見出し画像

山カメラプロジェクト ep.02【構想・プロトタイプ製作編】

イシダテック 総務部の小山です。

突然ですが、山に意味もなく土地を持ってるので、定点カメラを置きたいという話をしたことを覚えていらっしゃる読者の方、おりますでしょうか。

これこそ「突然」だったので…
少し進展があったので、今日はこちらの内容をお伝えしたいと思います。




少しだけ振り返り


今回の内容に入る前に、少しだけ復習します。
なぜ食品機械メーカーが山にカメラを置こうとしているのか、ざっと…。

  1. 社長、「所有地:山林」と書かれた書類を発見する
    狼煙台=古代の光通信と思いつく

  2. SNSでの活用を思いつく
    過去は狼煙台、現代ではTwitterで使える説
    実案件は秘匿性も高く公開しにくい→参照用プロジェクトとして活用

  3. 現地、確認してみた
    思ったより雑木林!

という流れでした。
さてどのような進捗になっているのでしょうか…。


「山」を動かしに行く


結論としては「『山カメラ』で実証実験しませんか?」に収束するものの、焼津市を訪れていただくためのきっかけ・入口にもなるかも。
そこで観光資源としても活用してもらえないか、という妄想をしています。

既存観光資源にももちろん素敵なものはたくさん。
しかし、この山カメラを「いま」「ここで」しかできない体験を作る入口、その発信方法の一つに利用したらどうだろうか?という文脈です。

焼津市を例にするとVRChatでマグロの解体ショーだってやっています。
切り口としては近しいものがあるとも言えますし、やり方次第でメタバースとも連動できるかも… 夢が広がります。


置き場所もなんとかしたい


弊社の土地は旧狼煙台ではあるものの、手入れがされているわけではない。
後述する電源等の制約も考慮すると実現可能性は△くらいかもしれません。

しかし高草山は山頂付近に公園も整備されており、眺望はこんな感じ。
ハイキングコースも整備されていますし、人気のビュースポットです。

笛吹段公園からの眺望
注)弊社の土地ではないです

かつて焼津地域おこし協力隊のぎんちゃんとこやまが登ったところです。
この景色がJR焼津駅から車でなら20分程度。
ここ、使わせてもらえないですかね…(直球)


この景色、生かさないともったいないのでは?


でももしかしたら、焼津市付近にお住まいの方しか知らないかも。

この眺望をまずは「山カメラ」を通じて見ていただき、興味が喚起できたらご自身の足で登っていただく。そして疲れた身体は黒潮温泉とおいしい食事で癒す…。
そして「焼津、よかったね」が生まれたらメリットはあるでしょう。

いわゆるツアーやバス旅行を伝統的な観光誘客手段だとすれば、山カメラは新しい観光誘客手段として活用することは不可能ではない気もします

現地視察の様子


仕様、検討してみた(ハード編)


そして大きく筋違いでもないことが見え始めた山カメラ。
今回の記事ではプロトタイプの製作過程をご紹介します。
ハード・ソフトの設計~組立プロセスを見てみましょう!

渡邊さん作成

なお現在弊社史上初のインターンシップの学生さんがいらっしゃっており、山カメラプロジェクトにも一部参画をしていただいています。

なお、写真は掲載許可済です


まず計画をもとに、仕様を検討しますが……、

  • 電源問題
    確保は困難そう…?

  • 運搬問題
    車で行けるが、大型は難しそう。Proboxに入るくらいがいいなあ…

  • 安全性/堅牢性
    自然の中に設置するので優先度も高いタスク

  • 法的な留意事項(建築基準法など)
    最優先タスク

など、制約や満たすべき事項が存在しています。

それを踏まえた主な仕様


こういった内容を考慮しつつ、検討を進めます。
そして「雑」と言いながらも、渡邊さんが構想したものがこちら。


…わかりやすく3Dモデル化するとこんな感じ。
何となく雰囲気は伝わるはずです。

これを製作し、プレゼンテーションでもプロトタイプとして使用することにしました。

想像以上にシンプル(こやま)
渡邊さんの技術の無駄づかい
ダッチハーバーに置くとこうなるらしい

そ、そんなことアラスカ…(焼津弁)


