に考えてみると…
イシダテックを例にするならば…
お客さまの生産現場に成長に貢献する秘密兵器をお届けする。
これは食品機械をオーダーメイドで作ること!と単に解釈するのではなく、イシダテックの存在意義とは?そしてお客さまにとって提供できる価値は何か?そう考えた結果生まれたミッションとも捉えることができます。
また講義内では結桜さんや、わさびスタートアップのNEXTAGEさんを例としてご説明をしましたが、改めて見てみるとミッションがどれだけ大事なものかが実感できます。基本的には不変のものでありながら、原動力と言えるくらい大きな意味を持ち、何よりも大切にされるものです。
設けたルール
そして検討を行うにあたっては、
正解はないものとする
感謝、挑戦、学びの尊重
上記2点をルールとして設けています。
ミッション、キャリア、志… いずれにおいても正解などなく、他人(他社)と比較したり小さいことを嘆いたりということもあってはならないからです。
そして何より、正解があるものでもありません。
ピッチ、そしてDay2へ
そんなインプットを経て「あなたが日常の中で本気で解決したい課題や問題は何か?」を生徒さんひとりひとりが1枚スライドでピッチしました。
私はDay2から参加させていただきましたが、通常の教室とはやや雰囲気の異なるcreative_labにて、創造性を大切に講義が実施されます。
共感を得ていたアイデアをもとに、ディスカッションへ
22名の生徒さんが実施していたピッチの中で、
部活が楽しくなる方法
ごみの分別をめんどくさがってやらない
鉛筆や消しゴムなどが使いたい時に使えない
以上の3つのアイデアが特に共感を得ていました。
そのアイデアに対して共感したことはなにか?・人の気持ちを動かす要素はなにか?をテーマに小グループでのディスカッションに進み、深まった議論の結果はクラス全体へ共有が行われていきます。
自分起点で考えたアイデアながら、ディスカッションを通じて主語が「他者」にも変わっていったり、社会レベルに発展する可能性を持つレベルまで議論が膨らんでいきます。短時間の中でも全員の積極的な参加によって多くの意見が表出化し、アイデアが深まっていきました。
講義後総括:社長から
身近なことから発展して、他者まで巻き込んでいく意見が出たことが多い点が非常によかった。共感はネガティブ・ポジティブどちらからはじまるか?という観点については、現実ではどちらのケースも存在しています。
共感を得るためにはあえてネガティブさをそのまま表現することも重要であるし、逆に誰かのためになることを強く発信していくことも重要。
自己から始まったアイデア。それでも今回のようなディスカッションを通じては、聖光学院の思考コードのように、他者・社会全体にまで思考・影響する範囲が大きくなっていくといいと感じています!
おまけ:校内見学させてもらいました
すげえ~!の一言でした。環境面からも創造性が掻き立てられるような、そんな印象を受けながら見学をさせていただきました。
図書室:SCLがすごすぎる
Seiko Culture Lab :SCL という空間は、教室ともまた一線を画した異空間のような雰囲気でした。
他にもたくさんあるらしい
おわりに
▶秘密兵器について、詳しくはこちらです
▶生徒さん作成の動画、良すぎる…