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導入事例制作、ChatGPTとやってみた。

突然ですが…
この装置、何をするためのものか想像はつきますか?


わかったらすごい





正解は…


写真のようなプラスチックの通い箱:P箱(P函・ぴーばこ)をまとめる紐をカットして回収する装置です。役割としてはなかなかニッチであるものの、大量生産現場で作業者にとって大きな負担となる荷崩れ防止用紐のカット・回収作業を効率化する装置です。

「ビール瓶を入れるあの箱」がわかりやすいかも
※お客さまの社名は画像から消し込んでいます

仕組みしては、紐の位置をカメラで認識してカット、筒状のガイドに沿わせたら爪がぎゅるぎゅる回転して紐を丸めて回収。最後にブロワーでポンッ!と吹き飛ばします。笑


装置自体には歴史あり


「紐切装置」自体は石田鉄工所時代から製作実績があります。
デパレタイジング:パレットからの荷下ろし作業では荷崩れ防止処置の処理が難しいポイントとされ、機械化が生産性向上に寄与するわけですね…!

石田鉄工所時代にサッポロビールさまと共同開発
焼津にある静岡工場で稼働していた
このチラシはとても情報が細かい…!


今回のテーマは「導入実績」


総務部のこやまです。
以前Webサイトリニューアル実施&PR動画制作における裏側を簡単にご紹介させていただき、その記事は下記のように締めました。

制作には約半年の期間も要した今回のリニューアルプロジェクトでしたが、作って見た目綺麗にして終わり!ではなく、例えばホワイトペーパー実装(+内容拡充・資料の整理や再作成)や導入事例追加等により、有用な営業ツールのひとつとして位置付けられるように手も動かす2024年にしたいところです。止まるな、イシダテック。ですね。(こやま)


導入事例制作には年間KPIがある(らしい)


「年間15件導入事例を公開する」というKPIが存在しています。
しかし今期 (2023/05~) に入ってから公開した事例は1件です。

唯一の掲載実績がデモ装置である

※この記事に着手した2024年3月時点


なぜ制作されないのか


なぜ導入事例は公開されないのか―。
一部に私の想像も含みますが、おおよそこんな理由があります。

  • お客さまの許可が必要で大変
    オーダーメイドゆえに掲載しにくい側面あり
    設置後の画像等もお客さま工場で撮影するので表に出しにくい

  • 技術的な観点で公開できない
    弊社にとっては装置機構、お客さまにとっては生産プロセス
    これらが競争優位性の構築要因であるケースも存在している

  • そもそも、書くのが大変
    掲載する意味が社内に理解されていない説
    営業担当の業務としての優先度も低いか、そもそも存在しない

中でも現地(お客さまの工場)にて
撮影する製品写真は表には出しにくい


「有効な」お問い合わせをいただくために


既存のお客さまからの問い合わせは各社員にメール・電話・他作業での往訪時など多様なルートでいただきますし、完全な新規のインバウンドは件数的にはあまり多くありません。

今期より下記フローに則った初動対応を行うこととしましたが、そのフローに乗った、100%有効と判断できるお問い合わせは14件です。
ベンチマークはないものの、増やせるといいのでは?と思える数値です。

期首より9ヶ月時点で14件|月間1.5件くらいのペース
届くのは営業メールばかり!今度分析します(予告)


既存ページの問題点も明らかにしておく


カップゼリー殺菌・冷却機のページを例として参照します。


①文面:圧倒的情報量不足


唯一書かれた概要は「カップゼリーを殺菌・冷却をするための機械です。」の一言のみ。タイトルと同じですし、ちょっと日本語も怪しいですね…!
これが作れることはわかりますが、具体的な情報はありません。

長さのある機械だ!と写真から想像できますが、寸法も不明。
導入を検討される方からすると、もう少し情報がほしい… といった段階で ”この実績について問い合わせる” ボタンを押さねばなりません。

問い合わせボタンがどこか遠くに感じられる


②写真:イメージの伝わりにくさとマイナスイメージ


一部装置の写真は製作・撮影時期も定かでなく、カピカピ感が。
令和の時代にはなかなか見られないレベルの解像度で、かえって「近年は製作していない」感を醸し出してしまいます。

もしかして:石田鉄工所の制服…?
製作実績年度を入れておいたらいいかも


解決策


今回は、ハードルを下げるためにChatGPTの力を借ります。
ページを作る=アクセス増、というつながりは飛躍している感もあるので、まずはとにかく掲載件数を増やすことから始めていく必要がありそうです。
そこで…

