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【後編】DX、進めてみた。

イシダテック 総務部の小山です。
突然始めた「DX、進めてみた。」シリーズ……、
たくさんの反響をいただきました。ありがとうございました!



身近なことをデジタルに!小さな成功体験を積み上げよう!

から始まった前編。


そしてDXに注力する理由と目指す姿、にフォーカスした中編。
2記事に分けてイシダテックの過去の取り組みを言語化してきました。

半端ないボリュームにしてしまい反省。でもぜひお読みください!





登場人物&後編で取り上げる内容



前編・中編同様、「社内ツール検討会議」の4名がDXを進めています。


▼石田尚

言わずもがな、社長
最近新たに撮影したナイススマイルな写真

▼3人の仲間たち

社長以下年齢も若めなメンバーが中心となり、デジタルツールを用いて業務プロセスや、
「面倒くさいこと」の改善を目指しています


そんな4人がこれまで進めてきたこと(再掲)


  • 身近系(業務内外の身の回りのこと)

  • グループウェア系(チームウェアの導入他)

  • 勤怠系(勤怠システム導入・運用)

  • 案件管理系(PJ管理システムの導入他)

  • インフラ系(ハード・設備)

  • 技術系(3DCAD)

今回は技術系の取り組みとインフラ面での活動を棚卸します。




技術面のDX事例


今回ご紹介するのは、3DCAD(SolidWorks)の導入事例です。

まず「CADって?」という方もいらっしゃるかもしれませんが、
身の回りの工業製品は設計図を基に製作されます。
(スマホや車、パソコンも…)
設計図作図に用いられるのがCAD。Computer Aided Designの略称です。

・すごく簡単なイシダテックの「秘密兵器」製作プロセスでも
①営業担当がお客様のお悩みをヒアリング
②設計担当が構想・設計する←ここでCADの出番!
③資材担当が必要な物品を手配する
④製造担当が具現化する←組立時、CADで作成した図面の出番!

何がお伝えしたいかというと、CADなしで「秘密兵器」は創れないのです。


2DCADから3DCADへの変化


まず見ていただきたいのは、平面的な2DCADで作成される図面。
このような図面が業務の中で使用されてきました。

公開できる図面がさすがになく、
弊社設計室の席替え実施時に渡邊さんがサクっと作った社内向け資料

本人は「社内用ですし、図面の細かい体裁は大目に見てください~!」と言うものの、
そもそも大体の組織は席替え時に図面は作らないと思う。笑


しかしこれだけを見て、



「へ~!イシダテックの設計室ってこんな感じなんだ!」



というレベルまでイメージを持つことは難しいと思いませんか?

これは図面を使用し製品のイメージを伝える場面でも同じことが言えます。

具体的には下記に記載した内容が弊社の抱えていた当時の課題感ですが、
「伝わりやすさ」「見やすさ」に優れる3DCADを導入することで、
より具体性と再現性の高いお客様への提案や、図面確認作業により発生する工数削減につなげていきたかったという背景も存在しています。

・導入前の課題
①2DCADを読み取れるようになるまで時間がかかる

(=組織力やチーム力のスケールまでも時間を要してしまう)

②慣れている製造部の社員でも読み取りが難しいことも
(=仔細確認のため設計室と工場を往復してしまうことも)

③お客様へ構想提案時、説明が難しく、ジェスチャーで伝えることも
(=効率性も再現性も低く、案件としてもスケールしない)

④そもそもライセンスが古かった

当時課題として認識していた内容から抜粋


また弊社社長の石田も、
(きっかけは忘れたけど強烈に)「これからは3DCADの時代だ!」
と思い立ったそう。そこでまず3ライセンスを取得しました。

例によって、導入時にはインパクト分析を行っています。
2DCADから相応の費用も要する3DCADへの転換に向け、どれほど業務や競争優位性にインパクトが発生するかを定性・定量の両面から予測しています。

一部記載内容のみ抹消また別途コスト試算と減少効果試算も行っている


3DCAD導入効果



導入した3DCADは、社内での業務課題解決につながり……、
社内での利用頻度も向上したことから、2019年にはライセンス増加、2022年には 静構造解析機能* も追加しています。

・静構造解析
構造物や部品などの静的な荷重による変位、応力、歪み及び力を求めるために使用するもの。(詳しくはWebで)
イシダテックではそれまで机上で計算していたが、工数も要する上、計算しきれない箇所には素材を肉厚にする等の安全マージンを大きくとっていたケースも。3DCADを利用することで簡単/高速/正確なシミュレーションが可能になりました。

