非常勤講師デビューの1年 | 筑波大学講義レポート2024
2024年、最後の水曜日です。こんにちは、イシダテック石田です。
2021年~2023年と少しずつ登壇していた筑波大学工学システム学類向けの授業「研究・開発原論」ですが、今年から非常勤講師として担当しています。
前年まではゲスト講師でした。
母校のシラバスに名前が!嬉しいです!!
これまで2日分(2コマ授業x1日、最終発表x1日)という形でしたが、今年は1つトピックを増やして、3日分(2コマ授業x2日、最終発表x1日)にて担当しています。
この授業は秋学期を通して行われます。
学生の最終ミッションのお題は「工学システム学類(の研究室)が保有している要素技術を利用して、起業するプラン(=リアリティのある妄想)を発表せよ」というもの。
社会的な課題を定義するところから、要素技術や諸研究室の研究内容理解、プランの作成とプレゼンテーションを行います。なかなかタフですが、かなり実りの多い授業。論文のサマリさながらのフォーマットになった、手元資料まで用意されます。
そもそもなぜ担当するようになったのかー
そういえばこの点に触れたことは少なかったように思います。なぜ非常勤講師になったのか。
2018年ー
イシダテックと筑波大学が、とあるテーマで共同研究をスタートします。
以来、同技術を発展させ、テーマの幅を広げて、関係性も深化させていきました。
ある時、善甫先生がつぶやきます。
2021年ー初登場です。
当時は、善甫先生との対談形式(コント)でした。今も変わらないテーマは「民間企業と大学の共同研究・技術ロードマッピング」ということで、大学との共同研究を通じて、どのように技術を利用して技術化されるのか、ということをお伝えするものです。
経験を知見化して、学生の糧にならないかーこの思いがきっかけでした。
そして授業としては3年目を終えたとき、特に大きな問題を起こさなかったのでまあこいつでいいかと思った善甫先生から次のように相談がありました。
これが経緯です。
つくばへ
1~3年目同様に授業のことをレポートしつづけると飽きてしまうので、これまでお伝えできていなかったことや、道中の気づきをお伝えするパートを挟みます。
交通:行きは高速バスが良さそう。復路は電車が良さそう。
筑波大学というと、何かと移動周りが取り沙汰される時代です。
私が担当する授業は、15:15~18:00で筑波大学構内で行われるので、これに合わせて焼津から伺います。ただし、日中にオンライン会議を入れたくなることも多く、この時間を確保するために移動は朝に行います。
焼津駅→静岡駅:15分、静岡駅→東京駅:60分、東京駅→筑波大学中央:80分程度で、待ち時間等も合わせると、焼津駅から大学の研究棟最寄りのバス停までは180分かかります。
高速バスは、新幹線との接続もよく、大学構内まで走ってくれるため、何も考えずに仕事していると終点に着きます。この便利さに気がついて以降、高速バスで筑波大学に通います。行きは。
往路。つくばに宿泊した場合、翌日、特に午前中に都内に向かう場合は、必ずつくばエクスプレスに乗ることをおすすめします。つくばエクスプレス線が地中深くて、秋葉原駅乗り換えがそれなりに大変なのですが、高速バスは首都高乗り入れの渋滞にはまるとなかなか動いてくれません。
先日は車内アナウンスで「ちょっとこれ、全然進まないから急ぎたい人は八潮パーキングエリアで降りて電車乗ってくださいな(意訳)」とありまして、少し歩いて電車に乗り換えた記憶があります。あれほど避けたい秋葉原駅に無事に降り立ちました。
東京駅までつながる未来が来るといいですね。
昼:「粉とクリーム(通称:粉クリ)」か「専門店街」
まるで伝わらないと思いますが、下図のあたりの講義の教室、事務棟、研究室棟あたりを行き来します。
このあたりにちょうどよく配置されている店舗でランチします。
普段、私の昼時の栄養補給はプロテインなので「ランチする」というだけでわくわくしちゃいます。
工学系の巣窟エリアには複数の食堂がありますが、たんぱく質、GI値、カロリーのことを考えると、自然とそばかパスタの選択肢に行き着きます。
そんなときに頼りになるのが、「専門店街」のそば屋さんと「粉クリ」。専門店街といってもあるエリアに独立したキッチンをもつ、提供カテゴリを絞った店が連なっているだけなのですが。
さらにちなみに私のIKEA愛はこれ。
構内:噴水は11時らしい。
そば屋も6ピース149円の旧型カラースを使い続ける時代です。昔、シンボルだった噴水もないはず。コストカットできっと。
そう思いながら、女性比率の多い第二エリアと、男性比率が極端に多い第三エリアを分かつ、通称「天の川」にかかる橋を通過します。時は10:59AM。
11:00AM。ちょうど粉とクリームのパスタ部門が開店する時刻。
・
・・
・・・
噴水が・・・噴水が!!!