プロトタイプ、製作してみた


プレゼンテーションに際して、稼働できる状態を急ピッチで整えます。

背景を明らかにしてから製作に入ります
CADで図面を製作し…
電子回路も製作
はんだ付けもお手の物でさすが…
そして制御盤内に組み込みを行っていきます

制御盤内には主に、
①Raspherry Pie(シングルボードコンピュータ:制御用)
②Li-Fe(リチウムフェライトバッテリー:太陽光発電→蓄電用)
③モバイルルーター(通信用)
が設置されています。

もちろん社員も一緒に進めています


部品を設計・製作してみよう


先述したインターンの学生さんは機械設計という形でも関与しています。
CADを用い太陽光パネルを単管パイプにジョイントするための部品を担当。

自身の描いた設計図は、目の前で具現化されていきます。

「こんな目の前でやってもらえることないっす… うれしいっす…!」
と学生さんも言ってくれていて、少しほっとしました。

製造部のみなさんには爆速加工にご協力いただきました
お昼に出図→PM加工の圧倒的スピード感


取り付けまで自らの手で行い、ハードが完成。
次は電気/ソフトウェア系統も見てみます。

設計して終わり、ではない


余談:シンプルな見た目の理由


3D図面を見た時、個人的には「想像以上にシンプルだな」と思いました。
そこにも運搬が出来なくてはならないといった制約も存在しているものの、使用した資材は全てAmazonとホームセンターで買えます

仮固定中の実物

見た目を何とかしたい、は総意です。
できるのであれば、周囲の自然に溶け込むものに…!


仕様、検討してみた(電気/ソフトウェア編)


続いては電気/ソフトウェア系の仕様ですが、こういった形になりました。
将来的な活用方法も含んでいますが、Raspberry Piによる制御が主体です。

あくまで「雑な」仕様
カメラ・太陽光パネル他、主要電装部品
工作中の様子
パーツがつながっていきます


景色だけじゃなく、機能の展望も見え始めた


制御を構想する中で、活用アイデアも想像が膨らみ、かつ少しずつ具体性を増しています。

たとえば…

  • Twitter以外にも投稿したい!
    より多くの人の目に触れるために!

  • カメラを動かす/パノラマ撮影もできるようにしたい!
    定点カメラだけでは見ている人にも新規性がない…!

  • タイムラプス撮影も実現できたら面白い!
    参照する人が長いスパンでも楽しめるように!

  • バッテリー残量等基本情報を確認できるように!
    遠隔地設置時、管理がらくちん!

といったように、利用者/管理者それぞれの目線も想像し、取り入れながらアイディエーションしていきます。

アナログデバイスで未来の話
時には頭も抱えて絞り出します
そうして動き始めた、Project : Yama-Camera


きょう、プレゼンします


インターンでいらっしゃった学生さんとも協働しつつ、急ピッチで進めた山カメラプロジェクト。一部工程等もお任せしつつ準備を進めてきました。

しかし技術的に優れていても、相手に伝わらなければ意味がありません。
そこで発足経緯も振り返りながら、

  • どうしたら興味を持っていただけるか?

  • 関心はどんなところにあるか?

そんなポイントにまで(事前にこっそり)想像を膨らめています。
ディスカッション等も通じ、設置場所や活用方法を模索していきたいところです!


プレゼンの結果は…!



まだ詳しくはお伝えはできません!


ちなみに、横で聞いていた限りおもしろくなりそうです。
ep.03を公開する時にはまた新たな景色が見えているかも!
さまざまなことが具体化されてきたら、また改めてご紹介させていただきたいと思っています。

設計室での準備中の様子


おわりに


突然始まった山カメラですが、具体性が増してきました。
元は存在自体も忘れ去られ、文字通り「意味もなく」所有されていた土地。
でももしかしてもしかすると多くの方にとって有益なものに変わるかも。
ep.03では進化した山カメラが見せられたらいいなあと思っています。

インターンの学生さんも、これからも参加したい!と言ってくれているので頼もしく感じています。これからもぜひご期待くださいね!(こやま)

▶メンバーシップ、始めました