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アラスカだより

静岡県焼津市にあるイシダテック、総務部の小山です。突然ですが……。




スケソウダラって食べます?


日本在住の方で「全く食べません!」という方は珍しいと思います!
過去には弊社のレジェンドのインタビューをお届けしましたが、その中でも「Surimi」こと「すり身」に関する話題がありましたね。


そんなすり身の原料はスケソウダラ、そして主要漁場はアラスカ。
遠く離れた北米の話ながら、皆さんの食卓と深い関係がある場所です。
今回はそんなアラスカの話をしてみます。

白身魚フライ、たらこや明太子だってスケソウダラ。
すり身は近年カニカマなどの姿で世界中の国・地域で消費されていますが、日本は今もなおアラスカ産スケソウダラの消費大国と言われています。


 イシダテック社員はアラスカに行くことがある


世界的漁業規制に始まり、すり身を食する地域拡大、労働者の賃上げ……、
様々な背景があるものの、設計・製造担当者がアラスカの陸上工場に赴き、自動化・省人化を目的とする装置納入やメンテナンスを行っています。

イシダテックの製品、通称:秘密兵器。
その種類は多種多様ながら、稼働する場所も多岐に及んでいます。

赤丸中央の星がその舞台
Alaska , Dutch Harbor (ダッチハーバー) 

 密かに1回やってみたかったやつ、#アラスカ の天気は☀

#地元とは


アラスカに興味をお持ちいただけたはず!


さて、急に遠く離れたアラスカも身近に感じられたのではないでしょうか?

アラスカ・ダッチハーバーの玄関口、ウナラスカ空港の年間乗降客数は20,000人台。現地のエピソードを聞けることはとても貴重です!
そして藤井さん・岡田さんの2名が6月に出張でアラスカを訪れました!

そこで今回はアラスカだよりとして様々なエピソードを、渡航経験のある社長や社員達から集めた写真、アラスカあるあるも添えてお届けします。

藤井さん(現在は技術部所属・PoC*推進担当)
* PoC = Proof of Concept , 概念実証のこと 
岡田さん(現在は製造部・副工場長)


余談:イシダテックにはアラスカ渡航マニュアルがあるらしい


弊社にある数少ないマニュアル。うち一つがアラスカ渡航マニュアル
現地へは成田-シアトル-アンカレッジ-ウナラスカと乗り継ぎます。
空港内の経路や持ち物の注意点まで記載されていて安心!

……安心!なはずですが、洗礼を受けることも多々……。

 ▫ 渡邊さんに経験を積ませたくて
社長は団体以外で海外に行ったことがない渡邊さんに経験を積ませようと、サンフランシスコ経由(乗り換え35分)のルートを予約、数分狂ったらアウトなスケジュールを組んだ(おに)

先乗りしていた社長・山村さんは渡邊さんがシアトル・タコマ空港のエスカレーターで定刻に降りてきた姿を見て感動したらしい(マッチポンプ?)

渡邊さんが渡航時に作成してくれた


アラスカの洗礼、PENAIRあるある


と思いきや実はマニュアルでもどうにもならないことも……。
大半の社員がアンカレッジ-ウナラスカの渡航で最初の洗礼を受けるよう。
ここからは渡航経験者から聞いたエピソードをお届けします!

颯爽とPENAIRに乗り込む山村さん

 ▫ PENAIRことPeninsula Airways
直訳すれば半島飛行機。アラスカ州アンカレッジを本拠にする航空会社。


  • 混雑する時期、荷物と人の身体は別々にダッチハーバーに到着

  • 帰りは悪天候で着陸に複数回トライ、切に要らないチャレンジ

  • そんな空港の離着陸は、一番生きた心地がしない

  • そもそも飛行機が飛ばない

  • 無事シアトル帰着も、荷物はまぁまぁ行方不明になる

弊社社員は空港でのスタック最長記録も保有しています。(お客様調べ)
しかし手練れが多く、「荷物は可能な限り機内持ち込みにする」など対策は各人で十分に行ってから乗り込んでいるようです。

天気が悪いとこう、どんより
藤井さんは「ターミナルがコンビニより小さい」
コールドベイという地に不時着した経験も
飛行機!で想像するジェット機ではなく、
プロペラ機というイメージの方が近いかもしれない
離着陸チャレンジをやめてくれと願う理由は、
北からしか侵入できない滑走路にある
風の状況次第では山をかすめるレベルらしい
ちなみにアンカレッジ空港ではしかさんや…(トナカイ?)
くまさんもお出迎えしてくれるらしい


ただ何より辛いのが、国際便とは比較にならないほど欠航すること。
驚いた欠航理由として「火山の噴火」などもあげられました。

でも機窓はめちゃめちゃきれい(2022/06 藤井さん撮影)


アラスカの自然あるある


そんなこんなで到着したアラスカ・ダッチハーバー
しかし自然の洗礼は到着してからがはじまりです。

  • ブリザード警報や地震による避難が体験できる

ここ数年は雨のイメージが強いとのこと
(すり身生産地では)「紋別の方が寒い」
そしてアラスカは「地震が多い」


  • 時差ボケからの白夜で体内時計が悲惨なことになる

この写真の撮影時刻、見てみたら21:01だった…


  • WWⅡ中の一度も使われなかったトーチカがそこかしこにある

先の大戦中ゼロ戦が米国本土に唯一到達したダッチハーバー
至る所にトーチカが作られているが、2度目はなかったそう…


  • (がんばれば)オーロラも見れる

イシダテックの社員は相当数訪れるも誰も見たことがない
(滞在中は業務で忙しいですし…)


  • 木も育たない

唯一発見した全長2mくらいの木は記念樹だったらしい
お気づきだろうか、港湾地区にも木がない
それでも豊かな自然と共存する素敵な場所


アラスカの動物あるある


漁業においてもシーフード・サステイナビリティとして世界的なモデル。
そんな "Last Frontier" (最後の辺境) アラスカには希少な動物も多数。
社員の撮影した写真から見てみましょう!