もっと気の利いた発見をお伝えできればよかったのですが、噴水に満足しました。これ以上この日は発見がありませんすみません。
今年度の授業
さて、今年は2つのトピックを担当しています。
民間企業と大学の共同研究・技術ロードマッピング
市民・行政を巻き込む研究・開発戦略
1つ目の「民間企業と大学の共同研究・技術ロードマッピング」については、これまでと同じく、以下のことをお話するもの。
再掲ですが概ねこちらの内容と、ここ2年間のアップデートを載せこんでいます。
他方、2つ目の「市民・行政を巻き込む研究・開発戦略」については、正直なところタイトル負けしている感は否めませんが、脊髄反射系「やります!」と申したところやり切るしかありません。たとえ、来年度担当しなくなろうとも・・・!!
新担当テーマ:市民・行政を巻き込む研究・開発戦略
次第に、鈴木静岡県知事の選挙スローガンが想起されてきました。
さて、改めて振り返ってみて資料を作成してみて、議論のネタになったものを少しだけ共有させてください。
授業でしか話せないような内容が多いため、黒塗り失礼します・・・。
今回の授業のテーマは、「社会性のある課題解決」が含まれています。
ところで、自分がすでに持っているテーマ以外に、社会課題ってどのように認知・認識するんだろう、ということを改めて考えてみた謎図です。
授業中のテーマ探しが目的なのでこのようになりましたが、当然、メガトレンドに得意分野に応じた仮説をぶつけていくのが王道だとは思っております。
社会課題の抽象度や大きさの高低感やカテゴリ、課題の典型的なエリアをまとめ、「起業せよ」の授業テーマに即する内容に当てはめて、このような点に着目したらいかがでしょう?という内容です。
次に、「そういうお前はどうなんだ?」となりそうなので、一旦、研究開発テーマ→事業化したものをテーマのカテゴリ別x時系列でプロットしてみました。また、実際にイシダテックが持ち出しでやったもの(非プロジェクト)と、受益者がプロジェクト化して受注したものを色分けしてみました。
そんな謎図が下図です。
!!!!
できるかどうかわからない/できるか信じてもらえてなかった、自社で100%リスクを取った謎の小プロジェクトがハブになっている!!!!
教訓:小さく始めよ。身銭を切れ。
とんでもない発見をいただいてから、ある程度まとまりのあるプロジェクトが、とある媒体を介してすんなり進んでいくことに気が付きます。
これは、鹿児島イノベーションベースで、株式会社vision 代表取締役会長 兼 CEO 佐野健一さんが仰っていたこととも重なります。「モビライザー(推進者)を見つけよ」と。
あとはモビライザーの応援団も必要で、その応援団はどこに生息しているか、教訓をまとめたもの。これはかなり波風立ちそうなので雰囲気だけですみません。
市民・行政を巻き込んでいるか甚だ不明ではあるものの、地域の課題はその地域のみんなと、主体者意識を持って解いていこうぜ!!!という気合と根性の片鱗はお見せ出来たかなと思います。
そして迎えた最終日
12月23日、最終日を迎えました。学生の皆さんがチームに分かれ、それぞれピッチを行います。質疑応答の時間も設けられており、講師陣からも自由に質問を行います。
学び
授業を行った際の学びもさることなら、最終日の善甫先生の締めの言葉からは多くを学びました。
そのように設計してしまう授業!!
社会と研究の繋がりを主体的に感じて取れる貴重な授業!!
さすがです。さすがすぎます。
工学システム学類の皆さん、この授業、本当にオススメです!!!
おわりに
授業を紹介したかったのか、粉とクリーム(粉クリ)を紹介したかったのか、何やらよくわからない記事でしたが、総じて良い時間を過ごすことができました。非常勤講師ーこのような機会をいただき、ありがとうございます。
任期は1年なので、来年も任命いただけるようなら嬉しいです。
今回、対象は工学システム学類の学生でしたが、弊社での工学システム学類を卒業した社員が活躍しています!
ぜひご連絡お待ちしています!