「計算も踏まえ製作したが強度不足が判明、作り直しや手直しが必要に」
ということを事前に回避することも可能になります。


お客様からも好評◎



対面でのご説明時、3DCADによるモデル提示はお客様から好評です。

これはイシダテックの製品の一つ、「すり身充填包装機」のイメージです。
全体感だけでなく構造の説明、ワーク(処理対象)がどのように処理されていくか、説明時の具体性は2Dの図面と比較して圧倒的に高いです。

同一図面でので2D/3Dの比較ができず心苦しいですが
設計室の図面はもはや「ただの線じゃん」と思えるほど


さらに、3Dイメージはホームページ掲載時にも活躍します。

近年はホームページから製品に関するお問い合わせも多くいただきます。
3DCAD+レンダリングを用いたイメージ図の掲載が、後に具現化される「秘密兵器」を具体的に想像していただくことにもつながると期待しています。

弊社HP 「実績紹介」ページより
(3年4か月振りくらいに更新・例によって渡邊作成)



余談:久しぶりの「古文書」

CADは1960年代、米国ロッキード社で実用化されたそう。
それまでは写真のように、ドラフターという製図台が一般的。

石田鉄工所の会社紹介資料より

同じものかは不明ですが、2021年秋頃まで社内に存在しました


前身である石田鉄工所はCAD自体の導入は早期に行っています。
設備の重要性を認知、昭和の頃からDXを進めていたのかもしれません。
「よりよい研究環境づくり」のため、惜しみなく努力する必要性を感じさせられます……。

当時のCAD導入目的は「研究開発期間短縮」と「ニーズ適応」
3DCADの導入と近しいニュアンスも感じられる



全てを支えるインフラを支える人



前・中・後編で紹介してきた施策を支えるのはインフラ
見えにくく、あって当たり前、に捉えられがちなのが悲しいところですが、
渡邊さん(Twitterがバズった人)がインフラ面を支えてくれています。

進めたことを抜粋して下記にまとめてみます。

ちなみに以前のイシダテックを表すキーワードは「古い家庭用」です


・社内ネットワークインフラとWi-Fi環境整備

以前はWAN接続機器が100Mbpsの古い家庭用で、老朽化も進行。
突如通信速度が低下することや切断もあり、業務がままならないことも。

また配線が1個のハブから全員に分岐していたのも過去の話。
設計室の床板を全て外し、旧配線の撤去・新配線の埋設を実施。
技術部総出の大工事となるも、現在そのボトルネックは解消されています。

そして今や無しには生きられないWi-Fi環境も未整備でした。
現在は工場を含む敷地内につながりにくいエリアはもはやありません。

社内にWi-Fi環境がない当時は、会議実施にも苦労が。
会議中データを閲覧・提示するには、自席までダッシュ!だったそう。

写真は2021年末の大掃除での渡邊さん
たった一人配線整理を命じられるも完遂


・NAS&クラウドデータ管理サービス→QNAPへの進化

NASは当初、古い家庭用NAS2台で運用されていました。
業務内で多人数がデータの読み書きを行うことに耐えられるものでない上、

  • 被災

  • 蹴飛ばす

  • コーヒーをこぼす

等により取り返しのつかないことになる可能性がありました。
そこでNAS+クラウドデータ管理サービスを整備し3年近く運用、
①参照性 ②可用性 ③冗長性 すべてが向上しました。

さらに2021年からはQNAPを導入、社内サーバーをGoogleDriveに即時バックアップするとともに、利便性を向上させました。

こういった背景もあり「個々でデータ管理」という文化が形成されたかも。
導入後はフォルダ構成やルールなど我流のものが多かったり、「公共の場所」という認識がなかったりと浸透までには苦労もあった。

QNAP導入に関してはまた別記事で詳しく書くかもしれません。



データの冗長化は、事業継続力の観点でも◎
社長も「これで何があっても3秒で業務再開できるね?」とご満悦。
他の取り組みとも合わせ、事業継続力強化計画も申請・認定を受けました。




おわりに

突然始まり、前編・中編・後編の3本構成でお届けした、
「DX、進めてみた。」シリーズは今回で一旦終了します。

しかし「社内ツール検討会議」の活動は定例で行っていきますので、
活動棚卸し・言語化を兼ね、今後は不定期での投稿も計画しています。
ご興味をお持ちいただけたら、マガジンをフォローしてみてくださいね!




▼日頃の活動へのお礼

事業推進室所属・中原さんのインタビュー記事が100スキに。
多くの方にお読みいただき、うれしい限りです。ありがとうございます!

ロボコン大賞を受賞し、AIにも詳しい中原さん。
構想から開発そして検証、さらには設計まで。幅広く業務に携わりながら考えていることや、今後実現していきたいことを熱く語ってくれました。

「社長より人気ですよ!」と本人に伝えておきました(こやま)

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