科学的な根拠に基づく厳格な漁獲制限など、
サステナブルな漁業が古くから行われている
時間帯や季節で表情を変えるLast Frontier
撮影した原田さん曰く、
「日本では見れない景色は圧巻、これぞアラスカ」

…と思っていたのですが、
この写真はシアトル近郊のスノーコルミーらしい


  • ハクトウワシ(アメリカの国鳥)がめちゃめちゃいる

「渋谷のカラス、焼津のカモメみたいなノリ」でいるらしい
またまた~、と思ったら本当にたくさんいる


  • 野良犬めっちゃいる!と思ったらきつね

ハクトウワシとコラボしてたりもする

他にも、ラッコ、アザラシ、クジラなど多数の目撃証言がありました!
娯楽が少なく「雷鳥狩り」が趣味になった現地工場の方もいるのだそう。

ちなみにダッチハーバーでは日本企業の現地法人がしのぎを削っています。
事業的には競合同士であっても、駐在する奥様方のシーズンの恒例行事はベリー狩りとジャム作りと聞いて、ちょっとほっこり。


唯一の楽しみ?食事あるある


図らずも?仕事に集中できる環境での大きな楽しみは食事。
しかしここでもいろいろあるようです……。

  • バーでウイスキーダブルを頼んだらコップになみなみ

多分麦茶みたいな感じ #ダブルとは
ちなみに日本円で約5,000円だったらしい
※写真はイメージです


  • 16ozの飲料水、1本3ドル

船便の輸送コスト転嫁かちょっと強気の価格設定
 米国内だと2ドルくらいが一般的


  • 生鮮食品を扱うスーパー、島内に一軒しかない

 ▫ スーパー事情
生鮮食品は週に1度、金曜の船便で届く。
なので木曜日に訪れるとひからびた高麗人参みたいな野菜しかないらしい。
現地パートナーからの依頼で、シアトル滞在中に野菜や冷凍納豆を仕入れて運ぶことも。結局渡しそびれ、ひからびてしまったエピソード付きです。

色味が全体的に派手でさすがアメリカ
オーガニックについて考えさせられる色味のグミ


  • 滞在中は仕事三昧で、食事が楽しみになる!

藤井さん曰く「飯の時間の幸せ感が半端ない」
カニとかステーキも食べられるらしい
青いトレーは工場での昼食、やはりアメリカン!
日本を感じられる場所もあるらしく…
お客様と社長、山村さんの3名は
#男は黙ってサッポロビール


でも行ってよかった、アラスカ!


ここまで旅路や自然の厳しさ、珍しい動物、食事の様子を伝えてきました。
しかし社員からはほっこりエピソードも聞けたので最後にご紹介します。


― 圧巻のダイバーシティの中で育まれる友情
米国内漁獲量の60%を占めるアラスカ。大規模であっても人手に頼る工程も多く、いわゆる"出稼ぎ"的な労働者の方もいることで多様性に富んでいる。
今は米国人だけではなく東欧の方も多く働かれている中、仕事を通じてお互い理解し合い、据付作業後にもらう「支援ありがとう」の声が泣ける。
(藤井)

― 不安な帰路での出会い
(冒頭に紹介した渡邊さん移動エピソードの後日談)
帰国時は早朝山村さんと別れてポートランドを経由しました。
空港到着後乗り場変更を電光掲示板で知り、待合所に移動するも無人。
その待合所は電光掲示板も消えており、心配になりながら椅子で時間を過ごしました。
ひとりの白髪まじりの男性が私の隣に座り、自然に「日本の方ですか?」と会話が始まりました。その方も私と同じく英語が喋れないのに一人で帰国する途中だったよう。
遠く離れた異国の地で同じ境遇の人に会えたこと、手を取り合って喜びました。 飛行機に乗るとき「やっと帰れますね」「良い旅を」と声を掛け合ってお別れした、アラスカ渡航の思い出です。
(渡邊)


おわりに


都市部から離れ僻地と言っても過言ではない、アラスカ・ダッチハーバー。人口自体は5,000人弱の小さな街ですが、ベーリング海での漁業や通商の中心地ともされています。不慣れな国外滞在は過酷さこそあるものの、業務/非業務を問わず様々な経験を積むことができる場所でもあるようです。

記事内でも紹介したように玄関口であるウナラスカ空港への渡航者数は年間20,000人程度。アメリカ連邦航空局の Preliminary CY 2021 Commercial Service Enplanements Data によると、2021年は19,099人と想像以上に少ない印象です。異国の地を実際に訪れることは難しい昨今ですが、写真などを通じて貴重な現地の様子を味わっていただけていたらうれしいです。
次回更新もお楽しみに!(こやま)

そうだ、渡航の際はESTAをお忘れなく!

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