  1. 仕様書や関連資料を読み込む

  2. 適切なプロンプトによる "それっぽい" 文章の作成

  3. マークダウン形式で仮の実績文書を生成

という手順を決めました。社長が―。
0から作成しようとするとハードルが高い以上、担当者が行うことはチェックのみにすることでまずは公開数を増やす、という意図が見えてきます。

#21309
ちなみに有料版(GPT-4)を使っています

プロンプト
・あなたは、イシダテックの広報担当者です。イシダテックは食品・医薬品の製造装置の開発・設計・製作依頼を受けて、オーダーメイドで製作するメーカーです。
・イシダテックはこの分野において、ニッチャーとして活躍する企業ですが、あなたは認知度をより向上させるというミッションをもっています。
・そこで、あなたは誰でもアクセスできるイシダテックのコーポレートサイトで、実績のある製品を1つずつ紹介する必要があります。
・ターゲットは、大手食品会社の生産技術担当者もしくはその決裁者です。日本語話者で、大学生レベルの日本語語彙を持っています。専門的な機会用語を散りばめると、プライドをくすぐることができます。
・このURLにあるPDFを読み込んで次の形式と注意事項に沿って回答してください。ただし、個社名(納入先名)を特定できるキーワードは避けてください。

1.カテゴリー(原料処理、二次処理・加工・調理、冷却・殺菌、計量・充填、搬送・洗浄、保管・管理・その他の6つのカテゴリーのうちどのような装置か選んでください)
2.装置の開発・発注の背景
2-0.導入(この装置のニーズを喚起しそうな導入文を、社会的、省人化ニーズ的文脈から200~300文字程度で記載してください)
2-1.概要(背景・できること・仕組み・処理対象のワークに関する事項を、200文字程度で記載してください)
2-2.装置の能力(どのような処理数に対して、時間あたりなど処理能力があるかを記載してください。)
2-3.詳細(特色やアピールポイントを、独自性、安全性、動作フローの3つに分けて、合計200文字程度で記載してください。)
3.機械寸法(長さx幅x奥行きをmm単位で記載してください)
4.その他アピールするべき特記事項
・もし、装置の能力や寸法などできちんとした根拠の数値がない場合には、曖昧な伝え方をすることで避けることができます。
・また、URLの資料により、ソフトウェアだけの場合も考えられます。その際には機械寸法を記載せず「ソフトウェアのため対象外」としてください。
・ですます調で記載して、Markdownのコマンド形式にして記載にしてください。


実際にできたページ


以前に比べると改善されたものの、実はPV数や検索流入等は若干伸び悩んでいます。旧製作時の事例ページも残っていますので、動線整理等も並行して進めていかなければならなそうです。
( 具体的数値は提示しませんが SearchConsole / GA4 にてこやま確認済)

AIが作成したままの文章を用いましたが、(手数は少なくなっているので)物足りなさそうな部分を上手くアレンジしてあげればよりよいものになるかも。次節に簡単にまとめてこの記事を閉じたいと思います。


改善できそうなポイント


  • SEO的要素
    ワーク:処理対象物に関連する「P函」のようなキーワードを含める
    課題×解消事例という軸で探索されやすいワードを考慮する

  • コンテンツ拡充
    具体例が提示されれば導入リスクを下げることはできるはず
    閲覧者と決裁者が異なるケースも往々にしてあるので、社内検討開始時にそのまま交渉材料にも可能なコンテンツレベルへ
    (極端には各ページのホワイトペーパー化)

  • Whyからの訴求
    お客さまが選んでいただいた理由(なぜこの装置を、なぜ弊社に)を掘り下げ、お客さま視点で製品・弊社の強みの本質へアプローチする


↑ こちらはWeb上に公開されている情報を利用させていただき制作した事例
ChatGPTは利用していないものの、ワードを考慮しつつ公開された動画を具体例として提示してみました…


おわりに


noteが結構そうなんですが、0から書き始める!となると、枠組みはどうしよう… 構成はどうしよう… と考えることは多岐に及ぶので、抵抗感というか重さを感じます。ある程度はChatGPTにやってもらいながらも、人間が補完すべきところは補完してあげる "協働スタイル" がいいかもしれません。
(この文章、AIで作ったな… と見抜かれもしますし)

まずは数を増やしてコンテンツに幅・厚みを作っていけるように、PDCAを無限に回していきたいですね…!(こやま)

ちなみに、日本全国どこでも伺います!笑
(約3年間に社員が往訪した場所、プロットしてみた)

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